累計122万件出荷!自然食品・自然療法・エコロジー・らくなちゅらる提案サイト

特集

インタビュー取材しました。

【Vol.70】未来を拓く、 農の新しいかたち

投稿日:

慣行農業から有機へ、または無肥料栽培、固定種栽培へ…。今、自然の力を最大限に生かそうと新しい農法を開拓する農家が登場し、農のあり方に多様性が出てきています。その一部の試みをご紹介します。「野菜」が明るい社会を切り拓くキーワードになる日も、近いかもしれません!

 農薬を一切使わず、 肥料も入れない、 野菜本来の生命力を最大限に生かした無肥料自然栽培(露地栽培)を行っている明石誠一さん。
種は固定種を使用、自家採取もしています。 「古くて新しい」 明石さんの農業にかける思いをおうかがいしました。

明石誠一氏
2002 年埼玉県富士見市の有機農家に1年間研修。その後、2003 年に独立し、埼玉県三芳町にて一町四反(1.4 ヘクタール)の畑で自然栽培に取り組む。年間60種類の野菜を育てている。子どもをはじめ多くの人が自然との共生を体験できるよう、落ち葉掃きや収穫体験などのイベントも行い、また農業学校「ソラシド」講師も勤める。

自然栽培は「あるもの探し」
 就農して今年で10年。6年前には有機栽培から固定種の無肥料栽培に転換しました。
 子どもの頃の夢は宇宙飛行士、次にはサッカー選手、3番目は農業、4番目に八百屋でした。サッカーをやるために体育大学に入りましたが違和感を覚え、自分探しをするうちにネイチャーゲームに出会って、自然を深く感じることに興味をもちました。その後子どもの頃の夢を思い出して農業を志すように。
 大学卒業後はワーキングホリデーでカナダに行き、アメリカ西海岸縦断の旅もして自然にどっぷりつかりました。アメリカは広大で、乾燥地帯に行けば草も水もガソリンもない。何もないところに身を置くと、「これがない、あれがない」なんて嘆いていられなくて、「これがある、あれもあるじゃないか ! 」と「あるもの」に目がいき、「幸せはどんな状況でも見つけることができる」と自信がついたんです。それが、今日取り組んでいる「固定種の無肥料栽培(自然栽培)」
につながっていったのだと思います。自然栽培は、外に多くを求めず、本来自然にあるものでやっていくという方法です。当初は一般的なF1種の野菜を育ててましたが、種苗会社の利権がからんでいて、次の世代がうまく育たないように種が遺伝子操作されているのです。でも固定種に変えてからは、毎年自分の畑で種を採ることができます。水と土と太陽と種で、命を未来につなげていく昔ながらの農業は、とても創造的な仕事だと思っています。

手間が野菜をおいしくする
 土の中には、多様な微生物が存在し、植物の発育によい影響を与えています。日本は島国で、雨がよく降り水が豊かで、落ち葉や枯れ草などに微生物が発生し、腐蝕しやすく土もよく育つ環境。植物が元気に育つ条件が揃っているんです。こんな豊かな資源を、利用しない手はないですよね。
 昔からの農家の方に聞くと、「500平方メートルの畑を男がひとりで起こしたら一人前」と言われていたそうです。機械もない時代で大変だったと思いますが、それでも盆暮れ正月には身内に挨拶に行く余裕もあって充分豊かだった。きっと昔のほうが自然の摂理にそって、効率的にやっていたのだと思います。
 最近、昔の農に習おうと、畝を15メー
トルと短くしてみました。畝は農耕機具で作業するためには長くしたほうが効率的ですが、あえて手間がかかる方法を選びました。
 「手間」という言葉もそうですが、「人間」や「世間」という言葉にも「間」(時間や空間を意味する)という字が入ります。手と手、人と人、世と世… その「間」には、目には見えない「愛」のようなものがあるんじゃないかと思うんです。あらゆるものとの「間」にあるもの…つまり関係性を見直し、そこに愛を込めていくことが、大事だと思っています。
 都会に住んでいる方も、一度、プランターで野菜を育ててみるのはいかがでしょうか。豊かな土には10グラムの中に何兆という微生物がいます。固定種を、豊かな土を使ってプランターで育て、その野菜を食べて種も採る。たくさんの命との関係性ができて、自分も自然のサイクルの一部であることを実感できると思います。そして何より、固定種の野菜は、歯ごたえがあって噛んでも楽しく、本当においしいですよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

