転ばぬ先の栄養学

【Vol.40】「カルシウムと健康について」その13 家族が、カルシウム不足に陥らないための秘訣

 ここまで、私たち人間がカルシウム不足の生活を続けることに起因する様々な危険性についてお話をして参りましたが、カルシウムは、心身ともに健康を維持していく上で、男女問わず、すべての年齢の人にとって、摂取不足のないよう十分に心がけなければならない重要な栄養素なのです。

 欲を言えば、カルシウムにプラスして、化学的な合成ではなく天然物から得た、マグネシウムや鉄、リン、カリウム、ヨウ素、マンガン、セレン、亜鉛、クロム、モリブデンなどのミネラル類も日々の料理に加えて摂取できれば、健康維持を考える上で、最も理想的といえます。市販されているカルシウム強化食品や薬品は様々な素材を基にして製造されていますが、大きく分けると、卵の殻や貝殻、鉱石などを原料にした「炭酸カルシウム」、魚骨や動物の骨などを原料とした「リン酸カルシウム」、植物由来の「フィチン酸カルシウム」、牛乳由来の「カゼイン酸カルシウム」、ワカメや昆布、ヒジキなどの海藻類を原料とした「アルギン酸カルシウム」そして、サトウ大根を乳酸発酵させてつくられた「発酵L型乳酸カルシウム」があります。吸収率や水溶性、安全性などそれぞれに違いがあり、皆さんにとっては、どれを愛用すれば良いのか判らないというのが本音だろうと思います。

 また、家族全員がカプセルや錠剤、顆粒をそのまま口へ補給し続けるには無理があろうと思います。やはり、日々の料理にカルシウムを強化し、意識せずに食事で不足分を補えることが理想的です。「食で不足するのであれば、食を強化する」というのが私の考え方です。

 そのためのカルシウム剤は、水溶性が高く、吸収性に優れ、安全性が世界的に認められている、料理に使用しても味を損なわないといった条件を満たすものでなければなりません。

 私の家庭では長年にわたり、グレイ トミネラル(78種類のミネラル含む)と発酵L型乳酸カルシウムが一緒になっている料理用カルシウムを加えた食事をしています。皆様も、カルシウムをはじめ、ミネラル不足に陥らず、家族全員が健康で穏やかな生活を送れますように工夫されてみてはいかがでしょうか。

山口清道

山口清道氏
日本予防医学研究会理事、フルボ酸・腐食性物質機能研究会会長。大手企業や新聞社、薬剤師会、教育委員会その他の各団体が主催する講演会で講師を務め、『食品破壊の実態』『カルシウム不足の脅威』などをテーマとする講演回数は1000回を越える。
現在は講演活動を休止し、食品科学研究所・BAOBAB代表、株式会社バオバブ代表取締役として、イメージ商品が氾濫する現代における、ほんもの食品の研究開発に取り組む。

【Vol.39】「カルシウムと健康について」その12運動不足とカルシウム

 運動不足になると、カルシウム代謝異常がおこり、骨が脆くなるということはよく知られていることです。脳卒中、急性脊髄灰白髄炎、脊髄損傷や骨折、歩けなくなるほどの関節炎、あるいは重症疾患など、ベッドで寝たきりになるととくに、骨が脆くなっていきます。これを不動性骨粗鬆症といいますが、症状として、骨や筋肉の萎縮が生じ、骨から血中へのカルシウムやリンの放出が増加して、高カルシウム血症、高リン血症になります。

 これらの治療には、まず、もとになる病気を早期に治す必要があることは当然ですが、動ける部位はできるだけ運動させることも必要です。

 高カルシウム血症になっているのは、骨のカルシウムが溶け出しているからであり、これを食い止めるには、腸管からのカルシウムの輸送を多くする必要があります。病院ではカルシウムの投与をおこなったりしますが、これが進んで重症になれば、腎石灰化症で結石ができはじめ、腎不全にいたるような場合にはカルシウムやビタミンDなどの投与を中止し、低カルシウムと高リン酸液の点滴をすることもあります。こういうことにならないように、毎日食べる料理の中に、安全で吸収性の高いカルシウム剤を添加し、普段からカルシウムが不足しないように心がけることをお奨めします。

