たんぱく質というと鶏のささみがいいとかいろいろな情報がありますが、結局のところなにを食べるのがよいのでしょうか?(筋肉も脂肪もほどよくつけたい40代主婦)
A.肉だけでなく大豆などもバランスよく摂って
答える人 プレマ株式会社 お客様コンサルティングセクション 岸江 治次
3大栄養素として広く知られている炭水化物、脂質、たんぱく質。人間は、この3大栄養素とビタミン、ミネラルを合わせた5大栄養素をバランスよく摂ることで健康的に生活できます。
なかでも、たんぱく質は人間の身体にとってなくてはならない栄養素です。人間の身体は70%ほどが水分で、残りの20%がたんぱく質で構成されています。筋肉や皮膚、体のなかで触媒の働きをする酵素やコラーゲンなどもたんぱく質でできていて、歳を重ねると大きく減少するものもあります。さらに、たんぱく質はずっと同じ状態で身体の中にあるのではなく、新しいものが入って古いものが出て入れ替わっています。つまり、新陳代謝することで身体を健康に保っているため、たんぱく質を摂ることが大切です。
では、たんぱく質はどう摂ればいいのでしょうか。肉や魚、卵、大豆などがたんぱく質を多く含んでいることはみなさんご存じと思います。健康な人なら、これらを含めたいろいろな食材を好きなように摂ればよいのですが、たんぱく質ばかりを摂るのではなく、3大栄養素のPFCバランス(P:たんぱく質、F:脂質、C:炭水化物)を意識するとよいでしょう。たんぱく質は13〜20%、脂質は20〜30%、炭水化物は50〜65%というバランスで摂ることがたんぱく質を効率よく吸収する秘訣です。
また、たんぱく質というと動物性のものがよいと思われがちですが、若いころから動物性のものばかりを食べているとバランスを崩しやすく、病気になってしまうケースが多いようです。たんぱく質を摂るということは、たんぱく質が分解されてできるアミノ酸をいかに効率よく吸収するかということです。アミノ酸は動物性のほうが吸収しやすいという研究データもあります。しかし、今、世界中でヴィーガンといって動物性のものを食べない方が増えています。アスリートにもそういう人がいて、筋肉をつけるのに肉が必要と思われがちですが、たんぱく質が必要なのであって肉ではないので、植物性のものでも十分補えるということでしょう。
植物性のたんぱく質というと大豆が有名ですが、穀物や野菜などにも含まれます。最近はヘンプやサチャインチの種子にも多く含まれるとして注目されています。これらも活用して植物性のものも積極的に摂るようにするとよいでしょう。ただし、ご高齢の方は食べる量自体が減ったり、体が弱って吸収力が落ちたりすることもあるので、動物性のものを多く食べるのは問題ありません。筋力も落ちてしまいがちなので、食事でたんぱく質をたくさん摂るのがよいでしょう。そうはいっても、病気の場合は別の問題が出ないように食べすぎに気をつけましょう。
食養生のマクロビオティックの考え方のなかに、「一物全体」といって、なんでもまるごと食べるのがよいといわれています。肉だと大きすぎるのでどうしても部分になりますが、たとえば大豆だとまるごと全部食べられます。また、玄米の栄養素を栄養学的に調べると5大栄養素がすべて揃っているので、玄米食は栄養バランスが良好といわれています。たんぱく質を摂るのに動物性の肉だけに偏らないよう、ごはんとみそ汁、豆腐、納豆など、バランスよく食べるようにするとよいでしょう。