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オディの農業日記

羽鹿 秀仁 (はじかひでひと)

サラリーマン、経営コンサルタント、青年海外協力隊の隊員として中米のニカラグア、パナマで5年間活動後、ネットワーク『地球村』というNPO団体のスタッフとしてアフガニスタン支援に3年関わり、2006年から三重県名張市赤目で農薬を使わない農業を始める。

【Vol.20】オディの農業日記 第13回

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【春が来た】

少しずつ暖かい日が増えてきていますが、いかがお過ごしでしょうか?

春の足音が聞こえだして、農作業も少しずつ忙しくなってきます。

春野菜の種まき、夏野菜の苗作り、ジャガイモの植え付け、秋に植えたえんどう豆の支柱作り等々。冬の間ののんびりムードとは一転して忙しい日が続きます。

4月に入るとお米の苗作りがスタートします。

田んぼの一角を区切って、水を引き込んで、よく耕していきます。どろどろの羊羹状になったらその上に種籾を撒いて行きます。鳥に食べられないようにネットをかけて完成。

とはいえ発芽や苗の成長状況や気温、乾燥具合でこまめに水の調整が必要です。時には水を完全に切って、日光で温め、地中の水分を取るために根を伸ばすように刺激を与えます。

いい苗を作ることがお米のできを大きく左右するので、この期間は気を抜けません。こちらでお米作りを教えてもらっているIさんにいろいろと教えてもらいながら毎年少しずつ技術を磨いています。

お米作りは年に1度しかできず、毎年条件が変わっていくので、苗作りも一度にうまくなることはできません。Iさんもかなりご高齢なので後、どのくらい教えてもらえるかわかりませんが、できる限りのことを吸収していきたいと思っています。

今、IT時代・国際化時代ということで昔の人の知恵を教えてもらうことはほとんどなくなっていますが、これは私たちに、どんな影響を及ぼしてくるのでしょうか?

先人の知恵や経験、そして年配の方(人生の先輩)から教えてもらうという体験、こうしたことには本やインターネットで得る知識以上のものがあると思います。知識や生活の断絶と新しいテクノロジーに乗り遅れるのではないかという恐怖感。生きるために本当に必要な知識や経験がどんどん失われ、その結果もたらされる地に足の付いていないような不安感。

まず、自分からその問題を見直して行きたいと思います。

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- オディの農業日記 - 2009年4月発刊 Vol.20

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