世界のお散歩

【vol.40】自然療法は世界を救う

 病気は世界共通です。そして自然療法もまたしかり。東洋医学や薬草、薬膳。日本に自然療法の知恵がたくさんつまっているのと同様、世界各国にも古くからその土地に継承されてきた叡智があります。

 モザンビークでは西洋から入ってくる現代薬が極端に不足しています。田舎では特に病院や診療所の数も少なく、薬が全くないことも珍しいことではありません。一方で、人々はというと即効性のある薬をとても頼りにしています。

 西洋のある団体がモザンビークをはじめアフリカ各国に渡り、身の回りの植物や原材料だけを使って簡単に作れる天然薬の作り方を人々に教えています。病院や薬が周りになくても、自分たちの力である程度の病気や怪我に対応できるようにするのが目的です。驚いたことに、その起源はアフリカの各土地に古くから伝わる先人の知恵をもとにしているのです。欧米人が普及活動を行っていたのでてっきり西洋からの持ち込みかと思っていたのですが、その土地の植物や伝統を尊重しているのはすばらしいと思いました。

 さらに興味深いのは、西洋や東洋の叡智もそこにミックスしている点です。『アルテミジア』という中国のハーブがあります。乾燥させてお茶として日常的に取ると、体調を整える効果がありますが、マラリアという蚊を媒体にする熱帯特有の病気にも効果があります。アルテミジアは温暖な気候に適していますが、モザンビークの厳しい気候にも耐えうるように品種改良をして熱帯の地に取り入れ人々の命を救っています。

 即効性のある現代薬が気軽に手に入る私たちの生活。豊かな日本で生活しているとひときわ、人間も自然の創造物であること、自然に生かされているというありがたさがどんどん薄れていくような気がします。身近な自然療法を生活に取り入れると、自分や周りの人、ひいては世界まで変えることができるのではと信じています。

【vol.39】ペドラ・サンタ ~聖なる石~

 私の住んでいたイトクロというモザンビーク北部ナンプーラ県の地域には、ペドラ・サンタ(聖なる石)という聖地があります。名前の通り、神聖なる石が祀られています。誰にとっての聖地かというと、それは呪術や薬草などで病気を治したりする伝統治療者。なんでもこの聖地にはモザンビーク中の伝統治療者が集うそうです。もちろん旅行ガイド本にも載っていない穴場スポットです。

 人里離れた奥地にあり、うっそうと茂った森の中に大きな岩の山がそびえ立っています。その前は小さな広場になっていて、そこで伝統治療者たちが儀式を行ったりします。私が訪れた時もちょうど伝統治療者にとっての特別な期間だったようで、たくさんの伝統治療者たちがそれぞれの衣装を身にまとい、音楽や踊りによる儀式を行っていました。

 私の友人がカメラを取り出し撮影すると、すかさず撮影を制する声。
「ここは神聖な場所だから何も写らない。写真は撮るな。」そのため画像の記録が手元に残っていませんが、鮮明に記憶に残っているのは日本のお祭りに似た雰囲気。白いテントがいくつも張り出され、さまざまな形をした鉾のようなものが立っています。ジャンベというアフリカ独特の太鼓のリズムに合わせて踊り歌う人々。日常とはかけ離れた異質な雰囲気の中に感じる親近感。

 そこには自然の大いなる力を崇め奉る人々の姿がありました。文化も価値観もまったく異なる人々を目の前に、親近感を覚えるのはなぜだろうと不思議な気持ちでいっぱいでしたが、今振り返ると自然の力を前に私たち人は平等であり、感謝と畏怖の念を示すという行為はどの文化でも本質的に共通しているからだと思います。

 ペドラ・サンタを囲む人々に触れることで、日本の文化を改めて振り返るよいきっかけとなりました。みなさんも、身近な文化や習慣に目を向けてみてください。きっと何かしら自然とつながっているのではないでしょうか。

【vol.38】美の感覚

 現代の日本で美しい女性というのは、色白ですらりとした細身・・・善し悪しうんぬんではなく、あくまでも世間一般的にはこのように捉えられていると思います。テレビでよく見かけるタレントさんや女優さんもこのような特徴を持った方が多いですよね。

 一方ヨーロッパでは、夏になると女性は肌を露出して、これでもかというくらい肌をこんがり焼きたがります。「見て、今年はこんなに焼けたのよ」「私の方が焼けてるわね」と競い合う様子は、極力日焼けしないように努力する多くの日本人女性にとって信じられない光景。ヨーロッパの人々からすると、なんで雨が降っていないのに傘を差すの?夏なのになぜ長袖を着ているの?と不思議でならないようです。

 「りえ、太ったね!」とさまざまな友人から言われたのはモザンビークでした。「な、なんですってぇ・・・!」と大きなショックとともに怒りに震える私(笑)。確かにモザンビークでは私の生涯で最大の太りようだったのですが、こうも面と向かって言われるとさすがにショック・・・。後々知ったのですが、モザンビークで「太ってるね!」というのは褒め言葉だとか。気候が厳しく、食べ物も豊富にはない国でふくよかな女性というのは、やはり子宝に恵まれ、健康で丈夫である豊かさの象徴のようです。

 郷に入れば郷に従えということわざ通り、訪れる土地ではできるだけ自分を異文化にチューニングしてみます。例えば食事を手で食べてみたり、普段使わない道具を使ってみたり。すると新しい発見があったり文化をより深く理解できたりしてとてもおもしろい経験ができます。ぜひ海外に行ったり、外国の方と交流するときはその文化に自分をあわせてみてくださいね。きっとあなたの人生を豊かにしてくれること間違いなし!ただし、褒められるがままに私自身がふくよかになって日本に帰国したときは後悔しましたが・・・(笑)