農業学校で栽培している種採り用のニンジン。ニンジンがこんなに太く大きく育つとは!
  「ニンジンはセリ科の植物で水が好き。雨に流されやすいよう種に細かい毛が生えています。水辺のセリが乾燥に耐えるように根が肥大したのがニンジンです。」
 
「畝と畝の間に植えた “のらぼう菜” を倒して緑肥。(栽培した植物をそのまま畑にすき込んで、作物の肥料にする)に。下には、インゲンを植えてあります。草が枯れて土の栄養になる…その環境を人工的につくるんです。いろいろな植物を緑肥に試すなど、日々実験です。」
 
捨ててしまう野菜を積んでおくと腐蝕し、微生物が増えて発酵し、土になる。
 
大根は葉に痛いほどのトゲがあり、生命力満点!
 
レタスもぎゅっと詰まって、葉ごたえ充分で力強い。畑の全ての野菜が放射状に力強く葉を付け美しい。元気だから虫もつきにくい。


野菜の声をよく聞きながら、元気に育てたい!
棚宗サラダ農園は石川寛子さんで3代目。おじいさん、お父さん、お兄さん、その後、石川さんと妹さんが仕事を引き継ぎました。
慣行農業から自然栽培に転換してから7年。自然栽培への転換のきっかけなどについておうかがいしました。

石川寛子氏
棚宗サラダ農園代表、石川寛子氏(写真右)は農業に携わり16 年。写真左は妹の故長野正野(まさの)氏。「棚宗」は代々の家の呼び名、「サラダ」は生でも安心の野菜の意を込めている。
伝統野菜の碧南鮮紅五寸ニンジンと固定種のタマネギ、落花生、里芋、さつま芋などを栽培。「自然栽培でも根がしっかりした、こんなに大きなタマネギ(写真)ができるんです。根の張り方がとても大切」(寛子氏)

  木村秋則さんとの出会いで自然栽培に
 子どもの頃は畑を裸足で歩くのが大好きで…ふかふかしていて気持ちよかったんですね。兄の農業を手伝うようになったとき、「今の土は昔と違う」と言ったら「おまえに畑の何がわかる!」と怒られて。今思えば、兄も土の力が弱まってしまう慣行農業に苛立っていたのではないかと思います。農薬がよくないのはわかっているけれど、生活のためにはしょうがない、と思っていたのではないかと。

 兄が亡くなり、妹とふたりで農業を引き継ぎ「同じことのくり返しではなく、何か違うことをしたいね」と話していたとき、『奇跡のリンゴ』(幻冬舎)で知られる青森の自然栽培りんご農家・木村秋則さんとの出会いがありました。農薬も肥料も使わずに自然のままに育てるその農のあり方に、雷でうたれたくらいの衝撃を受けました。
 そして妹とともに「絶対にやりたいよね!」と話し、無謀にも、一気に自然栽培に切り替えてしまったんです。直後は前の肥料が土に残っていたため野菜がなんとか育ちましたが、そのあとが大変。3、4年はうまくいかず、有機肥料を入れるなど試行錯誤をくり返しました。木村さんに「何を見ているんだ、もっと作物を観察して !」とお叱りを受けたことも。その作物はどこからきたのか、何を要求しているのかをよく観察し、元気に成長するための手助けをしてあげることが大切だと知りました。
 

  土も植物も生きている!
 自然栽培に切り替えてから、作物が変化していく姿を見るのがとても楽しいです。無事に育ってくれた作物をいただくときのおいしさといったら ! 嫌いだったニンジンも、今では生で食べられるように(笑)。体がいかに旬の野菜を求めているかも気づきました。
 妹は病気で今年亡くなりましたが、よく一緒に「人間も体が疲れると風邪をひいたり調子を崩したりする。作物も一緒で、元気なら虫も寄ってこないよね。どう健康管理をしてあげるかが大切だね」と植物を人間にたとえて話をしていました。
 植物が元気に育つために、土はとても大切。堆肥にもいろいろありますが、草や落ち葉が何年もかけて発酵したものはすばらしいです。牛や鶏など家畜の糞の堆肥もありますが、ポストハーベスト農薬に汚染され遺伝子組み換えの飼料、抗生物質やホルモン剤を含む飼料を食べて不自然な環境で育っているため、植物もうまく育ちません。牛は塩分を多量に摂っているのでそれもよくないですね。
 土の中にいる微生物をいかに育てるかについても研究はつきなく、農業は本当におもしろい。もっともっと勉強したいです。そして、安心でおいしい野菜を多くの人に届けていけたら、こんなにうれしいことはないですね。


プレマ自慢のおいしい農家!
プレマがお届けしている農産物の生産者である自然農法秋場農園と対馬正人さんのふたつの農家。
農薬や化学肥料を使わない、自慢の味は、どのように育てられているのでしょうか?

