平成8年、知人の結婚式の司会を頼まれて足を運んだ京都の丹後半島にある元伊勢籠神社。ここから黒米に出合う物語がはじまったのです。
元伊勢籠神社は食べ物の神様とされている豊受大神が祀られている神社です。豊受大神は丹後半島に天から降りてきて、稲の種とそれを育てる技術を持って日本を豊かにすることを託されました。
私はその当時、マクロビオティックを広げていくことを自分の生きる道としたいと思っていたところでしたので、豊受大神とのご縁を頂いたことが心の励みとなりその当時何度も元伊勢籠神社に足を運び、食べ物を使って世の中を豊かに幸せにする力を分けていただきたいと祈願していました。
その中で出合わせていただいたのが、元伊勢籠神社の田作り長で、黒米・赤米を作っていただいている、香山幸生さんです。まだ黒米がそれほど知られていない時に香山さんから黒米と赤米を渡されて、そのお米が復活した話を聞かせていただきました。
香山さんはご自身が住んでいる丹後半島の歴史を調べている時に、豊受大神が天から降りてきた時にもらってきたお米の種は今の種とは違った黒米と赤米の種だったということを知り、そのお米をもう一度栽培して丹後地方を復活させたいと思われたそうです。調べていくと、明治時代に一度絶滅した赤米と黒米。栽培をすることを許されていたのは神社のみで、黒米と赤米は神様だけが食べるお米になっていたそうです。そのお米の種を分けてもらうために香山さんは何度も神社に足を運び、やっと手に入れたひと穂の稲。そこには100粒のお米が残っていたそうです。
そのお米は普通のお米とは違い育てるのが難しかったそうですが、それでも作り続けた結果、今全国に黒米と赤米が広がるようになったのです。
たった100粒のお米が今、全国に広がっているお米に繋がっているという話を聞いた時に、お米は「一粒万倍」というのは本当の話だなと感動したのを覚えています。
そして、一度は絶滅しかけたそのお米を復活させた香山さんのその信念が数々の奇跡を起こし現在に至っているというお話は、マクロビオティックを広げていこうとする私に勇気を与えてくれました。そしてそんな香山さんの作ったお米はこれからの時代の原点のように思え、そのお米のエネルギーを食べることが、食べた人に信念を持つ力と勇気を与えてくれるように思えるのです。
同じ黒米を食べるのだとしても育てた人やそれにまつわる歴史で、食べた人に与えるエネルギーはずいぶんと違うように思います。
そして、そんなお米に出合わせてもらえていることに感謝ですし、私自身の生きる道はやっぱり食べることが人を育むという信念に従っていくことだと、宇宙から教えてもらっているような気がします。
そんな黒米をご縁のある皆様に今月のオススメの食材として選びました。
2月は自分に与えられたことから逃げずに勇気を持って進むそんな月です。あなたがご自身の信念を見失わずに進めるようにご縁をもっていただければと思っています。 中 美恵
.。゚+..。゚+.☆ 今月のMie’s
Recipe ☆.。゚+..。゚+ |
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中美恵
中美恵(なか みえ)氏 KII認定 マクロビクッキングスクール校長 東京南青山プライベートサロン Mie’s Room 主宰 1997年に、KII認定マクロビオティックカウンセラー・中広行氏と出会い、料理法や理論を学び始める。 2000年「おいしく、楽しく」をテーマにした「マクロビクッキングスクール」を大阪に開校し、全国に展開。現在は料理に留まらず、マクロビオティックに出会うことで多くの可能性を手に入れた自身の経験を活かし、「年を重ねるごとにキラメキを増す」「今の時代に望まれる素敵な女性」をテーマに、多彩な場面で活躍中。 中美恵公式サイト https://miesrecipe.jimdo.com/ >> |