月のリズムを知って生活を見直してみると、いかに人が自然と深くつながっている存在なのかを知ることができます。月のリズムを感じる暮らし、体験してみませんか。
心も体も、月に影響されている!?
月は空を見上げれば出会える、身近な存在。月の満ち欠けのリズムによって、食事や入浴方法なども変化をつけると、より快適に過ごせるというから不思議です。月と人との関係性について、改めて見つめてみましょう。
人も海も、月の引力に影響を受ける
空気が澄み、月や星の輝きが増す季節です。満月の夜には月光浴もいいですね。
かつて日本では月の満ち欠けを取り入れた太陰太陽暦(旧暦)を用いており、「月」は人々にとって、身近な存在でした。太陰太陽暦は動植物や天候など、自然界の動きを知ることもできるもので、大自然の叡智に満ちたカレンダーです。しかし明治になり地球が太陽をまわる周期による太陽暦が採用されると太陰太陽暦は用いられなくなり、人々が月を見上げる機会も少なくなってしまいました。
しかし、暦で月の満ち欠けを知ることはなくなっても、人と月との関係が密接なことは変わりありません。
地球の表面積のおよそ7割は海であり、月の引力によって「潮の満ち引き」が起きています(図1)。この潮の動きは、海中の生物にも影響を与えています。ウミガメやサンゴなどは満月の夜に産卵し、また海の生物は満月や新月の時に生殖活動を行う場合も多いのだとか。人間も例外ではなく、新月や満月の時に出産件数が増えるといいます。
『月の魔力』などの著書で知られるアーノルド・L・リーバー氏は、月の満ち欠けが人体に大きく影響するという「バイオタイド理論」を説きました。海水の塩分濃度と人体の塩分濃度はほぼ同等であり、海が月の影響を強く受けるように、人体にも月が影響するのは必然、と考えたのです。リーバー氏はもともと精神科の医師であり、病院での臨床経験から、月と人間の体・精神状態との関連性を、迷信ではなく事実として確信するようになったといいます。その関連性の事例を集めて研究を重ね「満月や新月のときは心身の緊張が高まり、半月のときには弛緩する。満月や新月のときには生命力が高まり、半月のときには弱まる」という基本リズムを発見しました。
満ちる時には「抑制」、欠ける時には「発散」を
具体的に、月の満ち欠けとそれに呼応するエネルギーの動きをみてみましょう。満月から新月に向けて月が欠けていく時期は、「解毒」「洗浄」「発汗」「発散」のエネルギーが強まり、新月でそのエネルギーがピークを迎えるといわれています。手術や治療はこの時期に行うと出血が少なく回復も早いとされ、また掃除や洗濯などの家事も効果的にできる時期だといいます。また新月は、「浄化」「解毒」のエネルギーが高まるので、新しいことをはじめるのにはいい時期ともいわれています。
一方、新月から満月に向けて月が満ちていく時期は、「補給」「摂取」「保護」「休養」のエネルギーが強まっていき、満月でピークを迎えます。この時期には栄養を吸収しやすく体を作るのに効果的といわれています。
月の満ち欠けに伴うエネルギーの変化を上手に暮らしに取り入れると、リズミカルに、より健やかに過ごすことができるのです。月が欠けていくときは「発散」、満ちていくときは「抑制」……このリズムを日常で自分なりに確かめてみることもできます。たとえばアイデアを「抑制」の時期にため、「発散」の時期に実行に移すとスムーズに進むということです。自然の動き、季節、自分自身の体調や気分……あらゆるものを注意深く観察して、月の動きとの関連性を、自分なりに研究してみても新たな発見があるかもしれません。
ニューヨークでは満月を「サクセスムーン」と呼び、交渉ごとに適する日とされ、インドのハタ・ヨーガでは、満月の夜は大自然の力と人が結びつきやすいことから、瞑想が重視されてきたといいます。その他にも月にまつわる暮らしの智恵は、世界中でたくさん言い伝えられています。人は昔から、月のエネルギーを感じ、暮らしの中に生かしてきたのですね。
満月・新月のプチ断食のすすめ
月のリズムを食事方法に取り入れるのも効果的といわれます。満月に向けては、栄養を「吸収しやすい時期」であり、逆に新月に向けては「浄化が進む時期」で、デトックスにはいい時期。また満月と新月の日にプチ断食をすると体が元気になるとも言われています。特に満月の日に生命力のある栄養価の高いものを取り入れながらプチ断食すると体がとてもよろこぶとか。また新月の断食は、より浄化力が高まります。
女性の「月経」も、月のリズムとつながりが深いものです。月の周期の1サイクルは29.5日、女性の月経周期も平均すると28日前後で、ほぼ同じリズムです。いらないものを捨てる時期、新しいものを吸収していく時期……心や体のバイオリズムも月の満ち欠けとともに考えると理解しやすいものです。心も体も月の満ち欠けに影響されているのかと思うと、自分がいかに自然とともにあるかを実感することもできます。「うっとうしい」と感じていた「月経」が愛しく感じられてくるかもしれませんね。
「月経血コントロール」で女子力アップ!
