大きく編んで蒸気で調整 機械に頼らず人の手で仕上げる
杉山ニット工業 代表 杉山 浩之さん

誰もが毎日のようにお世話になっている靴下にEMを配合するという斬新な発想から、その技術を開発。健康をより実感できる靴下を製作販売する杉山ニット工業の杉山浩之代表に、品質へのこだわりや新製品について伺ってきました。

工場敷地内に鎮座する第23 代顕宗天皇陪塚前での杉山浩之代表。由緒正しき土地柄からか、趣味は名所旧跡めぐり。無類の城好きでもある。、品質へのこだわりや新製品について伺ってきました。

弊社は、先代の杉山昇が1965年に創業しました。私は、生家が家庭配置薬の商売をしていたこともあり、薬学系に進み製薬会社で研究開発をしていましたが、縁あって杉山ニット工業に婿養子に入ったのです。結婚後もサラリーマンを続けていたのですが、先代がEMに注目し始めた際、技術畑ひとすじの父に代わり世に広めることが私の運命だと感じ、会社を退職。34歳で家業を継ぎました。それまでは、 BALLY、 MARIOVALENTINOなどの大手高級ブランドの下請け工場でしたので、自社製品の得意先はゼロ。そこで、毎日朝からコツコツと営業の電話をかけ、興味を持っていただいたら無償でお試しいただき、良かったら取り扱いをして欲しいとお願いして回るという方法で広め始めました。大変な船出でしたが、そこは会社時代の経験が生かせたと思います。

EMは農薬や化学肥料に頼らない環境保全型の農業用資材として誕生したという経緯があるので、体に良いに違いないと父は着目したようです。当時設立されたばかりの有限会社EM研究機構を訪ねて沖縄まで赴いたとき、EMではなく「EMーX」を添加したらどうかというアイデアをいただきました。そこから糸にEMーXを吸着させる方法の開発に着手しました。半年ほど試行錯誤が続き、EMーXそのものを吸着するのではなく、その波動を糸に吸着させる技術を、先代が成功させたのです。波動測定器での効果も立証されており、その波動効果は何回洗濯してもほぼ低下しません。

工場内はきれいに掃除され空気がすこぶるきれい。機械一つひとつに「ありがとうございます」の文字が貼られている

 

 

 

大きく編んで小さく整える

右が製造直後の編み上がり、左が完成品。製造の最終工程で蒸気をあてサイズを調整するとこんなにサイズが違う

弊社の靴下は、機能性、履き心地、耐久性などを重視。オートメーションに頼らず、一点一点、ていねいに確認しながら、人の手で仕上げています。 素材も厳選しており、靴下は3つの糸で構成されます。一つは外側に編みだされる表糸、二つめは裏に編みだされる収縮を促す裏糸、そして、ゴム糸です。ゆとりをもって大きく編むのが弊社の特徴です。仮に一般の靴下が12に編むとすると弊社は15に編んで10に詰めます。それほどの差があります。最終製品の20~30%のサイズで編み上がったものを蒸気によって、最後の工程で適切なサイズに調整するのです。“大きく編んで小さく縮める”から、目が詰まって揃うことで破れにくい。だから耐久性にすぐれているのです。編機はメーカーの営業担当にもアドバイスをもらいながら製品ごとに私がカスタマイズしており、1台で女性用や子ども用まで作れるようにしています。 今ではリピーター様が75%になりました。一度離れても戻ってきてくださるお客様が増えているのは本当にありがたいです。「杉山ニット工業の靴下だから買おう」と言っていただける商品を作りたいと願っていますので、それが伝わっているのならありがたいですし励みになります。それは見学に来られた方に「こんなきれいな工場は見たことがない」と言われることにも通じているかもしれません。厳選した糸を使うことで毛くずが溜まらないようにしていますし、もちろん掃除も欠かしません。静電気を起こさないためです。そして、できあがった製品は出荷まで檜の棚に並べて収納しています。この号が出るのは、ちょうど新製品「彩」が発売されているころ。みなさまのお手元に届くことを願っております。

すべて機械に頼ることなく、仕上げはまごころを 込めて手作業でおこなう

※EMとは「Effective Microorganisms」(有用微生物群)の略。光合成細菌、酵母、乳酸菌、放線菌など人間に有益な有用微生物によって構成される。

 

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