質問: 2歳9ヶ月の男の子の母です。トイレトレーニングだけは失敗したくないと、先輩ママや助産師さんたちの話を聞いたり、1歳になる前からおまるに坐らせたりして、結構うまくいっていました。今はおむつをはかせないで遊ばせているとおまるで上手にできるのですが、外出時などにおむつをはかせると、おしっこでもうんちでも「していない」と何時間でも抵抗して、しっかり汚れています。せっかくいいところまでいったのですが、なんとかする方法はないでしょうか。 (滋賀県 M様) |
答え: 悩ましいですね~ 私のところにもおねしょの相談などはよくいただくのですが、せっかくなのでこのご質問にお答えするのにぴったりなひとをご紹介したいと思います。先日からプレマ原宿オフィスの仲間になった、望月さんです。 望月さんは「おむつなし育児」についての訳書を出版されています。本の紹介も含めて、望月さんから回答していただきます! ********************** ご紹介にあずかりました望月です。末席に名を連ねたばかりで恐縮ですが、よろしくお願いいたします! まず最初に「おむつなし育児」について触れさせていただきますね。 例えば、おっぱいやねんねの時間は、赤ちゃん(子ども)との大事なコミュニケーションタイムであると、よくいわれています。同様に、おしっこ・うんちのときに赤ちゃん(子ども)とのコミュニケーションをはかるのが「おむつなし育児」です。「おむつなし」といっても、おむつも使います。ただ排泄は、食事や睡眠と同じく生に必須の行為ですから、おむつなし育児をおこなうことで親子のきずなは増し、結果としておむつが早くはずれます。本来は昔の日本をふくめ、世界中でみられる伝統的な育児法ですが、それを現代のライフスタイルにあわせてわかりやすくまとめたのが下記の本。作者はアメリカのおむつなし育児の第一人者です。 さて、ご相談の2歳9ヶ月のお子さん、しかも男の子とくれば、おまるに坐ってられないくらい元気な年ごろですね。じっとしてないからおまるに坐らなくて大変、といったお母さんの話も、実際よく耳にします。でもさすが、ご相談のお子さんは、小さなころから排泄に気を配ってこられた甲斐があったのだと思います。もう立派におむつを「卒業」されてるんですから。 そう、お子さんは、もうおむつを卒業してるんです。下記の本では、「卒業」は4つのレベルに分けられています。時には赤ちゃんが「卒業」することもあるので、話がややこしくならないようにとの配慮なんですね。その定義によると、 ★レベル1 母親が手伝えば、かなり確実にそそうしない。 ご相談の息子さんは、レベル2の卒業段階にいらっしゃるのではないでしょうか。おしりをひとりできれいにふける年齢ではありませんから、レベル4の卒業は難しいと思います。レベル3になってくれたらうれしい……けども、相手は2歳児です。ご機嫌によってはわざとおもらしもすれば、たまにはパンツに出してみるか! と突然余計な実験を始めてみたり、レベル3のつもりが裏切られることもままありそうです。レベル2まで達していれば、立派に卒業ですよ! といってしまって問題ないと思います。 とはいえ、母としては、あと一押しをなんとかしたいですよね。もしもに備えたおむつを汚さなくなったら、安心しておむつなしで外出できますから。 でもここでお子さんの立場から想像してみるに、お子さんの人生の大半は、おむつをトイレがわりに使いなさいと勧められる、おむつトレーニングに費やされてきたともいえるんです。今になって急に、ずっとトイレがわりに使ってきたおむつの中で、おしっこ・うんちしちゃいけないなんて、納得できないよ! と、自己主張のある2歳児が、子どもなりの理屈で考えるのもしょうがないことかもしれません。 そのおむつはもうトイレではないのだと言い聞かせるもよし、じゃあパンツで外出してみるから誘ったらしたくなくても必ずトイレに行ってよね! などと言い含めてみるのもよし。いずれにせよ、お子さんはもう排泄のしつけがすんでいますから、レベル3の卒業をむかえる日はそう遠くないはずです。最後のおっぱいが名残惜しいように、排泄コミュニケーションの有終を、ぜひ心ゆくまで楽しんでくださいね!
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