歯の表面のエナメル質は、成長していくと水晶とほぼ同等の硬さになるのですが、胎生7週を迎えるころ、エナメル質の元が発生します。健康の一番の源、要であり、また動物が生きていくために絶対に必要な歯は、母親が妊娠していると気づく前に作られ始めているのです。
全身の病気は些細な虫歯や歯周病から始まります。どんなことがあっても、虫歯は作ってはいけないし、歯周病などの感染は防がなければなりません。虫歯を作らないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。それには自然で大宇宙と共鳴した生活を送ればよいのです。自然でなくなっている環境のなかでは、妊娠中の母親の食生活や環境から注意していかなければいけません。母胎の食が極端に偏ったり、甘いものばかり食べていたりすると、その血液は胎児にまで流れ、その子の体質にも影響を与えるからです。なるべく和食を食べ、すなわち「カタカナ」ではなく「ひらがな」で書ける食べ物を食べることが大切です。パンよりご飯、スープより味噌汁、スパゲッティよりそばやうどんといった感じです。和食のなかでも特に大切なのが、納豆や味噌、麹や糠の漬物などの発酵食です。腸内細菌がその人を決める、性格までもが決まるといわれています。日々いただく食事の内容や、どんなサプリメントを補足するかでも、これからの人生が決まります。食べ物の性質上、リンが多い練り物や加工肉などをたくさん食べると、硬組織からカルシウムが溶出し骨粗鬆症にもなりますし、虫歯にもなってしまいます。
正しい噛み合わせのためには骨格や姿勢もとても大切です。特に上下第2大臼歯が噛み合うころの姿勢が悪いと、生涯病気がちになってしまいます。噛み合わせがずれてしまうと、重心のバランスも狂ってしまうので、身体がゆがむ原因や歯周病を加速させる因子を作ってしまいます。また、舌の動きが悪く自由に動かない舌では歯並びがきれいになりません。もし自由に動かない場合は、舌の裏の小帯を切り舌を自由に動かせるようにする方法もあります。また、不思議に思うかもしれませんが、足指の使い方が悪く指の形が変形してしまったり、足指で「グー、チョキ、パー」ができなかったりすると、歯がきれいに並びません。
歯科を受診するというのは最終手段であり、子どものころにいろいろ体験して身体を使うことがとても大切です。矯正が必要になるのは、身体の使い方が誤っていたり、今まで使わないできた部分があったりして、悪習癖の存在で歯がきれいに並ばないためです。
食や姿勢、力、いろいろ書きましたがその方がいる場、生活する場も大切です。電磁波なども身体を歪める原因となるからです。時代が流れどんどん凄まじく環境や生活スタイルが変わっていくなかで、どのように環境に適応していくかも考えなければなりません。
人が生活する場、更には心のあり方、感情の解放の仕方までをも見直す必要があります。今までたくさんのことを自由気ままに書かせていただきましたが、すべての病気や感情と歯は関係し全身と密接につながっています。ちょっと極端かもしれませんが、私の恩師が話していた「総合病院の院長は歯科医師がやるべき」という時代が統合医療の発展とともに現実化していくことを期待しています。
さて、この『らくなちゅらる通信』に原稿を書かせていただいてちょうど10年が過ぎました。よい区切りで本号で私の執筆は最後とさせていただくこととなりました。今まで私のつたない文章に毎月おつきあいいただきまして本当にありがとうございました。読者のみなさま、また中川社長はじめプレマの関係者の方々、いろいろお世話になりありがとうございました。みなさまの心と身体が真の健康に包まれますよう、大宇宙に愛を捧げたいと思います。本当にありがとうございました。