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オルタナティブファーム宮古

自然の恵みいっぱいの宮古島から農業や商品開発するなかで感じたこと気づいたこと

オルタナティブ
ファーム宮古 代表

松本 克也 (まつもと かつや)

自動車メーカーなど14 年の研究職を離れ、2012 年5月に家族4人で宮古島に移住。
約1万平米の畑で主に有機サトウキビを栽培し、黒糖蜜やキビ砂糖などの加工品を製造。
畑で黒糖作りが体験できるプログラムも準備中。
その他、有機バナナの栽培、未完熟マンゴーの発酵飲料の製造に携わる。

加工費マイナスのカラクリ

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 私が凌駕したいのは「黒糖は上白糖より高価」という常識の壁。黒糖は原料であるサトウキビに一番近い製品で、上白糖や三温糖などの精製糖は、その何倍もの製造工程を経て作られます。それにも関わらず、一般に、黒糖よりも上白糖などの精製糖の方が安いという普通にはあり得ない構造です。

 製糖に纏わるカラクリは、実は保護政策・補助金が絡む特殊な産業構造にあります。精製糖原料として、農家からのサトウキビの買取価格は1トン当たり約2・1万円、その内訳は市場の実勢価格0・5万円と補助金1・6万円です。第一に驚くべきは、国際流通価格の異常安価。1年半(夏植え栽培)かけて、苗の植付、栽培管理(培土・潅水・除草)、収穫・工場搬入して5千円/トンの売上では、いくら栽培技術を向上、規模拡大・生産性向上しても経営が成立しません。第二に実勢価格の3倍の補助金が充てられているということ。補助金は原料に対してだけでなく製糖工場(原料~粗糖)にも充てられ、砂糖の価格は巧みに調整されています。

 他方、日本で作られる精製糖の原料のうち、6割が輸入の粗糖で残り4割が国産原料です。また、国産原料の内、8割は甜菜(ビート)で、サトウキビは2割。すなわち、サトウキビは国内流通する精製糖の原料としてわずか8%の規模で、国産サトウキビがなくても輸入原料で賄えば精製糖の市場は困らないという状況です。顧みて、TPPに断固反対、また現在の糖価調整制度の死守を訴えるのは、利害関係者の立場で考えると当然の話です。

 それでは、生鮮サトウキビからビタミンやミネラルを抜き去って、ショ糖成分を精製するのではなく、本来の価値を活かした黒糖製品として生きる道はないのか? 次号に続きます。

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おうちで黒糖チャレンジ

黒糖の焚上げを95%完了させた含蜜糖。ご家庭で5分の調理で焚き立てホクホクの黒糖が味わえます。型抜き黒糖、ピーナツ黒糖、シリアルバーなど、自由なアレンジも楽しめます。

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オルタナティブファーム宮古代表
松本 克也(まつもと かつや)

自動車メーカーなど14年の研究職を離れ、2012年5月に家族4人で宮古島に移住。
約1万平米の畑で主に有機サトウキビを栽培し、黒糖蜜やキビ砂糖などの加工品を製造。
畑で黒糖作りが体験できるプログラムも準備中。
その他、有機バナナの栽培、未完熟マンゴーの発酵飲料の製造に携わる。

- オルタナティブファーム宮古 - 2016年12月発刊 Vol.111

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