自分探しのボイスアート

ボイスアートは気づきの呼吸法

人が最も興味を持つ事柄の一つに、自分は何者なのか、唯一の自分を知りたい、そして、それを表現したいということがあると思います。これは、私たちが生まれてきた理由ではないでしょうか。私も、そう思ったひとりでした。ボイスアートを通して21年。その答えを自分なりに見いだせたように思います。

「息」という字は、自分の「自」に「心」と書きます。この自分の息を初めて聴いたのは、1995年阪神淡路大震災に遭い、強い鬱状態になった時のことでした。

「生きているか、死んでいるかわからない時間」。前年に離婚をして、家や仕事を失い、小さい子どもを抱え、苦しくて、歌うことはおろか、声を出すだけで心の中は、血が流れていくような日々でした。

そんなころ、滋賀県朽木村に来ないかと誘われ、山の中にある友人宅に宿泊しました。翌朝、深い静寂の河原で、おもむろに声を出してみると、聴こえてきた自分の声は、自分の心に向っていました。瞬間、怒濤のように涙が溢れ出たのです。同時に、終わらせていない過去の哀しみの涙であった事に気づき驚きました。

その涙は、繋がりたいのに繋がれなかったことへの、怒りや悔しさの感情でした。いい人にみられたかった私は、それを押さえ込んでいたのだと思います。自分の声を聴いて癒されることがあると気づいた初めての経験でした。こうして、声を聴く行為から「ボイスアート」が生まれました。

天から降りてきたボイスアートというギフト。自分だけのものでない、みんなで分かち合い、分け与え合うギフトを戴いたと思います。

ボイスアートは、独自の三つの呼吸法(おじぎ呼吸法、ため息呼吸法、ハー声呼吸法)を使い、心や身体を健康にしていくセルフセラピーです。

声の元は息(声と息は同じと考えている)。吐く息を丁寧に見送り、新しい息を、感謝を持って迎える。これを繰り返していきます。その声や息を聴き、それをきっかけに息の道をたどりますと、他者に意識が向いている自分から、本来の自分自身に還ってきます。これをボイスアートの呼吸法の基本としています。

「息」と「自分軸」の関係

声や息を聴いていくと不思議とリラックスしていきます。これは、血行がよくなり、リラックス効果のあるホルモン、セロトニンが上昇するからです。

リラックスするとは、安心する。他者に合わせていない本来の自分でいられる。空っぽになっている状態のことです。

人の心と身体が健康でなくなる時、周りばかり気にしていて、自分をかえりみていない状態がつづいた時かと思います。はじめに、息という字は自分の自に心と書くと述べましたが、その息に耳を澄まし聴いていくと、不思議と安心感で満たされます。他者に向いた自分でなく「今ここにいる」「自分に還ってくる安心感」、息を聴いていく行為により、安心した心地よい本来の自分位置に還ってきます。これが「自分軸の位置」なのです。

喜びを育む「ボイスアート」

喜びや感謝は、私たちの本質であると私は考えます。ボイスアートでは、他者と絶対に合わせない、自分の声に責任を持たない、競争や評価がないを基本ルールに遊んでいきます。合わせないと決めてから行うと、オンリーワンの自分軸ができ、他者との調和が叶ってくるのです。

喜びを育むボイスアート遊びを紹介しますと、身体の中心に筒があることをイメージして、空に向かいアホーと声を飛ばす「遠吠え遊び」。「声を使ったキャッチボール遊び」(これは、コミュニケーションの取り方や距離感が実感できるものです)。「笑いのエクササイズ」など。

ボイスアートの声遊びは、心と身体のエネルギーが高まり、ワクワク感が上昇し、眠っている自分の才能の開花を発見できます。そして、今ここにいる自分が、喜びと感謝で満たされていきます。

ボイスアートとは、まさに自分軸に立ち、「私を生きる」「今を生きる」を目指したものです。

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ボイスアートマスター・歌人・作詞作曲家
NHK 文化センター梅田教室講師
日本音楽著作権協会会員
まや はるこ

大分出身。声楽を笹田和子、シャンソンを菅美沙緒に師事。バックパッカーとしてアメリカ、カナダ、中南米へ。パントマイムをトニー・モンタナロに師事、心と身体を解放する基本を学ぶ。阪神淡路大震災で全壊被災し心を病み、滋賀県朽木村で療養中に自分の声を聴く行為により自身の心が解放されることに気づく。「ボイスアート®」と名づけライフワークとして指導。大地と人の調和を目指す「アワ歌」など音楽活動を展開。神戸市立須磨海浜水族園イルカライブショーテーマ曲楽曲提供他。コロンビア、ペルー国際音楽祭で自作曲「あなたに会えてありがとう」で歌唱賞受賞他。
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