プレパパの具体的な準備
前号を受け、「産後パパ育休」について職場に確認してくださった、生まれる前の子がいるお父さん(プレパパ)はいらっしゃいますでしょうか。育休を申し出たら上司に意識の低いことをいわれた、なんて場合は、社会的に認められないのは上司のほう。がんばって話し合ってください。
このコーナーを読んでいるのが妊婦さんであれば、自分のパートナーが制度変更に気づいているかを確認してください。今から動けば、女性の産休に当たる育休と、その後の育休の2種類を、間に勤務日を設けることもできる、取りやすい形で取得できます。自由度が上がる制度ですが、男性が自力で気づけるほど浸透していないかもしれない。パートナーが知って動いているか、確かめてみてくださいね。
このように、育休という時間をきちんと確保するのがプレパパにしかできない具体的な準備の一つ。ほかに絶対必要な準備というと、前々号に両親の話し合い要項として書いた、家事力をマックスまであげておくことです。
家事力のない夫が育休で家にいると、ママにとってもお手伝いの人にとっても、仕事が増えるだけで、大変迷惑です。パパの自由時間を増やすために育休があるわけではなく、子どもを育てるための時間なのですから、家事力の足りないプレパパは、妊娠中から家事に励んで! 妊婦さんが休む時間も作れ、一石二鳥です。
泣きやまなくても抱くものですが
例えば料理だと「作りたい、食べたいものを検索し、材料を買ってきてレシピ動画などを見ながら作る」のではなく、「レシピを見ないであるものから作る」能力が必要になります。「安くて栄養価の高い旬のもの」での「乳腺に負担のない食事」作りです。
プレマの中川社長は、お子さんが5人いて、常に忙しく働いてらっしゃいましたが、家族のために料理を作っていた時期があるそうです。寸胴鍋にゴーンと煮物や汁物的なものを作って置いてきた、という話を聞いて、それは羨ましい……と思ったものです。そういう汁けのある大鍋料理は、産後すぐの食事にも向いています。授乳中は水分が必要ですから、食品から水分が摂れるのはいいことですし、野菜たっぷりの作り置きは、授乳の隙間時間に食べる身にもありがたいです。
だったら豚汁でも!と思う夫が仮にいたとすると、肉の脂を受け入れられるかどうかは、産婦さんのコンディションによります。産後は母乳の関係で、動物性食品と油を控えたほうがいい人も少なからずいて、乳腺が詰まり乳腺炎で高熱を出す人も本当に多いので、事前に「母乳によい食べ物」について、リサーチする必要があります。
そしてプレパパに必要な具体的準備の最後に、抱っこの予行演習をあげておきますね。最初慣れないのはみんな同じです。妊娠中に、どこかで経験して、ハードルを下げておきましょう。
でもどうせ母親が来るまでなかなか泣き止まないなら抱いてあやさなくても、と思うお父さんが、寝たきりの小さい赤ちゃんをあやすには、柔らかいヨーヨー的なおもちゃが便利です。赤ちゃんに絶対手渡さない、舐めさせない前提で、派手な色で、突起物とゴム紐がついていて、手のひらで打って弾ませるスライムボール状のヨーヨーを、子どもの視界で弾ませると、泣き止み率が高いです! 目に配慮して、光らないやつを選んでくださいね。