月経を意識的に過ごし、自分自身とよりよくつながる方法として、月経血コントロールがあります。眠っていた感覚を呼び覚ますと、月経のリズムが、月のリズムとあってくるかも !?
布ナプキンは月経への意識を高める
女性は、月経血を自分の力で出したり止めたりできる力があることをご存知でしょうか。まだ「紙ナプキン」のなかった時代の女性たちは、経血の出るタイミングがわかり、トイレで排泄するのがあたり前だったといいます。
あかちゃんは布おむつを使うことで「快」「不快」の感覚が育つといわれていますが、紙おむつの登場により、「不快感」を味わえず、感覚が育ちにくくなっているともいわれています。それと同じように、女性が月経時に「紙ナプキン」を使うことは、もともとある感覚を鈍らせる原因となっているのかもしれません。
最近では「布ナプキン」が静かなブームとなっていますが、布ナプキンを使うと経血の出るタイミングがわかりやすくなります。紙ナプキンのように即座に血液を吸収しないため、「不快感」が残るからです。不快感をもったタイミングでトイレに立つことができれば、ナプキンの汚れを少なくすることも。尿をがまんするときのように力を込めれば、一時的に経血を止めることも自然にできるようになります。布ナプキンを使うことは、女性が本来ある感覚を再び取り戻すきかっけになるものかもしれません。
骨盤底筋群を鍛えて経血コントロールを
より積極的に月経血のコントロールをする方法として、「骨盤底筋群」(図1)を鍛える方法があります。布ナプキンメーカー「Ena」では、女性の本来もつ「身体の智恵」を目覚めさせ、より女性としての魅力を内面から育てるために月経血コントロールをすすめています。月経血コントロールをするためには、子宮や膀胱や腸などの内蔵を支えている「骨盤底筋群」を意識し、鍛えることが重要なのだとか。「骨盤底筋群」は尿道や膣、肛門を引き締める役割を果たしており、これを鍛えることで、経血を止めたり出したりする力がつき、尿漏れなどの予防改善にもなるということです。「Ena」のすすめる「骨盤底筋群」を意識する体操の一部を簡単にご紹介しましょう。
(1)まず、足を肩幅に開き、まっすぐ立ちます。片方の手を胸の下に、もう片方の手をおなかに当てます。
(2)おへそから指4本分下にある丹田を意識しながら、ゆっくり腹式呼吸をして、リラックスします。
(3)「キュッ」と声を出しながら、尿をがまんするときのように力を入れ、骨盤底筋を頭頂部に引き上げるようイメージします。
※骨盤の中で、平らに置いたティッシュ(=骨盤底筋群)の中心をつまんで引っぱり上げるような感じで。
(4)「キュウー」「キュウウウウー」と少しずつ言葉を長くしながら、さらに引き上げるようにイメージします。その後、ゆるめます。
「骨盤底筋群」を意識する体操は、体の中心軸をとることにもつながり、姿勢も自然にすっと伸びます。声や動作なしで、骨盤底筋群を引き上げるようにイメージするだけなら、信号待ちや電車に乗っているときなど、いつでもどこでもできます。毎日少しずつ続けて、月経血コントロールを身につけ、自分自身とより深くつながることができたらすてきですね。