累計122万件出荷!自然食品・自然療法・エコロジー・らくなちゅらる提案サイト

中川信男の一問一答

プレマ株式会社 代表取締役
ジェラティエーレ

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

【Vol.39】男性の育児をどうとらえていますか?

投稿日:

質問:
最近「イクメン」という言葉が流行っていますが、中川さんは男性の育児をどうとらえていますか?

答え:
 『イクメン』という言葉があるのですね。最近の省略言葉にはついていけない私はこの10月に40歳になってしまいました。最近まで自分は『アラサー』と思っていたのですが、「自分はアラサーだから・・・」とスタッフに飲んでいる勢いでいったところ、「ガンガーさんはアラフォーです!」とたしなめられました。ということで、この年になると正直に知らないことを知らないといえなくなりそうなので、そこに注意しながらこの先を生きていきたいと決意しているところです。

 さて、その『イクメン』について調べますと、以下のように書いてありました。【イクメンとはイケメンが変化したもので、育児を積極的に率先して行う男性、育児を楽しんで行う男性を意味する。産休による出産後、女性が引き続き育児を行うのが一般的であった。これに対し、男性が育児休業基本給付金といった制度を利用し、育児休暇をとって積極的に育児を行う男性が増えた。こういった男性を賛美する言葉として出来たのがイクメンである。ただし、休暇をとって育児をしたい男性は多いものの、収入(給与)が下がる、会社の評価が低くなるといった理由から、まだまだ日本における事実上のイクメンの数は少ないのが現状である。(2009年現在) 出展:日本語俗語辞典】 さらに調べますと、どうもこの動きは厚生労働省が牽引しているようで、イクメンプロジェクトという同省主導のウェブサイトまで出てきてびっくりしました。

 男性が育児に積極的に参加することは、私の感覚では当たり前のことであって、大人にとっては学びの連続である子育てに男だからという理由で関与しないことの意味が私にはわかりません。このことはあとで触れるとして、私はこういう政府主導のヤラセには少々の嫌悪感があるのです。もっとも端的なのが「少子化→子ども手当」「男性の育児参加→産休や育休制度の利用促進」のような安直なお金中心主義です。私は現実的な人間ですから、子どもを産み、育てることと、経済をばらばらにする認識はありません。ただ、これらの発想の根幹には、私がよくいうところの「くれくれマインド」、つまりこういうもの(機会やチャンス、お金や時間など)を誰か(国や会社)からもらえたら、それをしてもいいよ、というような打算の臭いを感じるのです。そうでなくても国家財政や企業収支が逼迫しているところに、制度として(つまり国や企業がお金を出す方向で)あれもこれも作るべきだ、という論調に終始することで、この国からは希望ある未来が失われています。それは空気のようなもので、制度が整って支出が増えるに従って、口
には出さずとも、「いつまででもこんな都合のいい話、続くはずないよな」というあきらめの空気が蔓延するのです。

 ニュースキャスターとかコメンテーターという人たちの発言がそれに輪をかけます。「このままでは財政破綻するのだから、もっと支出を緊縮すべきだ」と言った直後に、「このままでは弱者には死ねということになりますから、もっと予算をつけないと、先進国として恥ずかしいのでは。」と。こういう話は、ただ流して聞いているようならば心地いい社会正義のように聞こえますが、実際には両足が裂けるようなとんでもない話でしかありません。つまり一貫性がなく、国民は潜在的な不安を抱えざるを得ず、だから子どもを産むことにも育てることにもどこかで消極的になるのです。

 子どもを産んだり、育てたりすることには、お金や時間の有無に関係なく、すばらしい学びが山のようにあります。私の会社経営のスタンスは、社内の仕組みにしても対外的な販売にしても、すべて子育てをベースにしています。たとえば「子どもにとって大人とはなにか?」という問いかけはそのまま「部下にとって上司とは何か?」ですし、「子どもの可能性を開く教育とは?」という命題は、そのまま 「部下の可能性を開く教育とは?」なのです。もっといえば、「お客さまはほんとうのところ、何を望んでいるのか?」は「自分を語ろうとしない子どもは、ほんとうは何を望んでいるのか?」と同じではないでしょうか。そんなに難しく考えなくても、子どもはすぐに成長してしまうのですから、その時々でかわいくて仕方ないときを少しでも一緒に生きていたいというのは、本能的な欲求のはずです。その欲求を認めないように構築されてきたのが今までの国や企業のありかたであったわけですから、国や企業が制度を改めることは一定の効果はあるでしょう。けれども、個人のレベルでは、●●になったら○○してもいい、という受動的な生き方、いいかえれば「くれくれマインド」とは、この瞬間に決別するべきでしょう。

 家事と育児、さらには仕事までこなす、働く女性は非常に優秀です。これは日本でも外国でも同じだと感じています。私たちはこういう人を積極的に採用しますし、それで必ず成果も出ると信じてやっています。逆にいえば、男女問わず、育児や家事に関与することの魅力や効果や、女性の能力がわからない経営陣のもとで働いていても、この先には経済面でもよいことはないでしょう。だから、イクメンと呼ばれようと呼ばれまいと、育児に参画しない理由は存在しないのです。最後に男性に向かって吠えましょう。男なら、制度や因習に流されずに、自分の生き方は自分で選択するのです。それがほんとうの意味での成功への秘訣です!

- 中川信男の一問一答 - 2010年11月発刊 Vol.39 -

今月の記事

びんちょうたんコム

累計122万件出荷!自然食品、健康食品、スキンケア、エコロジー雑貨、健康雑貨などのほんもの商品を取りそろえております。

びんちょうたんコム 通販サイトへ