活水器をご存じでしょうか。水の不純物を取り除くのではなく、自然のエネルギーに満ちた水に変えるのが「ディレカ」です。人の身体を元気にするのはもちろん、自然環境も改善する力があります。長年、父親の田村喜久雄氏が開発したディレカの普及に取り組んでいる田村亮氏に、水が本来持つ力や、水を選ぶことの大切さについて話を伺いました。
長年ディレカを使って完全無農薬のマンゴーを栽培し、有名フルーツ店にも卸している農家さんと。「お客様と直接お会いするのがなによりも嬉しい」と田村氏
株式会社TAMURA 代表取締役
田村 亮(たむら りょう)
福島県郡山市生まれ。10代のころからサッカーやスノーボード、サーフィンなどのスポーツに親しむ。大学卒業後、父親の喜久雄氏が手がけていた建築設計や内装の仕事に携わるも、いったんは父とそりが合わず退職。カイロプラクティックのセラピストとして整体の仕事に従事する。2009年ごろからディレカの会社に合流。2010年に株式会社TAMURAが設立されて以降、本格的にディレカや関連商品の販売、商品開発、マーケティングなどに取り組んでいる。
株式会社TAMURA https://tamuraworld.com/
湧き水のような
水をつくる
——ディレカの開発者であるお父様はどんな方でしたか。
父はもともと絵や写真が好きで、美術の専門学校を卒業した後、カメラマンになりました。戦後、日本に返還される前の沖縄の人々の暮らしや離島の様子などを撮影し、NHKに提供していたそうです。その後、名古屋で写真スタジオを経営していたものの、あるとき故郷の福島県郡山市に戻り、会社勤めをしながら喫茶店を始めます。それを機に、飲食の世界にのめり込んでいって、飲食店の店舗設計やプロデュースを手がけるようになりました。当時はまだ珍しかった、鉄板にのせたハンバーグが出てくる店や、洋食弁当の店、今は全国チェーンになっているラーメン屋など、いろんなアイデアを思いついて、ある程度成功するとまた別の仕事を始めるんです。だから私が子どものころは、父親の職業を聞かれると答えに困っていましたね。父は飲食店や住宅の設計では、有害な化学物質などを含まない建材や資材を厳選していましたが、水は水道水ですから選べません。そこで、自分の理想とする水質へと変えるための研究を始めて、自作した機器を水道管に組み込むようになったのです。それがディレカの原点です。当時私は10代で、あまり父親の仕事に関心がなかったのですが、父親がよく台所に立っていたのは覚えています。食べること、飲むことが好きで、いつも居酒屋のような順番で料理が出てきました。「台所が自分の研究所だ」とよく言ってましたし、食を通して自然界とのつながりを深めたことで、環境問題の解決をめざすディレカが生まれたのだと思います。
——田村社長がディレカに携わることになったきっかけを教えてください。
私は幼少期からずっとサッカー一本で、体育大学を卒業したら高校のサッカー部の顧問になって全国優勝するというのが理想でした。実際は父がやっていた建築関係の仕事を5年ほどしたのですが、親子で衝突してしまって一度は辞めたんです。その後はカイロプラクティックの資格を取って、整体の仕事をしていました。その間、父は初期のディレカをどんどん進化させていて、「今こんなことをしている」とか「一緒に働かないか」と熱心に話をしてきました。でも当時はあまり水に興味がなくて、しかも父の話を聞いていると、だんだん宇宙の話にまで広がっていくので、どうしちゃったのかなという感じで(笑)。最終的に、自然環境に貢献できるならと入社することにしたのです。私はスポーツが好きで、スノーボードやサーフィンも本格的にやっていたのですが、山も海もゴミで溢れているのを見て、水が汚染されていくという危機感を持っていましたから。
ディレカというのは父の造語で、「宇宙からのエネルギー」という意味らしいです。ディレカの構造は自然の原理がお手本。父は枕元にもメモを置いていて、夜中でもなにか思いついたら書き留めていました。時々ひらめきが降りてくる瞬間があったようです。ディレカの水は、太古の昔にあったはずの、太陽の光や、鉱石から出る遠赤外線や、森林のマイナスイオンを含んだ空気などが生み出すきれいな水を再現しています。飲んで美味しいのはもちろんですし、自然の水には自浄作用があるので環境を改善してくれる。私たちはディレカを通して現代の水が失ってしまった水本来の力を再生し、広めていきたいと考えています。
