最近、医療に関するドラマや映画を多く目にするようになりました。何を表現したいのでしょうか、何に気付いて欲しいのでしょうか、それは個々の感性にも任されているように思います。それらは医療側から見たタイムリーな場面の大変さを伝えているものや、神聖な医療の裏側にあるあまり取りざたされない病院経営の部分など様々な実情を表現しています。事務長がドクターに「経営が成り立たないので早く患者さんをみてください!」「一人の患者さんにそんなに時間をかけていられないのですよ!」と話している場面が出てきたりします。これはどこの病院でも直面している問題で、耳の痛い話ですが、保険診療ではどうしても治せることや診察に掛けられる時間に制限が出てきてしまうのです。また歯科治療のようにずっと続けて診療をうける場合などは、同じ処置を何度もうけられなかったりと色々なルールと制約があるのが現実なのです。
総合病院などで調子が悪い部分を訴えても、高度な検査をしても何ともないと言われる。だけど自分では何かおかしいといつも感じている。そういう場合は骨格構造に問題が出ていることも考えられます。歪体になることで感覚異常が起こるのです。残念ながら長いこと検査入院しても骨格構造についてアドバイスしてもらえる病院環境は少なく、そのままになってしまうか、結果的には精神科や心療内科へ紹介されたりすることも少なくないのではないでしょうか。
医療の細分化により、身体の部分部分はそれぞれの科で診察をうけ、状態の悪い物は手術をし摘出する。その場では治ったと喜ぶのですが、人間の身体は失った組織や臓器の位置、本来あって欲しい位置に物が無いと、自分でバランスを取ろうと位置を変化させ歪みが生まれてきます。ある意味自分で自分のバランスをとる人間の素晴らしい機能です。
こういう方に出会いました。その方は以前に手術で臓器を摘出されました。最近になって歩くときにバランスがとれない。左右同じように足に力が入らないとおっしゃるのです。骨格構造をチェックしてみると足の長さの相違があり骨盤も歪んでいます。そこで私はそれが骨格からくる歪みなのか、咬み合わせのずれからくる歪みなのかを定かにするために歯にマウスピースをお入れし、状態がよくなる割合を確認してから、身体のバランスを調整し歯のかみ合わせを調整しました。すると歩くときのバランスのとれない症状は消失していきました。すべての方にあてはまる症例ではないかもしれません。人はそれぞれにそれぞれの比率で歪みをもっていますから……。ですが確実に身体の改善の手助けになると思います。
木を見て森を見ぬ医療をなくすために、患者さんの訴えを丹念に伺い両者が納得のいく医療をしたいという強い思いから、ケテル齒科醫院は4月よりお一人お一人の状態に対応したオーダーメイドな医療を行いたいと考えております。そしてこれからも、「もし貴方が私だったら、そして貴方のご家族が私だったら」を念頭に、最善な治療方針を提案し治療を行っていきたいと思います。
田中 利尚
歯科医師 整体師 日本抗加齢医学会専門医 国際統合医学会認定医 「咬合(かみあわせ)を制する者は歯科をも制す」という、歯科医学の見落とされている最も大切な力学的調和という根本理論に触れ、かみあわせを追求。しかし身体が変位していると良いかみ合わせを構築できないところに西洋医学の限界を感じ統合医療を目指し東洋医学(整体)を勉強。 顎が痛い、お口が開かない、首肩の凝り、腰痛、うつ病までを含む顎関節症の治療にも取り組んでいる。 「健康は歯から」を確信している。 |