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小さな農と天職と新しい未来と

半農半X研究所代表
福知山公立大学地域経営学部特任准教授
総務省地域力創造アドバイザー

塩見 直紀 (しおみ なおき)

1965年、京都府綾部市生まれ。
「半農半X(=天職)」コンセプトを20年前から提唱。
ライフワークは個人~市町村までのミッションサポート、コンセプトメイク。
著書(『半農半Xという生き方【決定版】』など)は翻訳され、台湾、中国、韓国でも発売され、海外で講演もおこなう。

【Vol.103】トルストイに学ぶ大切な人

投稿日:

半農半Xとは何か

20年前から、半農半Xという生き方を提唱しています
塩見直紀と申します。

縁あって、今回から連載をさせていただくことになりました。

少しでも何かのお役にたてればと思います。

以下、自己紹介しつつ、今号のテーマである
「大切な人」について書いてみたいと思います。

環境問題(持続可能な暮らし方)と天職問題(人生の意味)の2つは
私の20代後半の重要なテーマでした。

いまから25年前のことです。

これらを同時に解決できる方法はないか。

悩むなかでたどり着いたのが、「半農半X」という生き方でした。

Xとは、大好きなこと、得意なこと、使命、天職、天命、生きがい、
ライフワークなどを意味します。

看護師でも、メカが大好きならエンジニアでも、起業しても、
週末のボランティアが生きがいでもOKです。

農についていえば、田舎や都会といった場所、
面積の大小(ベランダでもOK)、作業時間の長短は問わず、
暮らしの中で少しでも土、植物などに触れ、
謙虚さやセンス・オブ・ワンダー(自然の神秘さや不思議さに目を見張る感性)を
取り戻すことが重要だと考えています。

 

3つの質問

 

いまという時代を生きる私たちを何かにたとえるなら、
海に漂う小船と似ているように思います。

海は大荒れで、空には黒い雲が立ち込め、
進むべき道をしめす北極星も、灯台の灯りも見えません。

船にあるはずの羅針盤も壊れていたり、海に落としていたり。

そもそも羅針盤を備えていなかったり。

日本だけでなく、世界もそんな状態のように思います。

そんな時代をどう生きたらいいのか。

私はロシアの文豪トルストイが遺した次の物語が、
生き方の方向性を示唆してくれているように思います。

ある国の皇帝が3つの質問の答えを探していました。

「いちばん大切な時間はいつか?」
「この世でいちばん大切な人は誰か?」
「いま何をなすべきか?」というものです。

世界中の賢者に尋ねても分からなかった皇帝は
がっかりして散歩に出ました。

そのとき、井戸の水を汲む少女に出会い、
皇帝は3つの問いを質問しました。

娘はこう答えました。
「いちばん大切な時は、いまこの時。
いちばん大切な人は、いま自分の横にいる人。
なすべきことは、自分の横にいる人に善行を行うこと」と。

皇帝は喜び、少女が持っていた重い井戸水を代わりに運びました
というすてきな話です。

以前なら、「大切な人は?」と問われたら、
「家族」と答えていたと思うのですが、この物語を知って以来、
「目の前の人」と答えたいと思うようになりました。

年間80回ほど、半農半Xに関する講演をしたり、
Xを探すワークショップをおこなったりしています。

そのときは、当然その方々を。

新幹線に乗ったなら、隣の席の見ず知らずの方を。

いま住んでいる田舎で農作業をしているとしたら、お隣のおじいさんを。

目の前の人にトルストイ的対人観で接することができたらと思うのです。

3つの答えをみんなが重ねていったらすてきな世界に変っていきそうです。

半農半X研究所代表
総務省地域力創造アドバイザー
塩見 直紀
(しおみ なおき)

1965年、京都府綾部市生まれ。
「半農半X(=天職)」コンセプトを20年前から提唱。
ライフワークは個人?市町村までのミッションサポート、コンセプトメイク。
著書(『半農半Xという生き方【決定版】』など)は翻訳され、
台湾、中国、韓国でも発売され、海外で講演もおこなう。

- 小さな農と天職と新しい未来と - 2016年4月発刊 Vol.103

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