トイレの敏感期はいつ?
生後半年の第二子を抱っこしているママが、「ふたりめは(余裕があって)かわいいけど、またトイレトレーニングをするかと思うと……」とぼやいていました。上の子が、年中になってもおむつをしないとうんちができず、大人はやさしく諭すけど、わざわざおむつをはいて、カーテンのかげに隠れてうんちしていたそう。トイレトレーニングに悩む親は多く、うんちに難儀するというのもよく聞く話です。
「子ども本人がやりたいって言いだすまで待ってて大丈夫」と、助産師さんが、悩む親にアドバイスをする現場に居合わせたこともあります。子ども自身が、言葉の習得にエネルギーをとても注いでいるように見えるから(モンテッソーリの「敏感期」を思い出すアドバイスですね)、トイレトレーニングに回すエネルギーが残っていないだけ。その子の興味がトイレに向かうまで待って、という、親が思いつめないよう配慮にあふれた言葉でした。
おむつなし育児をしていても、なにかに夢中になった子どもが、排泄に気がいかないことはよくありますから、子どもに興味の優先順位があるのはすごくよくわかります。ただ、排泄は動物の超基本。敏感期はごく小さなころに訪れています。排泄に敏感なころにおむつをトイレだと教え込んでから、トイレじゃないと教え直すのはどう考えても効率が悪い。それを知っていたかどうかの違いは親子ともに大きく、おむつを便利に使うと同時にこれはトイレではないと教えておけば、家族の一番楽なタイミングで、おむつは外れるはずですね。
臨機応変にトイレさせる
具体的になにをするかというと、1日1回でも数回でもいいから、おむつ以外で排泄する習慣を、つくってみてください。熱心な人は、生後すぐにおむつがいらないくらいの勢いでお世話しますが、そこは無理ない範囲で大丈夫。面白くて100%をめざす場合はいいのですけど、親ががんばりすぎることに、いい面はあまりないです。
ちょっと大きい子は、昼寝のあと、寝る前などがタイミングを合わせやすいです。大人も寝る前や起きぬけはトイレに行くでしょう? 同じように考えてあげてください。そのときに、うーん、でも、しーでも言ってあげると、排泄と声の合図が紐付けられます。うんちのタイミングがわかりやすい赤ちゃんは、出そうなときに、嫌がらないようならおまるにのせてみる。嫌がるようなら、その場でおむつを外し、おむつの上に、トイレさせるところから始めてみてもいいんです。
一番やりやすいのは新生児です。授乳中、授乳のあとに絶対うんちします。トイレは最初、おしりすーすーを嫌がる子もいるので、場所は無理なく、授乳の姿勢のままで、百均のボウルなどにさせてあげてもいい。しーやうーんを合図で言うようにすると、声も紐付けされ、ボウルにしか排泄しない、なんて状態にはなりません。
わたしは布おむつ派だったので、とにかくうんちのおむつを洗うのがめんどくさくて! うんちはおむつの外でしてもらう方針でした。すると、赤ちゃんは、おむつをしていると、うんちをしなくなります。ご近所の犬たちが、散歩に出ないと排泄しないのと近いかなって思ってます。おむつにうんちをされないのってむちゃくちゃ楽ですよ。スタートは小さいほうが覚えが早いです。妊娠中の人は、産後早め、授乳のついで、「敏感」期に、ぜひやってみてください。かわいいですよ。