42歳。ユニセフによる2007年のモザンビークの平均寿命です。
日本の平均寿命が80歳を越えているので、わたしたちの半分しか生きられないことになります。こうして日本と比べると、モザンビークの死亡率は高いなぁと思いますが、いまいちデータだけではぴんとこないものです。
わたしがモザンビークに滞在した約6ヶ月半。そのリアリティのない数字が現実のものであると知るには充分すぎる期間でした。
わたしは幸いにもまだ身内の死に直面したことがありません。周囲の友人や知り合いのつながりの中でも、二十数年生きてきた中で誰かに不幸があったのは数えるほどです。
モザンビークに滞在の半年で、10人以上もの知り合いやその家族が尊い命を落としていきました。モザンビーク人の同僚の夫は原因不明の突然死。友人の子どもが交通事故死。死に至ることが少ない下痢やマラリア(蚊を媒介する熱帯病)で命を落とす多数の人々・・・。
死亡率の原因はこれと一概に言えません。道路・交通状態が悪いため交通事故死も目立ちます。また、特に農村部の日常生活においては、病院がすぐ近くになかったり、施設があっても薬や医者がいなかったりします。衛生状態もよくなく、原因不明の病気も多く存在します。医療があったとしても、慢性的な栄養失調により免疫力がなく、治る病も治りません。他にも原因があるでしょう。
日本では命に関わらないような病気でも簡単に命を落としてしまう・・・その過酷な現実を変えるには、医療や社会システムの構築と同時に、人々の生活や意識を手助けする教育も必要です。死亡率の問題に限らず、総合的に取り組んでいかなければ現状は変わりません。
人が生きていく上で必要不可欠な要素を欠いた生活が現実にあってはならないといつも強く思います。なんとかしなければとわたしの想いを激しく駆り立てます。だって、わたしたちはみんな同じ人間であり、いろんな意味でつながっているのですから。