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オルタナティブファーム宮古

自然の恵みいっぱいの宮古島から農業や商品開発するなかで感じたこと気づいたこと

オルタナティブ
ファーム宮古 代表

松本 克也 (まつもと かつや)

自動車メーカーなど14 年の研究職を離れ、2012 年5月に家族4人で宮古島に移住。
約1万平米の畑で主に有機サトウキビを栽培し、黒糖蜜やキビ砂糖などの加工品を製造。
畑で黒糖作りが体験できるプログラムも準備中。
その他、有機バナナの栽培、未完熟マンゴーの発酵飲料の製造に携わる。

【Vol.71】草の声

投稿日:

 今回は、『執筆4回目にして、こんな話題を提供してしまって大丈夫かな?』と心配しながらのお話です。
 『植物と会話をすることができる』とか『植物の声が聞ける』という話を聞いても、今までは『そんなこともあるかな』というぐらいに思っていましたが、最近はむしろ、『植物の声を聞けない方がおかしいんじゃないか?』
と思うようになってきています。もしかすると、『亜熱帯気候・炎天下の畑作業で頭がやられてしまったのではないか?』と心配されるかもしれないですが、多分まだ大丈夫です(笑)。

コミュニケーション成立の前提はハート
 言葉を話さなくてもコミュニケーションが成立することは、育児経験のある方は皆知っています。育児は、表情や手足の動き・泣き方など、赤ちゃんの様子をよく見て、お腹が減っていておっぱいを要求しているのか、おむつが濡れて気持ち悪いので交換してほしいと要求しているのか、彼らの要求・主張を見当・判断します。当たっていると、満足の笑顔や安らかな寝顔という形で反応が返ってきますし、外れていたら泣き止まないので、再度言葉を越えたコミュニケーションに挑戦します。
 他方、同じ日本語を話す大人同士の会話でも「伝えたつもり/聞いていない」という誤解が生じることは良くあります。この場合、相手は解っている筈と決めつけて丁寧に言葉を尽くしていないか、色眼鏡のかかった自己解釈で相手の真意を理解していないという様なことが考えられます。
 すなわち、コミュニケーションが成立するかどうかは、互いに心を通わせているかどうかで決まる、ということだと思います。

草の声を聞いてしまった
 恐らく普通に肯いてもらえる前置きを踏んだので(笑)、本題に入ります。

割とはっきりと植物の声を聞いたのは、勿論、宮古島に来てから初めての体験ですが、3月から6月までの間で4回あります。共通点は、一人で除草作業をやっている時に雑草の声を聞いたことです。

★1回目は裏庭の畑で、「気まぐれに雑草引きなんてしちゃってサー」というような冷やかしを受けてしまって、思わず苦笑してしまいました(笑)。
というのも、その頃は雑草引きをやりきらずに、時間的にも場所的にもムラがあった私の行動を見透かした言葉だったからです。

★2回目は高千穂の野菜畑で、雑草を残すべきか引くべきか、長く迷いがあって(*)、「勉強させてもらっています。」と心の中でつぶやきながら除草作業をしていた所、「(あなたには勉強かもしれないけど)こっちは命がかかっているんだよ。」っていう、怒りか諦めか悟りかわからない、ただそんな感じの声が届きました。「指摘はもっともで申し訳ない。もう少し勉強を積んだら、どちらの選択をするにせよ迷いなくいかせてもらう。」と伝えました。

(*)【1】地表面を被うカバークロップとして保水のため、【2】微生物の共生圏として土作りのために雑草を残すか?或いは【1】野菜の成長を阻害する因子を排除する促進するため、【2】害虫被害のリスクを抑えるために雑草を引くか?迷いながら作業をしていました。

★3回目は高千穂のサトウキビ(以下、キビ)畑です。イネ科の雑草を引いて、キビの足下に敷いていた時、「俺がお前(キビ)の身代わりになってやる(俺が命を絶たれることでお前(キビ)の成長を支えてやる)。」―イネ科の雑草がキビにそう言っているのがわかりました。僕がやっている行為(栽培管理)は、選択的にあるものの命を奪い、また別のものの成長を促そうとする身勝手・高慢な行為のように感じさせられました。

★4回目は同じく高千穂のキビ畑です。徹底除草して所謂綺麗な状態を保ちつつ、(カバークロップとしてのマルチ効果を失う分の)保水は灌水管理することを決め、迷いなく除草をしていた時、「どっちが先に音を上げるか、勝負だね。」という声を聞いて、「僕だって負けられへんわ。申し訳ないけど、徹底的に抑えさせてもらう。」って思った瞬間、瞬殺の返信を受けました。「どれだけの期間で考えている?あなたは生涯この畑を雑草がない状態に維持できるのか?」僕はまずは次期作付けまでの超短期戦を考えていましたが、その程度で勝ち負け決めるなど鼻で笑われたように感じました。

 草の声が聞こえる時は、ジャズのセッションを楽しんでいるような感じです。様々の生命と心を通わせるつもりで、これからもがんばってみたいと思っています。

松本克也

松本克也氏
プレマ宮古島プロジェクトリーダー(兼農業生産法人(株)オルタナティブファーム宮古代表取締役)
2012年4月まで自動車会社に勤務。車体製造の接合技術開発に心血を注ぎ、エンジニア一筋の人生を送る。2011年12月にもともとプレマファンだった姉から「プレマ・宮古島プロジェクトの発足とスタッフ募集」のメルマガ情報を聞いて『これだ!』と直感し、転職を決意。そこからはとんとん拍子に事が進み、家族で宮古島に移住。今ではすっかり都人(実は京都出身)ならぬ宮古人になりました。

プレマ株式会社の『宮古島プロジェクト
宮古島の自然農法を推進し、島の健全な地下水と珊瑚礁を守り、お客様に安心と安全を届けます。

- オルタナティブファーム宮古 - 2013年8月発刊 Vol.71

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