私は波動製品のメーカーをやっています。このように名乗っているのは、日本で私だけだと思います。
「波動」という言葉を聞くだけでアヤシイ、と考える方も多いのではないでしょうか。確かにアヤシイ製品が多いです。モノであればいいほうで、手ぶらで「波動を変える」とか「エネルギーを変える」、さらには「遠隔でおこなう」などという人もいます。たしかに「波動」を操作する道具や人がいないわけではありません。しかし、本当にそれを操っているのかを見抜くためには多くの知識が必要です。
古来、日本では神託を受ける際には審神者という人を必要としました。審神者の役割は重要で、降りた神が正神なのか邪神なのか、お告げが神々の歴史上の観点から妥当なものなのかを評価します。そのためには深い知識を必要とします。同様にこのコラムでは、波動というものが実際に機能しているさまざまなシーンを基本として、私の経験をみなさんと共有していきたいと思います。
今の世の中は、「一週間でわかる」とか「素人にもわかるように説明できないことは本人もわかっていない」といった複雑な知識を軽んじる風潮があります。本当でしょうか? 高校生のころに学んだはずの微分・積分がそんなに簡単な話だったでしょうか? 複雑な知識の取得には多少時間がかかるものです。
私がなぜ波動の世界に興味を持ったのか、その理由を記して、第一回目を終わりたいと思います。私は40年以上、コンピューターエンジニアをやっていて、ゴリゴリの論理の世界に身を置いてきました。1988年に阿久津淳著の『マージナル・サイエンティスト』という本が出版されました。私はたまたまその本を読み、科学の本流でない研究者達に感銘を受けました。わからないことを研究することこそが科学的態度であり、科学で証明されていないと一蹴することは、科学教という宗教だと考えています。
この本のなかで「ラジオニクス装置に畑の写真を載せることで、害虫を駆除できた」という電気技術者のヒエロニムスの装置の伝説に触れられています。私は「なぜ、そのようなことが可能だったのか? それは事実か?」を知りたいと思いました。当時はインターネットのない時代ですから、マニアックな些末な情報を得ることは極めて困難でした。阿久津氏も科学の素養がある人ではなかったので、断片的な伝説を掲載しただけです。私は機械の構造などを知りたいために、BorderLand Sciences Research Foundationに郵便小為替を送り、資料を入手したこともありました。そこでラジオニクスの黎明期の機器の構造や関係した人が書き残した資料を入手することができました。現在はラジオニクスについても、そのなかの一種であるヒエロニムスの装置の詳細についても、インターネットを使っていくらでも細かく知ることができ、購入すらできます。私もインターネットのおかげで、ラジオニクス装置に限らず波動を扱う装置が世界でどのように進化し、考えられているかを知ることもできました。その一例をあげると、マルコム・ラエという人はラジオニクス装置でホメオパシーを作りました。
さて、20世紀初頭に、ラジオニクス装置を改良したヒエロニムスマシンの発明者のヒエロニムスは、エロプティックエネルギーというものを発見したと考えていました。しかし、現在はこのような「エネルギー」は人類の歴史で見え隠れしていて、さまざまな名前をつけられてきたものだと考えられています。プラーナや氣、オルゴン、エネルギー場、バイオエネルギー、波動などです。しかし、曖昧ではあります。
このコラムでは、いろいろな波動の使われ方について共有したいと思います。
※すべての物質が特有の未知の波動を発しているという考えに基づき、生体エネルギーや波動を操作することで治療をおこなう機器や理論、または療法のこと