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生産者さん紹介

プレマの商品を作ってくださっている生産者さんたちを紹介。 その魅力に迫ります

時代に合わせたものづくりで 伝統技術を残していく 末廣醤油株式会社 代表取締役社長 末廣 卓也 氏

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野菜に揉み込んだ浅漬けや肉や魚に塗って焼くだけで美味しい一品になるプレマシャンティの「旨い、醤油こうじ」。その要ともいえる麹のまろやかさと本醸造醤油のコクを生み出すのは末廣醤油株式会社。醤油伝来の地の一つといわれる兵庫県たつの市で伝統的な醤油を造り続けながらも、3年熟成醤油や燻製醤油など新しい挑戦を続ける末廣卓也社長にお話を伺いました。

私が生まれた約60年前は、龍野に60軒、全国に5,000軒ほどの醤油屋さんがあったそうです。昭和の終わりには半分の2,500軒ほどになり、今、龍野では10軒、全国で1,200軒に減っています。醤油づくりに携わる人が減っていくなか、なんとかがんばって安定的に作れるようにと考えていますと語る末廣卓也氏。

1879年創業の末廣醤油は、今年で140年。先代の義父が5代目で、私で6代目です。私は大阪でサラリーマンをしていましたが、結婚と同時に退職、龍野に移り弊社に就職しました。私の実家は龍野より北にある農家。祖父が農業の傍、醤油の麹造りをしていたと聞いていますが、私が醤油造りに携わることになるとは思ってもみませんでした。伝統的なことや、ものづくりには興味がありました。形に残る仕事がしたかったのかもしれません。

異業種からの転職。苦労は想定していました。先代が「これからゆっくり覚えればいい」と言ってくれていたので安心していましたが、4年半後に突然、病気でこの世を去ってしまったのです。それでも、古くからのたくさんの蔵人が技術も知識も引き継いでおられたので困ることはなく、歴史を重ねてきた会社の素晴らしさを思い知りました。先代にはいろいろ感謝していますが、特に同世代の技術者を採用してくれたことは助かりました。職人さんが口伝などで受け継いできたものを、統計化してデータとして文書に残してくれたのです。一子相伝だと伝統技術は廃れていく傾向にあります。携わる人が減っていくなか、食品として現代のニーズに合わせて造っていかなければなりません。たとえば「麹の顔を見る」といっても、実際になにをどう見ているのか、温度を計測したりサンプリングして分析したりして、目に見える形でデータとして残していく必要があります。麹の世界は奥が深いので、数パーセント理解が進んだだけでしょうが、pHによる違いや、菌が働く条件など少しずつわかるようになり、先手を打てるようになりました。もちろん経験や五感による感覚も大事ですので、どちらもバランスよく取り入れていけたらと思います。現在のスタッフはパートも含めて合計18人。30〜60代の蔵人がいます。息子も携わるようになり、今では、私よりも現場に詳しくなっています。今の形を続けていたいので、大きくするつもりはありません。より精度をあげ、より長く、安定的にいいものをお届けできたらと思っています。

弊社では龍野伝統の淡口醤油をベースに造っています。醤油系調味料の消費は、出汁醤油など用途限定型の醤油加工品にとって代わられてきていますが、弊社のコンセプトは、伝統的な製法に基づいた天然醸造の醤油を基本としたシンプルでピュアな醤油。昔ながらの蔵つき酵母菌と微生物による天然醸造で時間をかけていねいに造っています。その一方、燻製の醤油や、フルーツを入れた醤油など特徴ある醤油にも挑戦。フルーツの醤油は、ポン酢から派生したもので、柑橘の代わりにブルーベリーやラズベリーを入れてソースのような醤油を造っています。伝統的な醤油を造りつつ、それを使った新しい商品を試みています。

料理が得意ではないので商品開発についてはできるだけ人の話を聞くようにしており、私一人の発想でできた醤油はほとんどありません。5〜6年前から造り始めた燻製醤油は、ある肉料理レストランのシェフに依頼され、共に試行錯誤してできあがりました。ゆで卵に一滴たらすととてもおいしいんですよ。最初は既成のブレンドチップを使っていましたが、現在は、なら、ぶな、桜、樫の4種類のオリジナルブレンドを使っています。醤油は、風味も大切。お客さまに「空気に晒さない」とお伝えしてきたのに、醤油の香りを抜いて燻製に変えるなんて真逆のこと。現場の職人たちも最初は抵抗がありました。でも燻製工程が短かければ風味は落ちません。今では、お客さまから、想定外の使い方をご提案いただきます。醤油の香りを捨てた時点で、和食には合わないと考えていたのですが、「ほうれん草のおひたしに燻製醤油が合う」などと聞くと、自分の浅はかさを感じます。実際にやってみたらおいしかったりするんですよね。驚きました。

「淡紫」は豆腐を食べるために作った素材の味を引き出す醤油です。鯛や平目など、繊細な味を味わうのにお勧めです。3年熟成の醤油もありますが、私はそれぐらい熟成された味が好きです。しっかり熟していながら、さらっとしてクセもなく味も濃い。何年かに一度、いいときの醤油を残そうと、2010年に造ったのがきっかけです。

以前「地酒ブーム」がありましたが、醤油にその流れが起こりつつあります。地酒なんて、日本三大酒処に比べて価値が低いイメージがありましたが、今では地酒の価格が上がっていますよね。ようやく醤油も、昔ながらの製法で醸造したものが認められてきている気がします。調味料といえども、蔵の味、蔵の伝統、蔵つき酵母菌、気候が異なるので、味も微妙に違う。それぞれ特徴があるので、龍野の味を楽しんでいただけるとうれしいです。

140年の時間が生み出す蔵の味

2015年2月に仕込み約3年半じっくり熟成した醤油。コクがあるけれど後に引かないのが特徴。料理の隠し味や刺身などいつもの醤油と同様にお使いいただけます。販売本数は2015本。1本1本製造番号入り。

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時代に合わせたものづくりで 伝統技術を残していく 末廣醤油株式会社 代表取締役社長 末廣 卓也 氏

- 生産者さん紹介 - 2019年4月発刊 vol.139

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