トマトからキャベツ、ニンジン、ホウレン草、玉ねぎまで。今月は、国産のドライベジタブル自体が調味料になってしまう、“まるごと野菜”なパエリアをご紹介。“魔法のお塩”で、カンタンに、彩り鮮やかなご飯の完成です!
使用食器:森修焼 ハートボウル
<材料> 2~3人分
・アサクラ オルチョサンニータ
オリーブオイル…50cc
・パプリカ(乱切り)…1個分
・にんにく(薄切り)…1片分
・白米…1合
——– A ——–
・茹でたけのこ(薄切り)…100g
・天草産塩蔵茎わかめ(1cm幅にカットして塩抜きしておく)…約15cm分
・魔法のお塩 トマトハーブ…1袋
・アサクラ 野生のオレガノ…少々
・水またはお好みのブイヨン…350cc
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・アスパラガス…5本
<つくり方>調理時間:60分
① 直径20cmのパエリア鍋、もしくはフライパンにオリーブオイルを熱し、パプリカの皮がかなりこんがり焦げるくらいまで中火で焼き付ける。(これがポイント!)
②にんにくと白米を加えて混ぜ、3分ほどよく炒める。(A)を加えたら混ぜ、たけのこをきれいに並べ、煮立ったら蓋をして、弱火で約20分加熱する。
③アスパラガスを並べたら火を止め、蓋をして10分蒸らせば完成。
*②で、お好みでターメリックを小さじ1/2加えると色味と香りがUP!
時短料理からの脱出
大きな声では言えませんが、昨年から続くさまざまな変革は、家庭料理の世界にはよい影響を与えている部分があります。自炊や外食、親の手料理にマンネリを感じていたミレニアル世代・Z世代が、料理スキルを気にせず、チャレンジをはじめたからです。しかもSNSでコミュニケーションしながら! 彼らが生み出しつつある活気がとても眩しくて、つい真似してしまうワタシは、バブル世代の51歳(笑)。
子育て中のゆとり世代は『お洒落で丁寧な暮らし』の潮流がゆったり流れていただけに、「#バズりごはん」というよりは、じっくりコトコト煮込む料理や、発酵をキーワードに味噌や塩麹などの保存食作りが必須アイテムとして定着しつつあり頼もしい。そして上手に加工品を取り入れた時短料理やミールキットの利用で、みずからをキッチンから解放し、しっかり家族と向き合う方法も選んでいる様子。
皆さんどうでしょう? 喜ばしいのは時短料理と手をかけたお料理と、双方の価値が理解されたことだと思いませんか?
今後、食のIT革命『フードテック』がますます活用されてゆくなかで、日本の伝統調味料、食材を使ったお料理は、日頃が時短だからこそ手をかけることの大切さや価値を教えてくれます。そして当然、味も深みがあって満足感のあるものになります。
時短料理のよしあしは別にして、当然、時短の味です。しかし手間暇かけた日本の発酵調味料や安心食材の加工品を主軸に置くことで、調理時間は時短でも“ほっとする味”になります。
人間の味覚とは目に見えない世界の情報を受け取る副産物なのかもしれません。
最近になってキッチンに立つようになった長男24歳(昨年失業し、現在ニート。笑)は、カノジョの家に醤油と味噌、油を持ち込んでいるらしい。わが家でもニートの言い訳にと、度々夕食をふるまってくれる。伝統調味料で手作りしたドレッシングのキャベツサラダが、なかなかおいしいではないか!! キャベツの千切りも上手になったもんだと、目を細めたのも束の間……。
プラごみ分別箱に残されていたのは、大手スーパーの「カット野菜」の包材だった!