波紋のように
評判が広がって
——どのように水の力を高めるのですか。
ひとつはディレカの内部に生じさせている「渦」、そして「螺旋」です。自然界では有機的なものの多くに螺旋の形状が見られます。また、川は蛇行することによって水中に無数のミクロの泡が生じ、水が浄化されています。同じように、水がディレカを通過するとき、時計回りと反時計回りの複雑な渦が発生するように設計されており、激しく揉まれることで水分子構造が非常に細かくなります。次に「電子」です。水流の回転による負荷と摩擦エネルギーによって静電気が生じて、プラス電荷が外へ放出され、マイナス電荷が水の中に取り込まれます。さらに、数十種類の鉱石などを使用した独自のアトムチップから「遠赤外線」などの光を放射し、水にエネルギーを付与することで水の潜在能力を引き出しています。
——当初は建材の一部だったディレカが、どのように知られていったのでしょうか。
きっかけは、ディレカを取り付けた住宅の側溝や下流の水がどんどんきれいになっていくということを、たまたま隣に住んでおられた当時の環境庁長官が知って、父に問い合わせがきたことです。2003年に日本で開催される世界水フォーラムに出展しないかと声をかけていただきました。当時は初期型のディレカ1種類だけでしたが、環境改善効果が「財団法人 緑の地球防衛基金」から高評を受けたこともあり、本格的に一般販売を始めることになったのです。そこから研究開発が進み、サイズや型が広がりました。最初は住宅だけだったのが、次第に農家さんや、クリーニング屋など、業務用に水を使用する方々からもご要望をいただくようになっていきました。ちょうど私が入社した2009年ごろからですね。じつは、父は「ディレカは田んぼの中にござ一枚敷いていても売れるから営業はしなくていい」と言っていて。私はそんなバカなと思いつつ、半分本気で、そこまで積極的に営業はしていなかったんです。当時、浄水器ブームで、ネットワークビジネスの販売方法もよくありましたから、逆に控えめなのがよかったのかもしれません。販売店さんやご購入いただいた方から、これはホテルにも使えそうだとか、プールにも使えそうだというふうに、ほとんどは人の紹介で広めていただいたというのが実感です。もちろん、目に見えない水の良さや効果について、どうしたらわかりやすくお伝えできるかということは、当初からずっと試行錯誤しているところです。ディレカの工場長や父に理論を聞いてもなぜそうなるかは「わからん」と言われる。こう作ればこうなるという推測のもとに作られているし、実際そうなるのですが、「なぜ」はだれにも説明できないんです。ディレカを選んでいただく方は、いろんなものに対して敏感な方、そして直感力が鋭い方が多いように感じています。
——どのように役立っていますか。
ディレカの水は微生物も活性化します。農家さんでは、土中環境や栄養の吸収力などが改善し、生産力が20%〜80%アップしています。無農薬や有機栽培に取り組んでいる農家さんが多いです。高い制菌作用がありますし、生物が元気になるので、酪農や畜産などでも役立っています。クリーニング店では、洗剤の使用量が少なくてすみます。ディレカの水は浸透力が高いので、水自体に洗浄力があるのです。経費の削減はもちろん、環境への負荷を軽くすることができます。肌や髪にやさしい水なので、美容院や入浴施設、プールにもいいです。湯を沸かす時間が短くてすむので、省エネにもなっています。また、当初から多くの飲食店で使っていただいています。まず水の味わいがまろやかになりますし、調理時間が短くなる、衛生管理がしやすくなる、そして排水や下水管がきれいになります。そのような具体的な効果もそうですが、みなさんご自分の道を極めていくなかで、エネルギーを整えていくと究極は水の質に辿り着くようなのです。ですから、超一流の方々がぱっと購入してくださることも多いです。
