最近、夕方になると目がぼやけてきてつらいです。老眼の影響もあるのかもしれませんが、疲れ目にはなにがいいでしょうか?(視力は両目とも1.5が自慢の40代女性)
A.目にばかり意識を向けていても疲れは取れない
答える人 プレマ株式会社 お客様コンサルティングセクション 岸江 治次
私たちは五感を使って外界を認識しています。その約8割は目を使って認識しているのだとか。そう考えると、そもそも目は疲れやすい器官といえるでしょう。
最近ではスマホやパソコン、タブレットなどの画面を見続けて目を酷使するようになりました。昔は眼精疲労といっていましたが、今はVDT症候群(別名:テクノストレス眼症。パソコンなどのディスプレイを同じ姿勢で長時間使用することによって目の不調にとどまらず、体、心に影響が出る恐ろしい病気)といわれることが増えました。
疲れ目にならないためには、まずは質の良い睡眠をとることが大事。眠る前にはブルーライトなどの機械的な光は避けて、しっかりと目と体を休めるようにしましょう。そして、普段から目にいい栄養素を摂ることが大切です。例えば、タンパク質を構成するアミノ酸は細胞を形づくる栄養素で、眼球の形成にも関わっています。脂質は細胞膜を形成する材料で、炭水化物は、眼球を動かすエネルギーのもとになります。ビタミンやミネラルも必要で目を健康に保つためには、必要な栄養素をバランスよく摂る必要があります。
目に良いとされる食材では、ビタミンAを多く含む緑黄色野菜やレバー、うなぎ、そして、ビタミンB群を含む青魚や豚肉、豆類、穀物。タウリンを含むイカやタコなど。そして、カシスやブルーベリー、黒豆、ごまなどに含まれるアントシアニンというポリフェノールは目に非常によいとされています。さらにビタミンDが不足すると目によくないので意識して摂るとよいでしょう。
しかし、普段からこういったものを摂っていても疲れ目になってしまうこともあります。疲れを感じたらまずはしっかり目を休ませるとよいのですが、疲れ目が慢性化していると感じる方には「眼活」をおすすめします。簡単な眼活は「瞬き」で、涙が目の表面をケアしてくれます。瞬きは平均で3秒に1回くらいですが、スマホやパソコンなどの画面を長時間見続けると瞬きの回数が減り、目の表面が乾いてドライアイが起こります。
また、東洋医学では、肝臓が弱ると目に影響が出ると考えられていて、その原因としては、上白糖や添加物、動物性食品の食べすぎなどがあります。そんなときには酸味を摂るとよく、特に梅干しや梅肉エキスがおすすめです。また、自律神経が失調すると瞬きに影響がでるので、自律神経を整えるためにも食は大切です。食の基本として、主食(炭水化物)を全体の半分以上摂るのがよいです。
また、近くのものばかりを見ることで、目のレンズをコントロールする筋肉がこわばるので、筋肉をほぐすエクササイズをするようにしましょう。目は体の中でも毛細血管がたくさん集まっている部位なので、代謝を高めるために温湿布をしたり、手をこすって温めて、手で目を覆って眼球を動かしたりするといいです。それでも目の疲れが取れないときには番茶湿布がおすすめ。やり方は、三年番茶を煮だして自然塩をひとつまみ入れ、タオルなどを浸し、やけどしないように目に湿布します。温度が下がったらまた浸して湿布する、これを繰り返すとかなり楽になりますよ。一度試してみてはいかがでしょうか。