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転ばぬ先の栄養学

【Vol.33】「カルシウムと健康について」(その6) 高血圧症とカルシウム

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 生活習慣病の中で最も多いのが高血圧症です。成人の30%以上の人にみられるともいわれ、ガンにかかる人よりもはるかに多くなっています。遺伝的な素因もあるようですが、食事や運動、ストレスとも十分に関係があることは周知の事実です。またカルシウムを十分に摂取していない成人に高血圧症が多いということも、外国や日本で研究されました。オレゴン健康科大学で90名について食生活と血圧の関連について研究がおこなわれ、そのうち44%は正常血圧でしたが、49%は高血圧症でカルシウムの摂取量が少ないことが考えられると発表されました。

 血圧は、心臓の筋肉や動脈が収縮して血液を押し出す力が強くなったり、動脈の内腔が狭くなって血液が通りにくくなったりすることで上昇します。カルシウムを十分に摂っていれば問題はないのですが、カルシウムの摂取不足が続くと血圧が高くなる要因になります。カルシウム不足により、骨のカルシウムが血液中に溶け出してその濃度を上げると、動脈細胞内のカルシウムが増加して血管の収縮が強くなり、血圧が上昇してしまうのです。降圧薬としてのカルシウム拮抗剤は、細胞内にカルシウムが入り込むのを防ぐことで血圧を下げています。実際、ラットを使った実験や高血圧の人の臨床試験結果でも、カルシウムが血圧を下げることが確認されています。

 塩分、すなわちナトリウムの摂り過ぎは、高血圧の大きな原因だといわれます。ナトリウムはほとんど細胞外液にありますが、摂りすぎるとカルシウムの尿中への排泄を促進させます。また、ナトリウムは細胞内にも入りやすく、入ってしまうとカルシウムを中に引き込む形で、細胞内のカルシウムを増加させ血圧を押し上げます。高血圧を防ぐには過剰な塩分の摂りすぎに注意することも大事ですが、反対に、ナトリウムは健康を維持するために必要な栄養素であることも忘れてはなりません。つまり塩分の害を防ぐ意味でも、カルシウムを十分に摂取することが最も大切なのです。

山口清道

山口清道氏
日本予防医学研究会理事、フルボ酸・腐食性物質機能研究会会長。大手企業や新聞社、薬剤師会、教育委員会その他の各団体が主催する講演会で講師を務め、『食品破壊の実態』『カルシウム不足の脅威』などをテーマとする講演回数は1000回を越える。
現在は講演活動を休止し、食品科学研究所・BAOBAB代表、株式会社バオバブ代表取締役として、イメージ商品が氾濫する現代における、ほんもの食品の研究開発に取り組む。

- 転ばぬ先の栄養学 - 2010年5月発刊 Vol.33

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