 それによって、骨からのカルシウムの流出が食い止められ、加えて、毎日、適度な軽い運動をすることによって、骨が強化され、免疫力も高められることから、健康で病気にかかりにくい身体を保つことができるようになるのです。

 私たちは、二本足で地面を踏みしめることによって骨が丈夫になります。
体重を常に足の裏に負荷させることによって、骨もその重さに対応できるようにと反応し、必要な栄養を蓄えていきます。ゴロゴロと寝ころがってテレビを見ながら、甘い菓子を食べているのでは、骨なし人間をつくっているようなものと言っても過言ではありません。

山口清道

山口清道氏
日本予防医学研究会理事、フルボ酸・腐食性物質機能研究会会長。大手企業や新聞社、薬剤師会、教育委員会その他の各団体が主催する講演会で講師を務め、『食品破壊の実態』『カルシウム不足の脅威』などをテーマとする講演回数は1000回を越える。
現在は講演活動を休止し、食品科学研究所・BAOBAB代表、株式会社バオバブ代表取締役として、イメージ商品が氾濫する現代における、ほんもの食品の研究開発に取り組む。

【Vol.38】「カルシウムと健康について」その11 妊娠とカルシウム

 妊娠中毒症の一つとして「つわり」がありますが、他に、妊娠後期(8~10ヶ月)によくみられる後期妊娠中毒症というものがあります。それは浮腫、たんぱく尿、高血圧などを主な症状とする症候群です。妊娠中毒症は、流産未熟児出産の原因となり得、もし安静に治療をしなければ、分娩の途中で突然全身にけいれん(子癇)がおこって子宮が破裂して死亡する、というような悲惨な結果を招くこともあります。妊娠中毒症は世界的にみて日本人に一番多く、アメリカ人と比べると4倍以上にもなります。原因としては、血液中のカルシウムが少なく、逆にリンが多いというバランスの崩れから自律神経の異常が誘発されて起こるという説や、鉄やカルシウム、ビタミンB1、ビタミンDの摂取不足が原因であるという説があります。いずれにせよカルシウムの摂取不足が妊娠中毒症にかかわっていることは間違いなさそうです。

 血液中のカルシウムが不足すると、体は骨のカルシウムを溶かして利用しようとしますが、そのカルシウムは利用されるどころか、むしろ血管壁や腎臓に沈着してしまい、血管の内腔が狭くなったり、腎不全をおこして子癇という怖い病気にかかったりすることもあります。そのようなことを防ぐためにも、日々、十分なカルシウムの摂取を心がけることが大切なのです。

 産み月に起こる陣痛は、子宮の筋肉が収縮して胎児を押し出そうとする反応です。子宮の収縮が弱ければ軽い陣痛が繰り返されるだけで、なかなか胎児が産れ出てきません。カルシウムはこの子宮の収縮がスムーズにおこなわれるための影の力にもなっています。

 妊婦が食事だけで十分にカルシウムを補給しようとすると、つい食べ過ぎになり、過剰な栄養は胎児を脂肪太りにしてしまい、出産時に妊婦自身が大変な苦労を負うことになります。そこで、安心、安全で吸収力の高いカルシウム剤を食材に加えて、母子ともに重要な栄養素であるカルシウムが不足することの無いように補給することをお奨めします。

山口清道

山口清道氏
日本予防医学研究会理事、フルボ酸・腐食性物質機能研究会会長。大手企業や新聞社、薬剤師会、教育委員会その他の各団体が主催する講演会で講師を務め、『食品破壊の実態』『カルシウム不足の脅威』などをテーマとする講演回数は1000回を越える。
現在は講演活動を休止し、食品科学研究所・BAOBAB代表、株式会社バオバブ代表取締役として、イメージ商品が氾濫する現代における、ほんもの食品の研究開発に取り組む。