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小さな農と天職と新しい未来と

詩も作ろう、田も作ろう

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詩と田と

 「詩をつくるより、田をつくれ」。ことわざだそうです。もっともだという人もいるし、反論する人もいるかもしれません。禅の公案(禅問答)のように、田畑でこのことを考えていたら、3つのことばが浮かんできました。

(1)「田をつくるより、詩をつくれ」
アーティスト的な生き方ですね。

(2)「詩も田もつくるな」
これは、詩は詩人に、米づくりはプロ農家に、それぞれプロに任せろということです。日本は政治も教育も人生も健康もすべて他者まかせの国になってしまっているのかもしれません。

(3)「詩も田もつくれ」
魂が求めるなら、両方すればいい、というメッセージです。

(2)の「詩も田もつくるな」は危険な状態ではないでしょうか。ぼくはそう思ってしまいます。しかし、いま多くの日本人はこの状態かもですね。詩人の谷川俊太郎さんは21世紀は「詩の時代」といわれます。そして、21世紀は「食の時代」「食の危機の時代」という人もたくさんいます。

 (3)の「詩も田もつくれ」がこの国が歩むべき道ではないか。僕はそう思うのです。田は稲作のみを指すのではなく、野菜づくり、みそや漬物など発酵食づくりなど、広く農的なことを指します。詩はアイデアや知恵、創造性ととらえます。謙虚に大地に根ざしつつ小さく暮らし、創造性を周囲のために発揮する。そして、陰日向なく積善で生きる。これが3・11後の日本の歩むべき道だと思うのです。

バリ島モデル

 これからの時代をどう生きていったらいいのか。そんなことを考えるとき、いつも思い出すのが作家・宮内勝典さんの「バリ島モデル」というライフスタイルです。
20年前に出合ったこの考えに大きな影響を受けてきました。バリ島では朝早くから水田で働き、暑い日中は休憩します。そして夕方になると何をするかというと、それぞれが芸術家に変身するのでした。毎日、村の集会所に集い、音楽や踊りを練習したり、彫刻や絵画に没頭。そして10日ごとに祭りがやってきて、技を披露し合います。そしてまた、翌朝は田んぼで働き、夕方にはアーティストになる。宮内さんは「村人一人一人が、農民であり、芸術家であり、神の近くにも行く。つまり一人一人が実存の全体をまるごと生きる」と書いています。そして、「このバリ島モデルを、人類社会のモデルにすることはできないか」と。(対談集『ぼくらの知慧の果てるまで』宮内勝典+山尾三省、筑摩書房、一九九五)

 農に携わりながらアーティストやクリエーターである。ここに日本の未来があるような気がしています。

 持続可能性を有する農ある暮らしをしながら、創造的で付加価値(ソフトパワー)も創り出す国民の集合体。私は、この国の未来ビジョンをそんなふうに考えているのでした。新しい常識をみんなでつくっていけたらすてきですね。

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わが村の大好きな風景である「お地蔵様と一本檜」です。
村人も、都会から来た旅人も、海外のお客さまもいいねといってくれます

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半農半X研究所代表
福知山公立大学地域経営学部特任准教授
総務省地域力創造アドバイザー
塩見 直紀(しおみ なおき)

1965年、京都府綾部市生まれ。
「半農半X(=天職)」コンセプトを20年前から提唱。
ライフワークは個人~市町村までのミッションサポート、コンセプトメイク。
著書(『半農半Xという生き方【決定版】』など)は翻訳され、台湾、中国、韓国でも発売され、海外で講演もおこなう。
http://plaza.rakuten.co.jp/simpleandmission/

- 小さな農と天職と新しい未来と - 2016年12月発刊 Vol.111

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