産後は養生するために
自分の不安定な精神状態は、陣痛促進剤の副作用にちがいない……と気づくことができたのは、産後２週間以上たってからのことでした。
出産直後から、ことあるごとにボロボロ泣いてばかり。子どもと引き離されたのも、哺乳量の管理も、異形の赤ちゃんのいる入院室に３時間ごとに通う生活も、心身ともに負担だから、自分はこんな状態なのだと思っていました。病院に持ち込んだ品々で、自分なりに守りを固めてはいても、アウェイすぎて、心身のお手当てが追いついてないのだな～と。
そんななか、医師と交渉して子連れ退院を勝ち取り、看護師に遠目・横目でヒソヒソ見られながら、ひっそりと、でも意気揚々と、私は退院しました。
家に戻ると、どっと疲れが出ました。床を整えてもらって、ここから養生に入るよ！ と宣言して、家族の寝室とは別の、私の仕事部屋に赤ちゃんとこもりました。
プライベート出産するつもりだったので、産後養生用の準備はすでにできていました。不必要な電化製品はすべてコードを外してあります。
産後ひと月は、メールがどれだけ溜まろうと、コンピュータを開くつもりもありませんでしたしね。
いちいち水を汲みに行けないので、床に大きなお盆を置いた上に、ゴールデン・アラジン・ウォーターサーバーを置きました。立つ回数は減らしたいんですよ。冬で寒いから、電気ケトルも事前に購入、アポロＳｙｎｍコンセントにつなぎました。電気ケトルで温めたお水は面白いくらい美味しくないので、お腹が冷えないように差し湯するくらいだったんですけど、口が広いので、レトルトパウチのおかゆをケトルで湯せんで温められるのが、とても重宝でした。
今でも、大豆ミートをもどすお湯を沸かしたり（だって水けは絞るしね）、瓶を煮沸消毒する時に、そのケトルを使っています。
腑に落ちる温かさ
家人は家事ができないので、産後ひと月用に、私と家族のために、大量の食品も買い込んでいました。
子どもたち用に、ミシェルのＳＳＦベジタリアンスープが何瓶あったことか。
自分用には、自宅出産で有名な某助産院の産後養生スケジュールに合わせた食品を購入していました。
退院したのは産後５日目でしたから、玄米粥が主食の時期です。プレマシャンティの玄米粥に漬物が、あるいは鉄火味噌やごま塩が、身にしみるほど美味しくて。病院の食事は薄味、なのかどうかは逆に私にはわからないのですが、動物性使ってるのにエネルギーの足りない、味つけの砂糖が鬱陶しい、ジャンクでまずい病院食にはとにかく閉口しました。もう野菜の力がなさすぎ。
プルーンを出したい場合は、プルーンのグミが出てくるんですよ。どうしてドライフルーツじゃないんでしょうかね！？ プレマシャンティの玄米粥は、腑に落ちる美味しさで、心の底からほっとしました。
それでも私、泣いてばかりいたんです。
横に赤ちゃんがいるのに、病院の看護師の断言とは違い新生児は自律哺乳できたから、授乳も無理してないのに。
これはどうして？ 疑問に思うなか、妙な夢も見続けていて、そのリアルさにある日突然、これはホルモンバランスが崩れてるんだ、と、ハッと気付きました。自分がおかしいんじゃなくて、人為的に作られた状態だ、と。促進されてないお産と比べられない人や、初産の人は、自分は産後うつだと思っちゃいますよね。たまったもんじゃないです。
どうやら産後うつを初体験している私にとって、促進剤で先取りさせられてない「本当のお産」は、産後１週間目にやってきました。（続く）
プレマシャンティ 有機玄米がゆ
プレマシャンティシリーズ、
ひと月食べても飽きませんでした！
プレマ株式会社東京スタッフ
望月 索（もちづき さく）
8歳、5歳、1歳の三姉妹の母。
人一倍不摂生な出版仕事人が妊娠、出産、育児と経験を積むうちに、気づくとハードコアな自然派お母ちゃんに。
編集、ライター、プレマの東京スタッフ。
編著に『子どもを守る自然な手当て』、訳書に『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』など。
楽だから自然なお産ご質問などは下記ブログまで
http://macro-health.org
