「おかあさん!みてみて!ちょっとこのドングリすごいよ。ドクドクっていきているよ!」
秋が深まってきたある日、ドングリ拾いにいっていた長男は、もう大発見をしたというように、次男と一緒にどんぐりを高々とあげながら、わたしに見せにきました。そして、「この、ドクドクいきているドングリのなまえを、しらべてみよう。」と、新しいモノを発見した興奮いっぱいに図鑑を広げました。はじめは、いったい何をいっているのかしら?と、長男より手渡されたドングリを、まじまじと見てみました。すると、そのドングリには割れ目があり、そこから見える白い中身が確かに“ドクドク”と動いているのです。一瞬、本当にドングリが生きているように思ってしまいました。しかし、わたしが見るに、どうも何かの幼虫が入っているように思いました。
「おかあさん、パソコンで“ドングリがドクドクしています”ってけんさくして」と、図鑑で該当がないようで、長男が手にもっているドングリの状態を調べてみました。すると、“ゾウムシ”の幼虫であろうことがわかりました。ドングリがまだやわらかいうちに穴を開けて卵をうみつけ、幼虫はドングリを食べながら大きくなってゆくようです。そこで、長男にゾウムシの幼虫であることを伝え、ネットで出てきた写真をみせてやりました。すると、「エー!やだ!ようちゅうやだ!おかあさん、はやくおそとにやって!」と、今まで大切に持っていたドングリを放りだし、大騒ぎです。
カブトムシとクワガタは触れるようになった長男ですが、まだまだ虫が苦手で特に幼虫は見るだけでダメな様子。自転車のカゴいっぱいにとってきたドングリや栗もすべて捨てると言い出しました。あれだけ宝物のように扱っていたのに……。そこで長男に、穴の空いていないドングリや栗には幼虫は入っていないということを、図鑑も使って一緒に確認をしていきました。長男も理解をしたようで、よーくみながら、次男と一緒に選別をはじめました
。 長男にとって、ドングリの中に何か他の虫が入っているということは、初めて知った事実でした。“ドングリがいきている!”というのは、決して間違いではありませんが、ちょっと長男の思っていた生き方とは違ったようでした。でも、そのことを体験し、そして何か調べてみようという探究心に、拍手です。
拾った栗は、長男の希望で栗ご飯にしていただきました。新しい発見とともに、秋を満喫できました。
ハツキ的“らくなちゅらる”な生き方
常務取締役
室長/管理部長兼
【Vol.74】ドクドク生きているドングリとは
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