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楽だから自然なお産~高齢出産編~

出産・子育て・介護家族と向き合ういろんなお話

一般社団法人
日本マクロヘルス協会
理事

望月 索 (もちづき さく)

人一倍不摂生な出版仕事人が37 歳、40 歳、44 歳で出産、育児の経験も積み、健やかな暮らしについて学び合う協会の設立メンバーに。
編集、ライター、一般社団法人日本マクロヘルス協会理事。編著に『子どもを守る自然な手当て』、訳書に『親子で楽しむ!おむつなし育児』、『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』。
http://macro-health.org

一番のお宝がやってくる Vol.8

投稿日:

かつての父がリバイバル

出産一時金の増額がニュースになっています。もちろん増額したほうがいいと思いますが、入り口だけ変えても追いつかないというか、扶養控除を充実させたり、児童手当を拡充したり、教育にかかるお金を限りなく減らしたりするほうが少子化対策には効果あるんじゃないかな?と思うのは、きっと私だけではないはずです。

そんななかでも世の中が進んでよかったなと思えたのが、男性も産休と育休がとりやすくなる法改正。現状、個人的には、普及の温度差(格差?)が気になります。職場で困っている人に気づいた人は、気づけるだけの知識を持っているので、必要そうな人を、ぜひ応援してあげてください。

一方、冗談のようですが、男性間で競争が生まれているとの話も聞きました。自分はどれくらい育休を取ったとか、取る予定だとか、該当者が周囲に自慢する局面が生まれているのだとか。新しい行動は誤解をはらみやすいので、聞きなれない話がそう聞こえただけなのかもしれませんが、競争の材料にはしないほうがいいと感じますね。競争にしてしまえる時点で、その男性は、パートナーと子どものほうを向いていない印象です。

父親の自己満足度の高い産休と育休は、本人が思うほどパートナーには響かないかもしれません。すると、男性が期待するほどの評価や効果は、家庭内で生まれないこともあります。

そういう場合に、自分はこんなにやっているのに!と思うとすると、自分はこんなに家族のために働いている!と家に帰ってこなかった父親の、時代を経た別バージョンだと思えませんか。産休も育休も、一番に家族のほうを向いて、パートナーとの話し合いのうえで、子どもを育てるのにできるだけ効率が良く、夫婦の結束が強まる形で取ろうとしてくださいね。夫の職場の前例よりも妻子の環境と、二人の子育て観によるものだと思います。

普遍的そして個人的

つい最近、若い友人が3人目を産みました。彼女が言っていたのが、2人目までは何度も、「子どもが小さいときに夫に抱いた不満や恨みは簡単に消えない」と私が言ったことを思い出し、夫に伝えてきた。3人目でやっと本当にいい感じに追いついてきました。といった内容でした。

私も実は、何度も思い出している先輩ママたちの言葉があります。どちらも第一子のとき。「日本の男性は甘えすぎているからね」。そして「すごくよくやっているといわれるお父さんでもまったく足りないから、うちなんて全然」という言葉です。どちらも聞いたときは、そこまで理解できなかったです。

それらの言葉が出た背景には、男性の長時間労働と、産休と育休が取りづらい環境があるので、今はそのころよりはもっと、「チームになれる」はず?

これもまたつい最近、ワンオペ育児に疲弊した妻への専門家のアドバイスに心が痛みました。修行と思ってひたすらまず夫の話を聞く。話を聞き、夫の言うことを肯定し、共感し、夫が満たされたところで、自分の目的を伝えれば、聞く耳を持つ夫は週末に数時間、育児に協力してくれる。という内容です。そこまで修行じゃない関係がいいと思うんです。いろんなところで結局同じ結論に行きつきます。妊娠中のまだ余裕があるときに、話し合い、手分けする習慣をつくってください。幸せになる、一番コスパのいい方法だと思います。

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一番のお宝がやってくる Vol.8

- 楽だから自然なお産~高齢出産編~ - 2023年1月発刊 vol.184

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