9月。まだまだ暑さの続く頃ですが、それでも自然のエネルギーは確実に秋へと向かっています。それを感じられるひとつが、中秋の名月です
月と地球と生命の関係 地球と月は、互いに大きく影響し合っています。 そして、地球に生きる命もまた、月の影響をさまざまに受けています。 月の力を知り、宇宙と命のリズムの共鳴を感じてみましょう。。 |
中秋の名月と太陰太陰暦
2015年の十五夜、中秋の名月を見ることができるのは9 月27日(日)です。 現在の日本では世界の標準に習い、太陽の周期を基にした太陽暦(グレゴリオ暦)が使われていますが、この暦が日本で採用されたのは明治5年、それまでは月の周期を基にした太陰太陽暦が使われていました。月の周期は28日で、太陰暦においてはこれが1ヵ月となり、1年は13ヶ月となります。この太陰暦における1ヵ月の真ん中、毎月15日の月が「満月」とされ、特に8 月15日の夕方に出る月を「中秋の名月」と呼びました(ちなみに「仲秋」というのは、太陰暦における8月全体を指しているそうです)。 このように中秋の名月は太陰太陽暦を基にしたものですから、現代の太陽暦に直すと、毎年日にちが変わることになります。基本的には、秋分を含む陰暦月の15日の夕方に出る月が、中秋の名月となります。2015年の秋分は、太陽暦においては9月23日です。この日を含む陰暦月における15日が(新月が太陽暦9月13日ですから、ここから数えて15日目と考えると分かるかもしれません)、9月27日となるのです。<参考>国立天文台 暦Wiki
月の影響を最も受ける海
海の高さは一定ではなく、規則的に、1日2回、ゆるやかに高くなったり低くなったりします。これが、いわゆる潮の満ち引き、満潮、干潮です。ご存じの通り、この現象に月の引力が関係しています。月に面した海は、その引力により、いつも満ち潮です。その反対側は月の引力の影響こそ弱いものの、地球の自転による遠心力により、こちらも満ち潮になります。 また、新月と満月の日には月と太陽と地球が一直線に並びます。「太陽・月・地球」という並び方をする新月の日には太陽と月の引力が重なり合うことで、また、「太陽・地球・月」という並び方をする満月の日には太陽と月が強く引っ張り合うことで、海面の高低差が最も大きくなり、大潮となります。 地球を軸にして月と太陽が直角になる上弦の月、下弦の月の日には、その位置関係から干潮の領域が太陽の引力によって引っ張られるため、海面の高低差が一番小さくなり小潮となります。
月と生命活動
満月の日には大地は21㎝も引っ張られているともいわれます。それだけ月の影響を受けている地球上に暮らしている生命もまた、月とともに変化しています。たとえば、満月の日には生命が生まれやすく、逆に新月の日には生命が失われやすいといわれます。また、満月や新月の日には緊張が高まり、半月のときには弛緩する、とういう研究結果もあるようです(アーノルド・L・リーバー博士による「バイオタイド」理論)。 その他、一般的に、月の満ち欠けに合わせて下記のようなエネルギーの特徴があるといわれます。 こういったエネルギーを利用して、たとえば、満月の下で空のお財布を振ると満ちた力によってお金が貯まりやすいとか、ダイエットをするならデトックスの力が働く満月から新月に向かう時期が良いとか、願い事をするなら満ちる力が働き出す新月の日が良い、などといわれてもいます。
体内時計は月の一日を生きている
「体内時計」といわれるもの。たとえば、お腹が空いたり、眠たくなったり、体の一日のリズムを作る存在。これは実は、眉間のあたりにある「視交叉上核(しこうさじょうかく)」というものが担っています。この体内時計、実は現代の一日である24時間ではなく、25時間で動いていることが分かっています。そしてこの25時間というのが、月の一日なのです(正確には24・8時間)。 このことが判明した実験として、太陽光が一切入らない部屋で、時間の感覚が分かるものは全て取り除いた上で、普段と同じように生活をしてもらったところ、食事や睡眠はいつもと同じ時間に保たれていたのですが、生活サイクルが25時間になっていた、というものがあります。 ということは、私たちの体内時計は一日1時間ずつずれていってしまうはずなのですが、それを防いでいるのが、朝の光です。朝、目覚めて太陽光を浴びることによって、私たちの体内時計はリセットされます。気づかないところで、私たちは月と、そして太陽の力で生命を営んでいるのです。
月のリズムを取り入れる、サポートアイテム |
私たちの体内時計は本来月の時間で動いています。
現代生活は太陽の時間を基にしていますが、
その中にも少し月の力を取り入れることで、毎日がより快適に♪
太陰太陽暦は、単に月の満ち欠けを知るためだけのものではなく、自然界の動き全体を知ることのできるものでした。そのため、農作業には欠かすことのできない存在で、今でも太陽暦とは別に活用されていることも少なくありません。 さらに、太陽や月にとどまらず、その他の惑星、星座の位置関係など、地球に注がれるエネルギーの質や流れをはかった上で実践される、「バイオダイナミック農法」という農法があります。これは、哲学者であり、人智学者でもあるルドルフ・シュタイナー博士が提唱した農法で、「生命力」を最重視し、たとえば、宇宙から最もエネルギーが注がれる満月の日に種蒔きをしたり、堆肥を与えたりします。また、化学肥料や農薬は使わず、その土地で飼われている牛の排泄物など、天然成分を調合した肥料を使うことで、大地の力を引き出します。