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隊長が行く!

【Vol.40】食べないことがもたらす大いなる健康

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山田豊文先生  「日本は予防医学という概念がない国です」。
 崖の上に立つ人を、崖下で救急車を用意して待つのが現代医学。落ちる危険性が高いのに、どうすればよいかは教えない…と続けるのは、杏林予防医学研究所の山田豊文先生。
 野菜ジュースを用いた栄養療法で病を克服した経験を機に、ライナス・ポーリング博士の提唱する分子整合医学を学び、1985年にはそれをもとにした「山田式健康学」の普及を目指して同研究所を設立。特に、独自の断食プログラムは、多くの著名人や一流アスリートからも支持されています。
 本来あるべき医学や栄養学を発展させた健康観を啓蒙し続けることで、日本全体を真の健康社会へと導く山田先生から、現代人が気付くべき健康の秘訣をご紹介いただきます。


本来あるべき健康観

 動脈硬化も骨粗鬆症も、全ての病気は「代謝異常」に起因します。ありとあらゆる生命活動は、全身60兆個の細胞ひとつひとつで行われています。そして、その生命活動の全てが、食べたものから得た栄養素を体用の成分に作り替えることで成り立っています。この作り替えが「代謝」です。つまり、数々の栄養素を正しく摂取・利用できていないために代謝がスムーズに行われず、生命活動に支障をきたしてしまうのです。

 このように、老化や病気のメカニズムには「食」が密接に関与していますが、医療現場では食の改善や代謝異常の解決に目が向けられることはなく、ただひたすら症状を押さえ込むことばかりに執着しています。これではいつまでたっても正しい生命活動を取り戻せません。

 食ほど重要で、かつ油断ならないものはありません。私の著書を読んで頂ければ、同じ油でも「人を生かす油」と「人を殺す油」があることや、牛乳や乳製品が毎日の食事から追い出すべきものであること、「好き嫌いなくバランスよく食べる」という一般常識が間違った食事を生み出していることなどが、よく理解できるはずです。

有害物質に囲まれて暮らす現代人

 また、代謝異常の原因は栄養だけにとどまりません。水銀や鉛、ヒ素といった有害重金属、PCBやダイオキシンなどの化学物質、それに農薬など、私たちは無数の有害物質に囲まれて日々の生活を送っています。しかもその大半が、毎日の食事を通じて体内に入り込み、細胞の機能を阻害しているのです。

 環境省が今年度から開始した大規模調査では、妊婦が取り込んだ有害物質が胎児及び誕生後の乳幼児に及ぼす悪影響について、10年以上の歳月をかけて調べられます。子供は大人と違って「脆弱性の窓」が大きく開いています。つまり、有害物質に対する体内の防御システムが未完成であり、大人以上に深刻な悪影響を受けやすいのです。

 しかし、「あなたの食べたものが赤ちゃんに影響しますよ」と妊婦にいくら忠告したところで、有害物質と無縁の生活を送ることは、もはや不可能です。では、もうあきらめるしかないのでしょうか?

 安心して下さい。私たちには「食べるのをやめる」という、とっておきの手段があります。

山田式ミネラルファスティングとは

 ここで、石炭ストーブや暖炉を思い浮かべて下さい。早く暖をとりたいがために、石炭や薪などの燃料をむやみやたらと放り込むだけでは、火の勢いは一向に強まりません。また、灰や燃えかすがたまっていたり、煙突がススだらけであったりしても、ストーブや暖炉はくすぶるばかりで、いつまでたっても部屋を暖めてはくれないことでしょう。

 そんなときに皆さんはどうするでしょうか? 石炭や薪をいったん取り出して、中の灰や燃えかすを掃除し、煙突のススも取り払ってから、一度にたくさんではなく少しずつ燃料をくべていくはずです。こうすれば燃料は効率よく燃えて、快適な暖かさが得られます。

 私たちの体もストーブや暖炉と全く同じです。単に燃料(食べ物)を詰め込んでもきちんと働きません。また、毎日の生活の中で、無意識のうちに灰や燃えかす(老廃物)、スス(有害物質)などが蓄積し、火の勢い(細胞の機能)は万全とは程遠い状態になっています。部分的には不完全燃焼(代謝異常)を起こしているかもしれません。

 要するに、燃料の補給を一時的にストップ(断食)し、定期的に掃除(解毒・排泄)を行った上で、適量の燃料と十分な通気(正しい食事)を確保してやれば、火は盛んに燃えてくれる=生命活動が活性化する、というわけです。

 その最適な方法が、ミネラルをはじめとする、体のメンテナンスに不可欠な成分を豊富に含んだ独自のジュースを用いた断食法「山田式ミネラルファスティング」です。妊娠を計画している女性はもちろんのこと、有害物質と間違った食事で自らの才能を存分に発揮できていない全ての現代人に、この断食法をおすすめします。妊娠の暁には賢く元気な子供が産まれ、ふと気付けば、仕事に趣味に、これまでよりも豊かな人生を歩んでいる自分がいることに驚くことでしょう。

最後に…健康に生きるために

 私たちはもともと、病気にならずに天寿を全うするための数々の遺伝子を持っています。現代人の多くはそれに気付かず眠らせたままにしてしまっていますが、断食はそれを活性化させるパワーをも秘めています。

 生きるとは素晴らしいことです。いま生きているということは、私たちが今の時代の主役なのだということです。この時代に人間として生を受けたことに感謝して、大いに有意義な人生を送りたいものです。

 釈迦は「病ならば食を断つべし」と説き、イエスキリストも「祈りと断食で治しなさい」と教えました。また釈迦は、無病が大事、そして足るを知ることが大事であるとも言っています。感謝という大切なことを忘れてしまった現代人は、今こそ原点に立ち返る必要があります。食べるとはすなわち、他の生物の命を頂いて生きているわけですから。

 それを改めて思い出す上でも、現代人は誰しも「食べるために食べない」ことを習慣付けるべきです。

杏林予防医学研究所
http://www.kyorin-yobou.com/

- 隊長が行く! - 2010年12月発刊 Vol.40

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