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世界のお散歩

岩本 莉依

【vol.35】モザンビークの医療事情その2

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 今回は引き続きモザンビークならではの医療事情をご紹介します。

 モザンビークには伝統的な治療者が存在します。現代的な医療技術や薬に頼らず、薬草や祈りで治療を行います。非科学的だ、根拠がなく危険だ、という認識から国をあげて排除する動きもありましたが、今は政府も共存の道を模索しています。

 モザンビークにいる医者が国民5万人に1人の割合に対し、伝統治療者は国民5万人に200人存在するという統計があるほど人々にとって身近な存在です。学歴や年齢、都市や農村を問わず今も色濃く人々の生活に根付いています。

 病を治す治療者もいれば、怨恨を病気として人々に与える者もいるとか。私もまさか、と思う体験談をいくつか耳にしました。例えば、中学校で英語の先生をしていたモザンビーク人の友人は英語も上手で生徒からも人気があったため一部の先生からねたまれ、ある日突然目が見えなくなったそうです。その後、彼自身も伝統的な治療を受けることで快復したそうです。

 モザンビークの医療改善には、人々の文化や習慣にあった対策をする必要があると思いました。病院がないからとただ病院や医者を増やしたり、恨みなんて非科学的だと人々の意識を強制したりでは何の解決にもなりません。もちろん医療以外にも言えることです。

 私自身が伝統治療者と関わることがなかったのでここまでの紹介となりますが、伝統治療者という存在から大切なことを学びました。

 私たちはつい自分の持っているフィルターを通して物事をとらえ、判断してしまいがちです。異文化をもつ人に対してだけでなく、身近な人にも同じ事が言えるのではと、はっとしました。自分の視点はわきに置いてニュートラルな状態で相手に寄り添うことで、頭ばかりで理解しているつもりの“異文化や他者への理解”に一歩近づけるのでは・・・と伝統治療者の存在を通して思いました。

経営企画室 岩本 莉依

- 世界のお散歩 - 2010年7月発刊 Vol.35

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