心機一転の宮古島移住と新規就農から早6年。「光陰矢のごとし」、「少年(じゃないけど 苦笑)老い易く学成り難し」が心に染み入ります。年初に当たり、「走りながら考える・考えながら走る」試行錯誤の日々を積み重ねながら着実に歩みを進めるオルタナティブファーム宮古の今年の抱負を語ります。
宮古島の高校生が県外の高校生に島を案内するモデルケースを作りたい!
サトウキビはかつて、子供からおじい、おばあまで家族ぐるみで協力して栽培から収穫までの農作業をおこなうもので、生活を支える貴重な収益でもありました。各集落には「しーとーや」と呼ばれる黒糖加工所が数カ所あり、集落内外で黒糖の味・色・香りの品質を競い合い、子供たちは鍋ふちに残った黒糖をおやつにしていました。また土間には床下倉庫があり、保存食の「にんにくの黒糖漬け」など、各家庭の味を自慢しあういわゆる「手前味噌」の文化もありました。そのように文化的にも経済的にも生活に密着・浸透していたサトウキビですが、時代の変遷と共に価値観が変容し、それに応じた理由・背景があって、今ではサトウキビを収穫したこともかじったこともないという地元高校生は珍しくありません。
「先祖が築いてきた文化・経済基盤の恩恵の元に今の私たちの生活があることを知り、次世代を担う私たちは新たな発展を願い・努力する」。押し付けがましくもありますが、そのような学びを、サトウキビを通じて宮古島の高校生に体感してもらいたいのです。だから、地元高校生と共同で、県外の修学旅行生向けのプログラムを作りあげ、地元高校生が体験型観光案内をする場を提供したいと思っています。(次号につづく)