「消費者が動き出すことで今の農業に変革を起こせることを、もっと広く伝えなければ!」と決意新たに燃えるシャンティちゃんが、今回は取材します! |
2月21日に開催したかえる組セミナー「腐る野菜と干からびる野菜~あなたはどちらを選びますか?~」では、日本の農業や農作物の流通に造詣の深い(有)サン・スマイルの松浦氏にお話を伺いました。松浦氏といえば、あの幻の白いんげん「銀手亡」の秋場さんとご縁を繋いでくださった方です。その内容がとても深く心に残りましたので、皆様にご報告します!
「あ~、野菜が腐っちゃった」とごく当たり前のように口にしていますが、そもそも自然界にある植物が自然の中で”腐る”のを見たことはありません。自然界の植物は腐らずに枯れていきます。どうして野菜は腐るのか。こんな実験結果があります。農薬・肥料不使用栽培の野菜、有機栽培の野菜、一般のスーパーで安売りされている野菜の3種類を同じように置いておくとどうなるか。結果は、農薬・肥料不使用栽培の野菜だけが干からびて、あとの2つは腐ったといいます。北海道で57年間、農薬・肥料不使用栽培を行っている秋場農園で栽培されたものも腐らずに干からびます。
では、いつから野菜は”腐る”ようになったのでしょう。先の実験結果から、農薬と肥料を与えたことで野菜が腐るようになったと考えられます。人間は肥料をあげるとたくさん収穫があると知ってから、肥料をやらないで作物を育てると言う観念がなくなっていきました。たくさん収穫するために肥料を与える。肥料に含まれるチッ素を目当てに虫が大量に発生する。農薬を撒いて殺虫する。それを繰り返し行って育った野菜が今は主流です。農薬や肥料を使わない農業をしたいという農家の方もいらっしゃるそうですが、そのために払う犠牲を考えると踏み切れないのが現状。今までに撒いてきた農薬や肥料が土中からなくなるまでは休耕しなくてはなりません。収穫がない間の農家の方の生活を誰も保障してはくれません。また多くの農家の方は、種まきから収穫までの間にどのタイミングで肥料を与え、農薬を撒くかはわかっていても、それを使わずに作物が育つという自信も経験もありません。自然をつぶさに観察しながら、植物たちがすくすく育つよう環境を整えてあげることはとても手間がかかり、生半可な覚悟ではできない大変な作業なのです。
別の視点から日本の食、農業を見てみると、日本の食料自給率はたったの40%で、あとの60%は輸入に頼っているというのが現実です。昨年から今年にかけて、オーストラリアに次いで中国も歴史的な大干ばつに見舞われており、小麦の生産などにも深刻な影響が出ていると報じられています。もし突然に、どこからも穀物が輸入できなくなったとしたら、私たち日本人の60%はどうなるのでしょう。さらに、日本の農業従事者の60%は65歳以上の方ですから、後継者がいなければ今後は40%の自給率さえ危うくなることが想像できます。それなら、新しく農業を始めよう!という人が増えれば問題が解決するのではと考えますが、体制的に新規就農が困難なのが現状だそうです。
その他、遺伝子組み換えやポストハーベストの問題、世界の飢餓と我が国の関係など松浦氏のお話は、あらゆる角度から食や農の諸問題を考えさせられる内容でした。 出口の見つからないトンネルにいるようですが、いま私にできることは、事実を知ったうえで明るい未来を創造できるものを選択すること。そして、少しずつでも事実をお伝えしていくことだと思うのです。
セミナーの最後に松浦氏のおっしゃった言葉が印象的でしたので、そのままご紹介します。「私たち人間は地球の中に生きているちっぽけな自然の一部でしかないのですから、その自然の中で生かしていただいていることを認識し、謙虚さを持つことが必要ではないかと思います。そこから見えてくるものがたくさんあるような気がしてなりません。」
幻のお豆「銀手亡」
農薬不使用・無肥料の自然農法で幻の白いんげん「銀手亡」は、一粒一粒に北の大地のエネルギーをギュッと詰め込んで、イキイキと元気に育った極上のお豆。ほんのり広がる天然の甘みは、生産者の秋場さんが自然と真摯に向き合い、語り合いながら、肥料の代わりにたっぷりの愛情を注ぎ続けてきた証拠でしょう。 |
これもおすすめ!
中川信緒の手前みそ 一昨年の秋場農園はお豆が不作。お味噌用のお豆も提供いただくことが叶わず、お仲間の伊藤さんの黒大豆で仕込みました。そして、今期の「手前みそ」で、待ちに待った秋場さんの無農薬無施肥大豆が大復活です! |
|
須賀さんのうどん(乾麺)200g入り 有名な有吉佐和子さんの著書『複合汚染』でも取り上げられた埼玉県の須賀さんもまた、こだわり農法の農家さん。自家採種・無肥料の自然農法で須賀さんが育てた小麦から、美味しいうどんが出来ました。 |