対馬正人(つしままさと)氏
2004 年父の他界を機に就農。化学肥料不使用・EM栽培を実践し、2010年、完全無農薬りんごが日本で初認証を受ける。

 対馬家では代々、青森県でりんごを育ててきました。対馬正人さんは2004年にお父さんのあとを継ぎ就農。「安全・良品・より安く」をモットーに、EM菌や高波動水を取り入れ、化学肥料を一切使用しない栽培に挑戦、2009年に見事成功しました。
その後、りんごでは非常に難しいといわれる、農薬を使わない栽培にも一部成功しました。 りんごの葉を取らないというのも特徴です。一般的には、りんごを赤くするためにりんごの周囲の葉を取りますが、対馬氏の農園では、光合成を活発に行い太陽の恵みを存分に浴びさせて養分を蓄えるために、あえて葉を残します。また薬を用いることが多い摘果(成長の遅いものや小さいものを間引く作業)も、すべて手作業で行います。草は刈り取らずに自然に近い環境をつくり、枝は土に返すという方法をとっています。

 
 「自然の循環を大切に、りんごの木と対話することを心がけています。するとその木がどうしてほしいのか、訴えかけていることがなんとなくわかります。1個1個のりんごを、自分の子どものように育てているつもりです。」(対馬正人さん)
 
  そうやって愛情こめて育てられたりんごは、心地よい食感があり、酸味と甘みが口の中いっぱいに広がり、とってもジューシー! 本当においしいりんごです。
 今年も、次の収穫期に向けて大切に栽培中です。お楽しみに。

   

   

 

まっかなほんとの農薬不使用りんごジュース(720ml)

まっかなほんとの農薬不使用りんごジュース
720ml 1,300 円

農薬を使わず育てられたまっかなほんとのりんごを使ったりんごジュース。サンふじ・ジョナ・王林を贅沢にミックスしました。シーズンオフでも対馬さんのりんごを楽しめます。 

まっかなほんとの農薬不使用りんごジュースの詳細、ご購入はこちら>>

秋場和弥(あきばかずや)氏
北海道北見市で自然農法をはじめて26年。
豆類、じゃがいもなどの野菜を育てている。
機械と手作業を併用し、収穫は手作業中心で高い品質を維持している。

 秋場家の無肥料・自然栽培は60年におよびます。28年前、秋場和弥さんが農業に加わってから改めて原点にかえり、それまで一部で行っていた無農薬、無化学肥料を全面積で実施、できる限り自家採取をするようになりました。
 「私たちは環境を守り、人の命と健康に役立つために農家としての道義心のもと、未来の子どもたちに安全でおいしい食べものを提供することが、農業者の義務責任だと思っております。
 私たち人間は、現代科学にて、いまだに解明されない無限の太陽系宇宙エネルギーの恩恵を受け、この地球に生きています。無から有を生み出せる生産の最前線にある農業者として、太陽(火)、空気(水)、土(土)の自然からの三大恩恵によって生産される作物が、人々の健康を豊かに作り出し、その大地から発せられるエネルギーは地球環境浄化に、また人心の潤いに寄与しうるのではいか、ということを思っています。事実をもってそのことを示せるよう、最善をつくす日々です。」(秋場さん)
 秋場さんの畑では有機肥料さえ一切使いません。肥料のやり過ぎも窒素が未消化状態になり、その状態の作物を食べると発がん性物質を生み出すきっかけになるとも言われています。
肥料がなくても、自然の力を最大限に生かせば力強く生命が育つことを、秋場さんの作物は教えてくれます。
 

   

   

 

まっかなほんとの農薬不使用りんごジュース(720ml)

もち麦押し麦・大豆・青大豆・黒豆光黒・黒豆祝黒・小豆・片栗粉・黒豆煮豆…毎年秋には季節限定でじゃがいもも販売しています。お楽しみに!   

秋場農園の無肥料栽培作物の詳細、ご購入はこちら>>

- 特集 - 2013年7月発刊 Vol.70

今月の記事

びんちょうたんコム

累計122万件出荷!自然食品、健康食品、スキンケア、エコロジー雑貨、健康雑貨などのほんもの商品を取りそろえております。

びんちょうたんコム 通販サイトへ