心と体が楽に動き出す目標設定

1月に今年の目標を立てた方も多いと思います。その目標への取り組みは楽しく着々と進められているでしょうか？　今月は、しなやかな影響力流「楽しんで取り組める目標設定」の2つのポイントをお話しします。目標を立てたきりで行動が止まってしまった方、目標を立てなきゃと思いつつ取り組めずにいる方、そして目標という言葉を聞くだけで苦手意識が発動してしまう方に、きっと役立つ内容です。

現在、私はある会社の営業チームにアドバイザーとして関わっています。皆さんもご存じの通り、営業マンと目標は切っても切れないもの。ですが、そんな営業マンも目標に対する強い苦手意識、プレッシャー、未達になる不安などと日々戦い、大変苦しい思いをしています。いま関わっている営業チームも例外ではありませんでした。

そこで、しなやかな影響力流の目標設定を試してもらったところ、笑顔も活気も増して、チーム全体の雰囲気も明るくなりました。何事も苦しいと続きませんね。目標の設定や達成も同じです。楽しんで取り組めるための大事なポイントを2つ、お伝えします。

心と体が動く目標

ポイント①
「行動・手段重視」より「状態重視」

やる気が出ず行動力も落ちて、力が発揮できなくなる目標には共通点があります。それは、目標を達成する自分自身の「理想の状態」が抜けていて、「得たい結果・行動・手段」だけしか設定されていないという点です。「なにをやるか」「どのようにやるか」は目標達成に不可欠ですが、それだけあっても人の心や体は動きません。仕事だから義務だからと言い聞かせ、目標達成に向かって頑張り続けるのは、まるでガス欠の車をずっと押し続けているようなもの。当然、苦しいです。

目標を叶えるうえで「どんな自分でありたいか」という「理想の自分像」を設定すると、うれしさ、期待感、高揚感、楽しさ、喜びなどのワクワク感、穏やかさ、落ち着き、大らかさ、安心感などの心地よい感覚が湧いて動きたくなります。

たとえば「月末までにアポを100件とる」は、結果・行動・手段ですね。一方、「心は落ち着き、体はすっきり軽くて、物事を俯瞰できる」は、理想の状態の一例です。理想の状態を設定しておけば、目標達成について考えるたび、理想の状態にともなう良い感覚を体験できます。そのたびに脳は、「目標は良い感覚」というインプットを受け取れるので、やる気のスイッチが入り、前向きになります。