わたしには料理や栄養や食事療法に関する専門的な知識はありません。そもそも料理好きとは言えないタイプです。それでも日々欠かすことなく調理していれば、自分と子どもたちに合うやり方は見えてきます。
わが家は80%くらいベジタリアン。動物性を減らすことについてはいろんな理由づけができますが、定着しているのは結局、そのほうが楽だからです。
一つには家事がとても楽。野菜中心だと調理過程の衛生面での気遣いをかなり減らせます。ぎとぎとした動物性の油がないことで、洗いものの手間も驚くほどかかりません。子どものおやつを作るときにも、動物性を使わなければ、作るのも、後片づけも、ものすごく楽ができます。お誕生ケーキでもなんでもできるだけ作る方針でやってきてますが、バターをこねたりなんだりする過程が必要だったら、もう絶対できなかったと思う。製菓道具についた動物性のべたべたを洗うのは、億劫すぎます。植物性の材料から作ることで、料理べたのわたしでも、仕事をしながら家族の食を、日々なんとかまかなえるのだと思います。
でも、動物性を減らすことよりも、白砂糖をできるだけとらないこと、添加物を減らすことに注意しています。
うなずかれる方もいらっしゃると思いますが、そのほうが、心身ともに楽だから心がけています。常食しなくなって初めて気づきましたが、白砂糖は食品の域を超えた刺激物。食べたとたんにのどが腫れたり、わさびのような刺激を感じたりします。添加物が多い加工食品も、べたべたしていやな味がして、食品とは思えません。
そういうものを無理して食べると、イライラしたり、倦怠感が出たりします。なので、自分が楽な食べ方を考えると、なるべく自然なものを選ぶようになります。また、食によって、子どもの情緒が大きく左右されることもわたしは実感しています。市販のお菓子をいただく機会がありますが、下の子はキツすぎて口に合わないみたいで基本食べません。 上の子は食べて乱暴になったり、うんちが出づらくなったりします。
動物性食品をとらないと子どもが栄養不足になるのでは、という懸念は強いようです。わたしはそれについては気にしなくなりました。「多数の品目を食べる」ことの必要性も、正直よくわからなくなっています。一日30品目を目標にとるような考え方は、何かのプロパガンダかもしれない。大切に育てられて栄養満点の、新鮮な旬の食材を食べること、きちんと排泄できることのほうが実は大切なのではないかと。
栄養の指導を受けた小学生が「でも(同級生の)●●ちゃん、お肉食べなくても(牛乳飲まなくても)大きいよねぇ」と疑問を呈すくらいに大きくしっかりした骨組みの子どもたちの食生活が、粗食の菜食で成り立っていたりします。そのお宅のお母さんは「食べることから解放されるとものすごく楽になる」と言っていました。料理の上手な方ですが、使っている食材の数は、たしかに多くありません。お母さんご本人は驚くほどの少食で、よく噛み、余すところなく吸収し、風通しのよい体を作っているようです。その子どもたちも同様で、吸収力に配慮された食事で、人並み以上に大きく育っています。『子どもを守る自然な手当て』(農文協)で大森一慧先生が言っていたように、子どもに量を食べさせるため、子どもの好きなものを作るのは違うのだと思います。
“食べこなす”ことで栄養になる。と考え、うちでは「いいうんちが出ているか」が目安です。黄色から茶色くらいのばななうんちがするっと出て、おしりを拭いてもまったく汚れないくらい奇麗に排泄できる状態が理想です。うちの子をみてる限りでは、出ないときは、やはり食べすぎていたり、動物性をとりすぎています。だから、自分にわかる範囲でですが、子どもの排泄物の様子や情緒、季節になんとなく合わせながら食事を作ります。排泄から逆算して食べるのが、わたしにはわかりやすい規準となっています。
文中ご紹介した手当ての詳細については info@prema.co.jp までメールにてお問い合わせください。
望月 索(もちづき・さく)
5歳と2歳の2女の母。不摂生も極まった37歳で妊娠。高年出産のうえ当然のようにトラブル妊婦だったが、産婦人科の方針とソリが合わず、近所の美容院で助産院なる存在をたまたま知ったことで、自然分娩へと舵を切る。 トラブル妊婦が自然分娩できるからだを作る過程でライフスタイルは真逆に変化。気づくとハードコアな自然派お母ちゃんに。 編集、ライター、プレマの東京スタッフの1人。 |