植物も人も水が基本。
農業を通じて気づいた水の大切さが、
良い水を多くの人に届けたいという追求につながりました。
そしてある出会いから、「e‐bless」が誕生します。
株式会社参理 代表取締役 水澤 荘太郎 氏に、
商品に込めた想いを伺いました。
25歳から40歳頃まで農業研究所に勤めていたのですが、農業をやっていると「水」に行きつきます。
水の良し悪しで、作物の生育も収穫後の鮮度も大きく変わるのです。
水について追及しようと考え、今につながっています。
良い水とはどんな水かというと、抗酸化の働きをする還元力のある水です。
これは酸化還元電位で測ることができます。
目安として、+200ミリボルト以下であれば還元力があり、マイナス電位に近いほど還元力が強くなります。
たとえば、フランスの「ルルドの聖水」は+50ミリボルトぐらい、日本で「ご神水」といわれるような水は+100ミリボルトぐらいの強い還元力があります。
人間の体は70%近くが水分なので、こういった強い還元力を持つ水の影響で、病気が治るなどの奇跡と呼ばれることが起こるのはあり得る話です。
ただ、それほどの良い水があるところは限られていて、一般には手に入りません。
普段使っている水道水には塩素が使われていて、酸化還元電位は+600~700ミリくらいあります。
プラス電位が大きいと、還元の逆、酸化の働きがあります。
そこで、良い水を作ることはできないかと考えました。
調べてみると、良い水を作る方法はいろいろあります。
たとえば、磁石で挟んだ管に、ある一定の速度で水を流すと、電気が発生して水が変化するという方法。
普通の水道管では無理ですが、それができる機械を作って知り合いの農家に使ってもらったところ、生産量が3割以上増えるなど、あきらかに良い効果がありました。
ただ、機械自体を販売するのは大変だったので、その技術を活かして、還元力の強い水の販売を始めます。
かなりの売れ筋商品だったのですが、そうやって目立つと悪い人も寄ってくるもので、騙されるような形でその水を販売する権利を失ってしまいました。
そんなとき、農業研究所にいた頃の知り合いが、私が水についていろいろ調べていることを知り、紹介したい人がいると声をかけてくれました。
それが、出口勝彦さんという「e‐bless」の仕組みを生み出した人です。
出口さんは当時70歳くらいで、人生をかけて良い水を作る技術を追求していました。
それまで、技術を提供した人に裏切られたり、借金を負ったり、かなりの苦労があったようです。
そんななか、ライフワークとして完成させた技術があり、それを託せる人を探していて、私に話がきたのです。
通常、水の性質を変えるためには、溶媒を入れたり、ショックを与えたりして、直接エネルギーを与えるのが確実です。
ところが出口さんが完成させた技術は、遠隔でエネルギーを当てて水を変化させるというもの。
私はあまり人を疑わないほうですが、このときは半信半疑でした。
遠隔で水を変えられるなら、空気中の水分子も変化するということになる。
出口さんはその通りだと言うのですが、信じられない気持ちでした。
そこで、サンプル機があるというので、実際にその技術を見せてもらうことにしました。
サンプル機から2~5メートル離して水道水の入ったコップを置き、酸化還元電位の変化を見てみると、驚くべきことに、+600~700ミリボルトあった数値が+200~300ミリボルトくらいまで変化したのです。
これを見て、本当なのだと、すごい技術だと思いました。
出口さんは私が以前水の販売で苦労したことを知っていて、話をするなかで私のことを信頼して、技術を託してくれました。
水を追求して出口さんに出会ったことから、「e ‐bless 」は生まれました。
ただ、その技術は特許申請こそされていたものの、そこから商品化に至るには煩雑な手続きと多くの資金が必要でした。
それでもあきらめずに商品化にこぎつけたのは、この技術を世の中に出せたらすばらしいことだという、感性で感じるところがあったからです。
人間にはもともと、第六感と呼ばれるような、物事の良し悪しを判断できる「感性」が備わっていると思います。
私が出口さんの技術を世に出したいと感じたのも、この感性の働きが大きかったのです。
しかし現代社会では、多くの人の感性が衰えています。
その原因が、大気中の有害物質や電磁波、化学物質などにより、環境がプラス電位寄りになっていることです。
自然の環境は本来、プラスとマイナスのバランスが取れて、ややマイナス寄りという状態がベスト。
それが現代社会では、プラス電位優位の環境となり、それに抗い切れず、人の心身にさまざまなトラブルが起こります。
特に敏感な方ほど、化学物質過敏症などトラブルが起きやすくなっています。
バランスが大事ということは、農業では土中菌の働きでわかります。
土中菌は、悪玉菌が約3割、善玉菌が約4割、そして中間菌が約3割というバランスがベストで、作物の種類や環境にもよりますが、多くの場合、作物の生育が良くなります。
人間にとって何が良いことかは、自然界に学べます。
私自身、農業に携わるなかで、水の重要性に気づきました。
しかし、現代社会を電気も何もない昔の状態に戻すということは現実的ではありません。
それなら、環境が悪くなっていることを認めたうえで、それをどう良い方向に変えていくか、それが大事だと考えています。