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魂とのコミュニケーション

「本当の自分との出会いはあなたが望む豊かで美しい人生の大切な道しるべとなります」 宮崎ますみさんからのメッセージ

ヒプノセラピスト・エッセイスト・女優

宮崎 ますみ (みやざき ますみ)

1968年愛知県生まれ。1984年クラリオンガールに選ばれ、女優として、舞台・映画・TVなど幅広く活躍。1995年結婚を機に渡米。
米国で2児の息子を育てながらYOGAに傾倒し自己探求に専念。
瞑想を深めていくなかで自己の本質に目覚め、ヒーリングとリーディングを始める。
帰国後2005年、乳がんであることを公表。克服後2007年ヒプノセラピストに。
同年11月厚生労働大臣より「健康大使」を任命される。自身の経験を活かした講演会活動やヒプノセラピスト養成に取り組んでいる。
ヒプノウーマンSalon『聖母の祈り』http://salon.hypnowoman.jp
一般社団法人ホールライフクリエーション http://wholelifecreation.com
日本ヒプノセラピーアカデミー・イシス http://jhtaisis.net
日本ヒプノ赤ちゃん協会 http://hypnoakachan.com

命の尊厳を守りたくて

投稿日:

ありのままを愛してほしかった

私は長男の出産後、たびたび机に向かい、溢れ出てくる言葉をひたすら書き連ねていました。
するとある日、心のエアポケットにストンと落ちたかのように突然トランス状態に入り込み、長い間抑圧し続けてきた幼少期の心の声が吹き出したのです。
それは幼い私が言語化できなかった、誰にも見つけてもらえず牢獄に閉じ込められていた深く正直な感情の表出でした。

「私はただ、あるがままの私を認めてほしかっただけなの。
愛してほしかっただけなの?」そう言いながら私は号泣しました。
一時間以上も。
何年も何年も抑圧し続けてきたインナーチャイルドを、私は「そういうことだったのね」と小さな自分を抱きしめるような気持ちで、自らの感情を全身で受け止めました。
カタルシスにより表出された感情は一斉に光へと向かい、心が空っぽになり静寂が広がりました。
深い安堵と虚脱感。
私を縛り続けてきた「羞恥」から解放されたのです。

とはいえ、それから10年後に本格的にヒプノセラピーを学ぶまでは、この潜在意識のカラクリを知る術もなく、刻み込まれた幼少期のネガティブな暗示を書き換えることもできず、本来の魂の自分軸を取り戻すまでには、まだまだ時間がかかりましたが。
しかしこのとき、私の本音はようやく光を浴びたのです。
あのときの出来事は私にとって忘れることはできません。

人様の目を気にする生き方

私は異常なまでに人の目や体裁を気にする家庭環境で育ちました。
同世代の親に共通する特徴という気もしますが、ひょっとしたらこれは日本の文化が影響しているのかもしれません。

人に迷惑をかけることの恥

人様に役立つ人になることの徳

この振る舞いと発言は、みんなに好印象を持ってもらえるのだろうか?

嫌われやしないだろうか?

受け入れてもらえるだろうか?

つねづね場の空気を読みすぎる私たちは、世間体を気にし、人の評価に怯えるあまり、自分の考えや価値観を常に他人の視点に置き、自分軸を見失い、真の自尊心ではなく、指摘から身を守る自己顕示欲やプライドという重く頑丈な鎧を、無意識のうちに着込んでしまっていないでしょうか。
日本人の美徳でもある恥の文化、価値観は、子どもの可能性の芽をも摘んでしまいかねません。

「あるがままの私を認めてほしかった、愛してほしかった」という私の心の叫びは、私が私のままで許された記憶が欠如しているからこそです。
そして、それは無意識層に刻み込まれ、親から子へと連鎖していきます。
そんなつもりはなくても、自分の子どもが衆目にさらされたとき、「恥ずかしい」という思いがムクムクと湧き起こり、自らを苦しめるのです。

特に個性が際立つ障害を持つお子さまの家族に共通する意識として、人の奇異な目にとても敏感です。
偏見に満ちた視線はとても堪え難いものです。

無邪気な子どもがあるがままに振る舞うとドキドキと鼓動が速くなり、コントロールのできない自分自身の反応に後ろめたさを感じつつも、つい子どもの自由な表現を抑えつける行動に出てしまいます。
そんな反応はまた、子どもに「あなたは恥ずかしい存在」という暗黙のメッセージを与えかねないことも知りながら、また自責の念にさいなまれる。
偏見にさらされるくらいなら、誰にも気づかれないよう存在を隠すか、人と関わる場所へは連れていかないなど、どんどん閉鎖的になり行き場を失っていきます。

この子がただ存在してくれているだけでとても癒されるのに、本当は恥じることなんてなにもないはずなのに、一歩外へ出ればまた罪悪感にさいなまれる。
その繰り返し。
障害を持っていようといまいと、平等に命の尊厳を守りたい、と私は思うのです。

- 魂とのコミュニケーション - 2018年11月発刊 vol.134

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