わたしは九州生まれの九州育ち。お酒といえば、焼酎のことをさすのが当たり前。日本酒は甘くて、酔いが残るから苦手だなぁと思っていました。
そんなわたしが、「日本酒の原形」とも呼ばれる、「どぶろく」にすっかりはまってしまいました。きっかけは家人が「おいしいらしいよ」と持って帰ってきた一本でした。半信半疑で、口にしてびっくり。爽やかな甘さと、キリっとした酸味。そしてなにより、口のなかでぱちぱちと弾けるような感覚があるのです。
ご存じの方ならなにを今更という感じだと思いますが、どぶろくにもさまざまな種類があることを、それまでわたしは知りませんでした。アルコール度数が高いものから低いもの、味がどっしりしていて強いものから、爽やかで軽いものまで。そして、発泡タイプのものもあります。
そのときわたしが飲んだのは、冬季限定の予約製造販売品。冷蔵保存で賞味期限はたったの20日。キャップには小さな穴が空いていて揺らすとこぼれる恐れがあるという流通にはちょっとやっかいなところのある代物。これらの理由のすべては、瓶の中で酵母がイキイキと生きているからに他なりません。キャップの穴も、生成される炭酸ガスを逃すために必要なのです。発酵がすすんでいくので、日ごとに味わいは変わり、ぷくぷく、しゅわしゅわ発泡し続けます。本当に生きてる!って感じです。
それから毎日のように飲んでいたところ、ふと、どぶろくを飲みながら食事をしたあとは、嫌な満腹感などがなく、なんだか軽やかな感じがすることに気づきました。「そうか、お酒も発酵食品なんだ」と身体を通して改めて納得しました。お酒が飲める方なら、腸活アイテムとしてどぶろくはアリ、だと思います。(むろん適量は守りつつ)これまでどぶろくを敬遠されていた方には、フレッシュな味わいの生のタイプのものがおすすめです。どぶろくをそのまま飲むのはもちろん、フルーツと混ぜたり、甘酒や豆の甘煮を入れたりすると、ほんのりお酒の香りのする大人のデザートが簡単に作れます。
どぶろくの起源は諸説ありますが、稲作とほぼ同時期に始まったと考えられているそうです。どぶろくの世界は限りなく奥深いようで、これからも新たにどんな出合いがあるのか、とても楽しみです。
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山本(やまもと)
中目黒で開催するイベントの企画・運営担当。お酒や甘いものが大好き。忙しさにかまけて、毎日の食事は手間なしシンプルメニューになりがちですが、弊社の食材を使えば味も栄養も問題なし。頼りっぱなしです。