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楽だから自然なお産~高齢出産編~

出産・子育て・介護家族と向き合ういろんなお話

一般社団法人
日本マクロヘルス協会
理事

望月 索 (もちづき さく)

人一倍不摂生な出版仕事人が37 歳、40 歳、44 歳で出産、育児の経験も積み、健やかな暮らしについて学び合う協会の設立メンバーに。
編集、ライター、一般社団法人日本マクロヘルス協会理事。編著に『子どもを守る自然な手当て』、訳書に『親子で楽しむ!おむつなし育児』、『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』。
http://macro-health.org

【Vol.103】おっぱいの量は誰が決める?

投稿日:

子どもは全員とても大切ですが、
生まれたての子は母として、何をおいても守りたい存在です。

まさに「私の大切な人」。

かわいいわが子を守るため、病院との戦いが始まりました。

 

母乳派VS 粉ミルク派

 

なぜ戦いになるのか。

見ている現実が全く違うからです。

病院に今でもありがちな例として、「授乳の時間が決まっている」。

また「糖水を飲ませる」「粉ミルクを推奨される」。

母乳を重んじる病院以外では、母乳がしゃんしゃん出る前に、
何かを与えるのは一般的です。

母乳を重んじる立場では、赤ちゃんは「お弁当を持って生まれてくる」ので、
母乳が出なくても、出るまで何も与えず、とにかく吸わせます。

乳が出るまで、赤ちゃんは、自分の脂肪を消費し、排泄して体重を減らしつつ、
授乳のリズムと絆をつくっていきます。

完全母乳派でも母乳以外に与えなければならない例外が、
産後比較的すぐに与えられるケイツーシロップ。

裁判にもなりましたので、ここでは触れません。

気になる方は、以前私が企画・翻訳した書籍、
『親子にやさしい自然育児』を読んでくださればと思います。

ケイツーシロップなんて論外。

胎便が出て、母親からもらった有害物質をデトックスするまでは、
母乳すら摂らないという考え方もあります(整体出産とかね)。

でも、初乳には胎便を出す成分も含まれているし、
免疫物質や豊かな栄養に恵まれた初乳は、
何としても赤ちゃんにあげようとするのが、母乳派でも粉ミルク派でも一般的です。

が、子どもが低体重である場合。

「お弁当」を持っていないとみなされ、母乳派からも、
体重の自然減少を認めてもらいづらくなります。

すると、どこであっても粉ミルクの必要が生まれます。

低体重の子どもは、どの産院でもある程度の管理下に置かれます。

大病院では、詳しく検査して何の異常がなくても、厳重な監視下に置かれます。

 

飲まなくても飲ませる

 

大病院では、産後検査のため授乳もさせてもらえず、
その後、添い寝も許されませんでしたが、初乳をあげるために
一定時間授乳することは許されました。

そして入院施設に落ち着くと、3時間ごとの授乳を指示されました。

産後すぐ4時間も引き離され、自由に吸われることもできず、
おっぱいが出るようになるのか?

なかなか恐ろしい疑問を抱きながら、強要された基本フローがあります。

?赤ちゃんの体重を測る。
?授乳する。
?また体重を測る。
?体重の増え方が足りないぶん計量して粉ミルクを作る。
?必要なグラム数を無理にでも飲ませる。
?搾乳器で搾乳する。

搾乳した乳は、冷蔵庫に保管しておいて、
その次の授乳では、その乳も含んだ粉ミルクをあげることができます。

たくさんの搾乳器が並ぶナースステーションは、異様に見えました。

うちだけの措置じゃありませんよ。

その大病院の一ヶ月検診で見かけた初産の方は、もちろん混合育児でした。

授乳が終わってから哺乳瓶を口に押し込み、
もっと飲みなさいと促す様子に、足りてるのでは?と心から思いました。

その「飲まなくても飲ませる」の前提に気づくのには時間がかかりました。

子どものペースを無視するとなかなか飲みません。

すると、反射を利用して、無理に飲ませます。仮に吐いたらやり直し。

フォアグラ生産状態です。

納得いかないので、何度も訴えました。

「眠い時に無理に飲ませるより自由に飲ませたほうがたくさん飲んで体重が増える。
どうして3時間ごとに何が何でも与えなければならないのか」。

答えられない若い看護師の横から、
「赤ちゃんは自律哺乳できません」。と年配の看護師が言い放ちます。

あまりにも新しい概念でした。

プレマ株式会社
東京スタッフ
望月 索
(もちづき さく)

8歳、5歳、1歳の三姉妹の母。
人一倍不摂生な出版仕事人が妊娠、出産、育児と経験を積むうちに、
気づくとハードコアな自然派お母ちゃんに。
編集、ライター、プレマの東京スタッフ。
編著に『子どもを守る自然な手当て』、訳書に『小児科医が教える親子にやさしい自然育児』など。
ご質問などは下記アドレスまで
info@prema.co.jp

- 楽だから自然なお産~高齢出産編~ - 2016年4月発刊 Vol.103

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