今さら聞きにくい「よく聞く言葉」を詳しく解説します
昨秋に子どもを出産してから、食の安全についてとても気になるようになりました。最近、野菜や果物をはじめとした、さまざまな商品に「有機JAS マーク」が表示されているのを見かけることが多くなりました。このマークがあるものが安全な野菜なのでしょうか?
(神戸市・保活に忙しい一児の母より)
有機JASマークも一つの基準 ただしマークがない優良生産者も
※有機JAS 法について正確に知りたい方は下記URL をご覧ください。
農林水産省公式サイト 有機食品の検査認証制度
http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html
前号では「オーガニック」の3つの側面(語源・農法・法制度)についてお話ししました。今回は、日本におけるオーガニックの法制度について説明します。日本の有機JAS法とは、農林水産省が管轄している有機JASの検査認証制度のこと。国の代行として民間の登録認定機関が検査し、その結果、認定された事業者のみが有機JASマークを表示することができるものです。あくまでも国の法律に基づいたもので、民間の団体の判断に任せられるものではありません。
制度施行以前、日本国内では明確な基準が無いに等しく、誰も彼もが無農薬を喧伝し、消費者にとって混乱した状態にあったといえます。現在の有機JAS法が完璧だとは思いませんし、もっとオープンになってほしいという見解もありますが、勝手な解釈が横行しないためには一定の認証制度は必要だと思います。
他方、オーガニック先進国であるヨーロッパでは国の機関のみならず民間の認証団体が制定、認証するシステムが確立されています。日本のように民間の組織への不信感はありません。「信託(trust)」という概念が背景にあることも大きな違いといえるでしょう。
わが国の有機認証の検査制度には、大きく分けて3つの定義があります。
- 農業生産における資材の認証
- 加工食品の認証
- 輸出入品の認証
加工については特に難しく、例えば有機農産物のジェラートを作るとして、すべての農産物が有機認証を受けていても加工する工場が認証を受けていなければ、有機とは記せません。3つの定義は、それぞれに大事ですが、法律の詳細については、残念ながら紙面では伝え切れませんので、今回はプレマが考える有機JAS認証への思いをお伝えします。
極めて一方的な国からの認定であることなどから「有機JAS認証」への偏見も一部あります。批判するのは簡単ですが、認証を受けるために精いっぱい努力している生産者さんがいることは、ぜひとも忘れないでいただきたい。一方、諸事情から申請を断念せざるを得ない生産者さんも少なからずいらっしゃいます。そういった、まだ日の目を見ていない優れた商品を扱う生産者さんを、プレマでは今後も発掘、よく見極めたうえで、紹介し続けていきます。そのうえで「有機JASマークは付いていないけれども、この生産者さんは信用できますよ」と、お客様に自信を持って販売することが、プレマの使命であることを、重ねてお伝えしたいと思います。