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楽だから自然なお産~高齢出産編~

出産・子育て・介護家族と向き合ういろんなお話

一般社団法人
日本マクロヘルス協会
理事

望月 索 (もちづき さく)

人一倍不摂生な出版仕事人が37 歳、40 歳、44 歳で出産、育児の経験も積み、健やかな暮らしについて学び合う協会の設立メンバーに。
編集、ライター、一般社団法人日本マクロヘルス協会理事。編著に『子どもを守る自然な手当て』、訳書に『親子で楽しむ!おむつなし育児』、『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』。
http://macro-health.org

一番のお宝がやってくる vol.1

投稿日:

とるだけ育休にならないように

この春からの改正育児・介護休業法の段階的施行を受け、5月は「新生児の父親にできること」を書きました。今月は、生まれる前の子をもつ父親にできることを書いてみます。ひとまず3つ柱をたてますね。①家事を分担する。②話し合う。③巣作りを手伝う。

まずは①。「もう分担できている」「〇〇はできないから自分のできることをしている」「いま忙しいからもう少し後で」などと思う人は、おそらくアウトです。できない人は、生まれる前にできるようになってください。できていると思っている人は、申し訳ないのですが、一般に、男性ができると思っているほど、女性はできると思っていないです(本当にできる男性、ごめんなさい)。産後はその認識の差がさらに広がり、よっぽどできる人でないと「とるだけ育休」になってしまうかも。父親はちゃんとがんばったつもりでも、夫婦の溝は深まります。

その事態を避けるためにも、妊娠中に二人で、考えられる家事を書き出し、見える化してください。知らなかった家事はありませんか? これも一般論で、男性がしている家事の背後で、女性がこまごま準備をしていることが多いです。ゴミ捨てが男性の担当なら、ゴミを分別して捨てられる状態を維持しているのは女性、という感じ。まずは把握するのが大事です。

そして②。それら見える化された家事を(家事以外でも)、「必要ない」あるいは「必要だ」と決めず、話し合ってください。あなたには必要なくても、パートナーは必要だと思っていると、それができていないのは苦痛です。それまでいろいろこなせていた女性ほど、初めて一人で回せない事態に陥ります。そこは夫が配慮できる点。妊婦は大切に、余計な価値判断をさしはさまず、現実問題としてできる量を見定め、必要だけど男性に苦手なことがあれば、スキルアップする/人を頼む/頻度を減らす、など、産後に向けて着地点を見つけてくださいね。

いずれ必要なら最初から

最後に③です。第一子が生まれる前の父親は特に、親になる自覚が薄いです。とにかく、巣作りに全面協力してください! 子を産む前のメスが営巣するのは当たり前です。例えばツバメだったら夫婦で巣を作るんだから、あなたも協力しないと。

なにか好きで集めているもの、スペースを多く占めているものはないですか? それは赤ちゃんがでろでろに舐めまわして平気なものですか? 誤飲する小さなパーツはありませんか? ビリビリに破られたり、得体の知れないなにかを内部に入れられたり、なにかにガンガン打ち付けられたり、水濡れされたり、知らないうちに電化製品の開口部に突っ込まれて電化製品ごと破壊されても構わないものですか?

最初は寝たきりの赤ちゃんは、寝返りの連続で部屋の端から端までたどり着いたり、高速でハイハイしてぶつかったり、伝い歩きをしようとして押し倒して危ない目にあったり、そういう状態がすぐにやってきます。巣作りに入った女性はさっさと自分のものは片付けますから、お前のものも片付けろと相手が怒気をはらむ前に、空間も時間も子どもに明け渡してください。

大丈夫、子どもがいないところからやり直せる場合、いる生活といない生活、どちらを選ぶかと消費者調査の手法で尋ねると、9割以上の親が、もう一度その子を授かることを望みます。圧倒的な満足度を誇る一品ものが、もうすぐやってきますよ!

食事作りがしんどい時に、ありがたいスープ! 味は妊婦の好みを優先して。

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- 楽だから自然なお産~高齢出産編~ - 2022年6月発刊 vol.177

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