前回は、妊娠中は妊婦ケアに慣れたお手当ての専門家に継続的に診てもらい、赤ちゃんに一生分の健康を与えてあげよう、といった話題でした。そういえば先週末、東洋医学系の諸療法の先生がたから、「きちんとお手当てした妊婦さんのお子さんにはアトピーの子がいませんよね」という話をうかがったところです。前号の記事を読んでくださってまだ手当てを始めていない妊婦さん! とにかくお手当てしましょうね!
さて今回は、おうちでできる妊婦の養生について、取り上げます。
食生活については、前回もちらりと書きましたが、助産院で指導された、「まごわやさしい」を導入としてお勧めいたします。それは、ま(まめ)=豆類、ご(ごま)=種実類、わ(わかめ)=海藻類、や(やさい)=緑黄色野菜・淡色野菜・根菜、さ(さかな)=魚介類、し(しいたけ)=きのこ類、い(いも)=いも類を中心とした食生活のこと。現在では放射性物質や重金属の観点から気になる食材も含まれていますが、きちんと自然の力の宿る食材は、人の排出力も高めるだろうと、今のわたしは信じています。ですので、各自が信じられる食材をみつけ、そのパワーをいただくのが、きっと一番です。
次に、よく噛むこと。『別冊うかたま 子どもを守る自然な手当て』の取材でお会いした先生方に、食生活で一番大切な点をうかがったところ、1つだけというのなら、何を食べるかではなくとにかく噛むことである、と、多くの先生がおっしゃいました。つわりは消化の病であるともよく言われますが、妊婦は消化のよさから食生活をとらえなおすと、おなかの子にもいいと思います。
わたし自身は現在かなりベジタリアンなので、消化管をフル稼働させている妊婦さんに、肉や乳製品はちょっとなぁ……と、感じられます。でも、体重管理もあるから、普段より野菜以外は皆さん控えめですよね? 最新の医学研究では「食生活からアレルゲンを除去したからといって、赤ちゃんがアレルギーにならないというエビデンスはない」そうですし、肉だろうが乳だろうが好きなら楽しんで、そのぶん噛んで無毒化するし! くらいのスタンスが、妊婦の心身の健康によさそうです。
ただ、産後は「おっぱいが詰まる」こともあるから、動物性や脂っこいものは危険(わたしのおっぱいトラブルはパンに入った牛乳が原因でした! )。妊娠中から少しずつ、まごわやさしい食生活にシフトすれば無難です。まあとにかく、動物性や玄米は、よ~く噛んでくださいね。
そして、冷蔵庫から出したものをそのまま食べないことも大切です。これがやれてない方は多いです。冷たいドリンクやお菓子をとっていませんか? 冬はもちろん、夏でもよくないですよ。子宮は胃のすぐ近くにあるから、胃が冷えたら子宮も冷えるそうです。胎児だってきっと頭寒足熱のほうがいい気持ち。胃のほうから冷えが伝わるせいで始終おしりが冷える、もうイヤだから頭を上にしよう、と、逆子になられても文句は言えません。
「冷え」は妊婦の大敵です。冷えとりに靴下を4枚はくのもよいだろうと思いますが、腹はもちろん冷やさない、手首・足首・首と、首の字のつくところは常に守って、冷えを入れないように心がけましょう。
妊婦には、妊婦ならではの強さがあると思います。でも、おなかに宿った「異物」を排除しないように、自分の免疫力を弱めてもいるのだそう。だから免疫力のさらなる低下を防ぐためにも、おなかの赤ちゃんを守るためにも、冷えはよくないです。レッグウォーマーなしのストッキング姿で三陰交を冷やして歩き回ってる妊婦さん、多すぎます! その足首! NGです。
最後に、妊娠週数に関係なく、皆さんもっと休みましょう。2人目のお母さん、仕事をしているお母さん、絶対疲れてます。疲労の自覚がなくても、継続的に、プロの手当てを受けてください。妊婦は針仕事を避けようなどと昔から言われますが、目は血液を大量に使うからだそう。妊娠中はおなかにたくさんの血液が必要な時期、テレビやPCやスマホ、発光体を見るのはほどほどに、夜はさっさと寝ましょうね。
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望月 索(もちづき・さく)
5歳と2歳の2女の母。不摂生も極まった37歳で妊娠。高年出産のうえ当然のようにトラブル妊婦だったが、産婦人科の方針とソリが合わず、近所の美容院で助産院なる存在をたまたま知ったことで、自然分娩へと舵を切る。 トラブル妊婦が自然分娩できるからだを作る過程でライフスタイルは真逆に変化。気づくとハードコアな自然派お母ちゃんに。 編集、ライター、プレマの東京スタッフの1人。 |