野菜などの生鮮食品を入れておくと不思議と新鮮に長持ちする保存容器、触れているだけで、なぜか心地よく眠りやすい寝具など、エンバランスシリーズは、その効果がわかりやすく、使うとさらに関連商品がほしくなります。商品開発をしてこられた株式会社ホワイトマックス会長の増本勝久さんに、そのきっかけや思いについてお話を伺いました。
プラスチック素材の調理用手袋などの使い捨ての商品を扱ってきました。食品業界では必要不可欠なものですが、25年ほど前に環境問題が注目を浴び、プラスチックは悪とされ始めました。そこでプラスチックを見直すことにしました。石油原料ですが基本的には炭素と水素の結びつき。環境汚染などの問題を改善できないかというのが、エンバランス事業開発の発端です。
当初は化学的な方法を試みつつ、1冊の本をきっかけとして、エンバランスの特殊加工技術を開発するにいたりました。できあがった試作品は、社内実験では間違いなく鮮度保持効果があったのですが、食品分析センターに持ち込むと拒否されました。エンバランスの特殊加工技術に使用しているあるものが当時は食品の保存には使えなかったのです。
一度は頓挫し、検証を繰り返すなかで僕は「水が機能を伝達するのではないか」と予測しました。幼少期、兵庫県の夙川の近くで育ち川遊びばかりしていた体験に基づいたものです。上流域、中流域、下流域とそれぞれの水質で、どんな魚がいるか把握するほどいつも川にいました。飲めるほどきれいな上流から、生活排水が流れ込み藻も茶色っぽくなり汚濁が見られる中流。
そして、浜のほうに行くと塩水に触れた水域がきれいになっていて安全なのです。僕が小学生のころ日本は全国一斉に田畑に農薬を撒き始めました。そのため川や田畑の側溝にドジョウ、フナなどが死骸となって一斉に浮き上がりました。そういった環境問題と接触していて「きれいな水に物質を触れさせると、触れたものが変化・改善する」ということを体感として認識していました。
このような僕の体験をもとにエンバランス加工の開発をスタートし、阪神大震災が起こる二年ほど前に鮮度保持袋が完成しました。阪神大震災は地元でしたのでボランティアにも駆けつけ、そのときに水タンクの必要性を感じ、早急にエンバランスの水タンクも作りました。以降、さまざまな地震の現場に寄付している一番思い出深い商品です。
弊社の商品はお客様の悩みから生まれたものがたくさんあります。今、低体温などの健康問題がありますよね。特に女性特有の冷えやむくみ、生理痛などは緊急課題と捉え、女性陣ががんばって開発してくれています。
着圧ソックスも立ち仕事の販売員の方や看護師の方などに人気ですが、そういった働く女性の悩みを解決できるようなものを作りたいです。