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鍼療室からの伝言

鍼灸師の西下先生による陰陽や自然食。二十四節気など古来の智恵のお話

圭鍼灸院 院長 鍼灸師
マクロビオティック・カウンセラー

西下 圭一 (にしした けいいち)

新生児から高齢者まで、整形外科から内科まで。年齢や症状を問わないオールラウンドな治療スタイルは「駆け込み寺」と称され医療関係者やセラピストも多数来院。自身も生涯現役を目指すアスリートで動作解析・運動指導に定評がありプロ選手やトップアスリートに支持されている。

「理他」から、「利他」へ

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2019年ラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピック・パラリンピック、2021年ワールドマスターズゲームズと、3年続けてスポーツの世界大会が日本で開催され、私たちが想像する以上に日本と日本人は世界中から注目されています。
 
ラグビーワールドカップは盛況のうちに幕を閉じました。「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」のキャッチコピー通り、あれだけの規模の大会で、台風の影響で中止となった試合があったものの、大会運営はスムーズだったといえるでしょう。また日本代表チームの躍進が盛り上がりに一役買ったことも疑いようがありません。そして、日本を訪れた海外の選手や関係者だけでなく、観客も日本滞在を楽しんでくれたのではないでしょうか。

規律と自律

大会前は「外国人だらけの日本代表」と揶揄されるなど、応援ムードもあまり高まっていなかったように感じますが、いざ開幕すると盛り上がりを見せ、試合を重ねるごとに勢いを増していきました。海外出身の選手たちの、日本代表として闘うことを誇りに思う姿勢も知られるようになり、試合前の「君が代」斉唱で感情が高ぶって涙を浮かべる選手の姿には感動させられました。
 
日本チームの躍進は、「規律」と「自律」に集約されると思います。規律とはルールを守るのはもちろん、チーム内での決め事からも外れないこと。すべての試合で相手チームよりも反則が少なかった結果にも結びついています。そして、自律とは自分で考えて動く力。常に動き続けているなかでの瞬時のひらめきや判断力が素晴らしく、海外のコーチ陣からの評価も高かった。規律と自律という、ともすれば相反する要素がバランスよく保たれていたようです。
 
海外出身の日本代表選手たちは、合宿中に日本の歴史の講義時間を設けたり、グラウンドを離れたところで日本の文化に積極的に触れたりと、日本人の気質を理解し、自分たちに浸透させる努力をしていたそうです。それが日本代表としての誇りにつながったことでしょう。

情けは人のためならず

日本人らしさを身につけたのは日本代表の選手たちだけではありません。海外代表チームの選手たちも、試合後に一列に並んで観客にお辞儀をする、自分たちの使ったロッカールームをきれいに掃除するなど、日本選手の良いところをどんどん真似するようになりました。特別ななにかではなく、日本人が当たり前にしていることが広がっていったのが興味深いところです。
 
今回のワールドカップでもうひとつ、カナダ代表チームにも触れないわけにはいきません。岩手県釜石市で予定されていた予選リーグ最終戦が、台風の影響で中止に。これでリーグ最下位が確定し、悔しさとともに帰国するところですが、釜石市に残って大雨で路上にたまった土砂や泥をかき出すなどのボランティア活動に加わったのです。彼らの思いやり溢れる行動は、SNSで感動とともに広がりました。「地元で試合予定だったチーム」は「台風のときに助けてくれたチーム」として釜石市民の心に刻まれたことでしょう。
 
「自分が幸せになりたければ、思いやりを実行に移しなさい」。ダライ・ラマ14世の残した言葉の通りだといえます。失意に暮れていた彼らは、人の役に立つことで自身が癒されたのかもしれません。同じような言葉に「情けは人のためならず」があります。人に情けをかけて親切にするのはその人のためになるばかりでなく、やがてはめぐりめぐって自分に返ってくるから、人に親切にしようという教えで、利他の心を説いたものです。
 
多様性の時代、相手を理解しようとする「理他」、その人のためになることをしようとする「利他」、どちらも大切にしたいものです。

- 鍼療室からの伝言 - 2019年12月発刊 vol.147

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