波乱の時代は、いつなにが起きるかわかりません。判断を誤ると大変なことにもなりかねません。食事を正しくすることで、判断力を高めるのがマクロビオティックの考え方ですが、植物であろうと動物であろうと、食べ物はいのちでできていると捉えます。
口にするものは、そもそもいのちあるものなのです。いのちといのちが合わさると相乗効果が起きます。つまり、一足す一は二以上になるのです。二は双とも書きます。二ではないことを「無双」といいます。無双とは、二であって二ではないという意味です。マクロビオティックとは、原理原則である無双原理の考え方と、桜沢思想である「宇宙の秩序」の両輪から作られた東洋哲学であり、この発想が欠落するとただの健康法になります。弁証法的考え方でマクロビオティックを創始した桜沢如一は、先に世界にこの考え方を広めたので、世界中からジョージ・オーサワと呼ばれることになります。
あくまでもいのちといのちの関係性が大切であり、原理なき思想性が、判断力を大きく曇らせることを肝に銘じて食を選択することが肝心です。目に見えない世界が、目に見える世界を生み出す。絶対と相対の関係性を踏まえたうえで、食を捉えると世界が違って見えてきます。脳で思考するだけでは見えてこないことも、食を変えて実践することで、体全体の細胞で判断できるようになります。これを「愛」とも「仁」とも呼びます。
今回の新型コロナ騒動でも証明されたことですが、毎日の食事の積み上げが、自分や家族の健康状態を決定づけます。つまり、台所にある食材が、健康を決めるということです。免疫力はご自身の食生活が決めるのです。台所にある食材のいのちといのちは、合わさることで、身体にとって大きな支えとなります。頼るべきは我に内在する力であって、外部に頼るべきではないのです。
最強のタッグ「小豆と昆布」
プレマシャンティ・キッチンメディスンシリーズの新しい仲間を紹介します。北海道の小豆と昆布を炊いた、塩味の煮ものです。食養の世界では、小豆と昆布の組み合わせが重宝されます。小豆については、昔から毎月1日と、15日に小豆を食べる習慣がありました。加えて、おめでたいときには赤飯を炊いたり、紅白饅頭が出たりして、昔から小豆を日常的に食べる習慣がありました。また昆布は、だしとしても有名ですが、精根尽きるという言葉もあるように、人間は根気が衰えぬようにと「こん」がつく、「れんこん」「だいこん」「こんにゃく」、などを生活習慣に取り込んできました。「こんぶ」もその一つと称されてきたように、栄養素に矮小化されない大きなエネルギーを秘めています。この素材のふたつの相乗効果ははかり知ることができません。素材はシンプルに小豆と昆布と塩のみ。味付けは塩のみです。小豆は、近年、貴重な存在になりつつある、北海道産の小豆を使いました。生命の源である海のなかの昆布と合わせて、カラダを整えてくれます。そのまま温めるだけで食することもできますが、柔らかく炊いたかぼちゃを入れると惣菜の一品にもなります。このシンプルな味のなかに、陰と陽、海と山のエネルギーが見事に合わさって、整えてくれるのです。忙しい毎日のなかで、プラントベースを続ける一助として、とても便利になっています。気分が行き詰ったときや、調子がおかしくなりそうなときに、常備しておくととても便利です。新時代は、誰と組むかが問われます。毎日の食を正すことで、判断力を研ぎ澄ましておきましょう。