初乳を増やすために
大病院のベテラン看護師さんは、「新生児は自律哺乳できない」と断言しました。
つまり赤ちゃんの好きなように飲ませると、
どんどん痩せていき、どんどん弱っていくということ。
それまで馴染んでいた「おっぱいが出るように頻回に吸わせる」文化とは、
真逆の考え方です。
普段の私なら、きちんとお手当てして生まれた健康な子どもには、
体重が基準値に足りなくても、自分で乳を飲んで育つ力がある。と、反論したと思います。
が、陣痛促進されかなり消耗したあとで、
常に監視され赤ちゃんと添い寝すらできない状態。
「医療介入されて生まれた子には、医療の管理も必要なのかも」と考え、
それ以上騒がず、3時間ごとの強制授乳に従いました。
授乳の前に体重を量り、寝ていたところを無理やり起こされた子が飲まず、
体重の増え方が規定量に足りないときには、粉ミルクを足します。
せめて粉ミルクをアレルギー対応のものに変えられないか打診はしましたが、
粉ミルクの種類を選ぶことはできませんでした。
せめて、なるべく自分の乳をあげたい。
病室が火気厳禁でなければ、イトオテルミーで初乳の分泌を促し、
必要量くらいは絞りだしたろうと思います。
テルミーを使うと、乳汁の分泌は良くなります。
でも、火器が許される環境ではないので、
ペットボトルの水を買いに行き(歩くのは本当は嫌でしたけど……)、
空いたペットボトルに熱いお湯を入れました。
乳房の外側から乳首に向かって集めるように、ペットボトルで何度もなでると、
じわ~と乳が湧いてきて、絞りやすくなります。
ペットボトル大作戦はテルミーほどではないですが有効で、
わりと初乳の量は、増やせたと思います。
そんなことをしていると、自分の眠る時間がなくなります。
でも添い寝・添い乳が許されないですし、
浅く眠るたびに(今なら促進剤の副作用とわかる)レイプされる類の夢を見ました。
一生懸命レスキューレメディでチャージしつつも、
だんだんと追い詰められる理由には、病院からのプレッシャーもありました。
便が出てはいけない
長年不摂生だった私の胎内で、娘は余計な物質を吸収しているはずです。
早くデトックスしてあげたくて、授乳しながら抱きながら、
粉ミルクを足すより早く胎便を出そうと、赤ちゃんの肝臓などの位置に手を当てて温め、
排泄を促しました。
小さいながら健康なわが子は、私の手当てに応え、きちんと排泄しました。
その様子に、若い看護師さんが眉をひそめます。
低体重のうちの子は、胎便が出ることで、体重が自然に減ってはいけないのです。
排泄する力のない便秘状態を喜び、便秘でお腹が張っているから飲みたくない、と
反応する子の口にとにかく粉ミルクの哺乳瓶を突っ込む。
のが、病院として正解なのでした。
うちの子は、おしっこもうんちも立派に排泄し続け、
病院の規定の体重を、10グラム割りました。
早速、小児科医がやって来て、母子同室はここまで。
赤ちゃんは入院室へ連れて行く、と宣言しました。
ここで、完全に見知らぬ世界への扉が開かれたのです……。
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プレマ株式会社
東京スタッフ
望月索
(もちづき さく)
8歳、5歳、1歳の三姉妹の母。
人一倍不摂生な出版仕事人が妊娠、出産、育児と経験を積むうちに、
気づくとハードコアな自然派お母ちゃんに。
編集、ライター、プレマの東京スタッフ。
編著に『子どもを守る自然な手当て』、
訳書に『小児科医が教える親子にやさしい自然育児』など。
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