きょうだいの頼り
前号では、私が理事を務めるマクロヘルス協会の、子育て世代向けメルマガのアンケートでうかがった内容に加え、私がリアルに聞いてきた話から、妊婦さんや産後ママがパートナーに感謝する点について、ご紹介しました。昨年10月の改正育児・介護休業法の本格スタートで、産休、育休が取りやすくなったパパたちの参考になればうれしいです。
その続きとして、今号でお伝えしたいのが、きょうだいがいるケースです。第一子の妊娠のときは、知らないことだらけで大変だけど、実は余裕があります。第二子以降になると、子どもの年が近ければ近いほど、妊婦さんは休みたくても休めません。そんなとき、互いに融通し合って家事や第一子の育児を前向きに分担できる夫は大切なパートナーで、多くの妊婦さんが感謝しています。
実際、第二子以降は、上の子の面倒をパパがみるしかない局面が出てきます。自然分娩の病院や助産院では上の子も、下の子の出産に立ち合いできたり、産院に泊まったりもできますが、病院によっては、上の子は建物に入れないことがあります(子ども特有の感染症を持ち込まれる可能性が危惧されるため)。母親がいない状況に、不安定になった上の子が、一番に頼りにするのはパパですよね。そんなとき祖父母に任せるのではなく、使いやすくなった制度を利用して、ぜひ、パパの産休を取ってくださればと思います。
並ぶものなきエピソード
赤ちゃんは産まれてからも、手がかかりますから、手はいくつもないと回りません。よくある分担に、お出かけ時にベビーキャリーするのは、パパが担当、という姿があります。夫婦で兼用できるようなリュックタイプの抱っこひもを使うのもいいし、ラップスリングを共用してもいいですね。ラップスリングは、からだに巻き付けることができるとても長い布地で、よく例えられるのが靴ひもです。最初は面倒に思えてもすぐ結べるようになるし、フリーサイズで調整しやすいです。なにを買うかに迷うときには、候補に入れてみるのをおすすめします。
パパが活躍するエピソードも多い赤ちゃん育児において、私のなかであまりにも圧倒的な、とあるパパの事例をご紹介します。
だれの話かというと、みなさんご存じのプレマの中川社長です。中川社長は子だくさんでかっこいいなーといつも思ってるんですけど、なんと、お子さんの卒乳を、担当されてたんです。
卒乳、断乳というと、ママからすると乳は張るわ、子どもは泣きわめくわ大騒ぎのなか、乳房に絵を描いたり、子どもに言い聞かせたり、乳首に辛いものを塗るなんて話まである、とにかく切ない印象があります。
中川社長は、お子さんが2歳になったら卒乳の旅に出てらっしゃいました。おっぱいがないと泣く子どもに対し、飲みたかったらおれの乳を吸え!と母乳エネルギーを差し出し、幾晩か子どもと二人で過ごし、卒乳を見守ったそうです。
ほかで聞いたことがない。私は本気で感銘を受けたのでしつこく覚えていていて、でも社長は私がずっと心に温めていたなんて思いもしなかったでしょう。心意気のあるパパは、ぜひ卒乳担当になって! 子どもにとって、ママとの大きな絆が一つ切れるのではなく、パパとの絆の結び直しになる。合理的だし、お子さんも幸せですよ。
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