思っても言わずにいることは案外多いものです。とくに、泣き言や不満、否定的な意見など。場の空気を読み、まわりの雰囲気に水を差さないように、和を乱さないようにと、自分の思いを飲み込んだりすることはよくあることです。場合によっては、大した問題ではないからと気持ちに蓋をしたこともあるでしょう。ほとんどの人がそのように割り切り、折り合いをつけてきたことが多々あるのではないでしょうか。

そうとはいえ、もしあなたが前向きになろうとしても心が重く、思うように行動できずにいるのなら、あなたには心の大掃除大会が必要かもしれません。

吐き掃除でクリアに

具体的には「ちょっと言ってみる」のです。本当は言いたかったこと、じつは思っていたこと。それらを遠慮せず、声に出して言ってみるのです。他の人に聴かせる必要はありません。誰にも言わなくていいのです。自分一人で声に出して言います。言葉にしてみると、あら不思議。スッキリして、気持ちが軽くなります。

できれば、全部言えた感が十点満点になるまで言って、言って、言いまくります。掃き掃除ならぬ、吐き掃除。吐き出し切るのがポイントです。心のなかで思うだけでも、頭で考えているだけでもなく、しっかり言葉にして、声に出して言います。言葉にしないと認識できないからです。

もうひとつのポイントは、ただ「そうか、そうか」と受け容れることです。自分が声にした気持ちや感情、思ったことを「そうか、そうか、そんなふうに思っていたんだね」、そんなふうに一旦受け容れてあげるのです。否定も肯定もしません。正しいか、間違っているかといった評価も脇に置いて、まずは受け容れる。これが大事なポイントです。それを続けていると、だんだん心は軽くなり、明るさを取り戻し始めます。元気も湧いてきて、自然と行動できるようになります。その結果、営業成績アップ、家族関係の改善など、嬉しい変化が起こります。

言葉にすると明るくなる

最近ですと、ある営業職の方から嬉しい連絡をもらいました。その方は一ヶ月以上、契約が一件もとれず悩んでいました。前向きになろうと思っても、気持ちは落ち込むばかり。前向きな上司や同僚には弱音を吐くこともできず、もういっそ仕事を辞めようかと苦しんで、相談に来てくれました。

そこで、いまの気持ちを思い切り言葉にして、声に出して言ってもらいました。「あんなやり方したくないの」「自分だってがんばってるのにー」など吐き出し切ったら、あら不思議。すっかり表情が明るくなり、笑顔で帰っていきました。そこからがさらに驚きです。心の吐き掃除をした翌日、なんと「二件の契約がとれた！」と興奮気味で連絡してくれました。

ほかには、「夫との距離が近くなった」と感じた方もいました。以前はご主人とのあいだに壁を感じていたそうですが、心の吐き掃除をしたら壁が消えたのだそうです。それがとても嬉しいと笑顔で話してくれました。

私も気持ちがモヤモヤするときや、判断に迷いが生じたときは、どんなネガティブなことでも、ちょっと人には公表しにくいような内容でも（笑）、思い切り大きな声で吐き出しまくるようにしています。一気に思いっきり言い切ることで、短時間でモヤモヤが解消し、思考も整理されて、大事なこともスパッと判断できた経験が何度もあります。

気持ちがモヤモヤしたとき、心が重くて考えがまとまらないとき、前向きになろうとしてもなれないとき、まあいいかと流したとき。そんなときは、言わずにいたことを少しずつでいいから言ってみましょう。言葉にして、声に出す。これだけで軽くなりますよ。