また、ディレカの技術を応用した関連製品も開発しています。たとえば、イオンワイヤーは、多種類の天然鉱石をパウダー状にしたものを樹脂に溶け込ませたものですが、牡蠣の養殖に使ったところ、牡蠣の餌になるプランクトンが活性化したことで牡蠣が大きくなり生産量が約1.5倍になったんです。動画が拡散されたことで、今全国から問い合わせがきています。これも、自然の原理によってプランクトンが元気に生きられる水が蘇ったからですよね。このように水を再生することで、命の土台である一次産業をどんどん活性化できればと考えています。
七世代先までの
水環境を意識する
——ディレカの水は、人の健康にどのようにいいですか。
ディレカを使っている方からは、体感として、風邪を引きにくくなる、そしてよく水を飲むようになり、トイレに行く回数が増えると言われます。ディレカの水は普通の水よりも浸透率が高いので、細胞の隅々にまで届きます。より吸収するので入れ替わりも早くて循環がよいのです。女性は、洗髪すると髪がやわらかくなるとか、肌の保湿力が高いので化粧水がいらなくなるという方も多いです。そして、入浴時によく温まるし湯冷めもしにくいので、未病につながります。
こういったことが起きる理由は、ディレカの水は表面張力が小さく、浸透しやすい性質だからです。先日、物理化学の先生にご説明いただいたのですが、通常の水分子は単体でバラバラに存在していますが、ディレカを通ることによって複数の分子がクラスター状にまとまります。さらに、水のなかにある水素はプラスもマイナスも体現する特殊な物質なのですが、ディレカの水はマイナスイオンが多いので、水素に対してマイナスが付くのです。すると「ヒドリド」という最強の抗酸化物質の状態になるんです。普通の水ではそういう状態になりにくいのですが、ディレカの水では外部から遠赤外線などのエネルギーを付与しているため、このヒドリドが増幅しているのです。細胞間の隙間にこの抗酸化作用の高い状態の水がよく浸透することや、隙間に入り込んだヒドリドが細胞内に溜まった毒素や重金属などを押し流すのを助けるため、健康状態がよくなるということが考えられるそうです。もうひとつ、人間の体内にはエネルギー生成反応のATP(アデノシン三リン酸)がありますが、それを促進させる働きに役立つのもヒドリドらしいのです。
一方、大腸菌などの一般細菌は大幅に減らすことができます。最近、クラフトビール工場でディレカを使い始めたところ、発酵が10日ほど早くなったそうです。微生物には真核生物と原核生物があって、ビール酵母は真核生物ですが、大腸菌などの一般細菌は原核生物。真核生物はディレカの水で活性化しますが、原核生物はヒドリドが細胞表面に吸着することで制菌されて減少することがわかっています。このように、ディレカの水はヒドリドを鍵として、さまざまな形で人や動植物の健康によい影響をもたらしています。健康のためにいい食材やサプリメントを選ぶように、それをどんな水で調理し、どんな水で摂るのかということも非常に重要なのです。
——日本の水環境についてどう思われますか。
日本は他国と比べると水が豊富で水質にも恵まれているぶん、水をずいぶん無駄にしているなと感じます。世界では水道水が飲める国は10ヶ国ほどしかないんです。しかも、2030年には人間や生物が使用する水が全体で40%不足するといわれています。そんななかで、私たちは水道水だけでなく大量のペットボトル飲料も消費していますよね。水をもっと大切に使い、水源を汚さないことにも意識を向けないといけないと思います。たとえばラーメンのスープ一杯を排水に流せば浄化するのにその何十倍もの水が必要になります。ディレカはもとの恵まれた水を良質な水に再生します。そのきれいな水環境を、七世代先まで残すというのが当社の使命なのです。
——安心して飲める水は当たり前ではないのですね。今後取り組みたいことはなんですか。
まだ夢のような話ですが、奄美大島に会社所有の土地があるので、そこにディレカを体験できる施設を作りたいと考えています。飲み水やお風呂がディレカの水なのはもちろん、ディレカで育てた農産物やディレカで作ったジュースなどの加工品を召し上がっていただき、デトックスして帰っていただけるような場所です。そのために今、ディレカを使ったさまざまな製品を販売する「irie」というブランドを立ち上げました。一次産業でのディレカの普及に力を入れて、美味しくて安全な食べ物のネットワークを広げていけたらと考えていますので、今後もぜひご注目ください。