45歳で助産院に
45歳で出産予定の方からご連絡をいただきました。
他の方の貴重なお話を伺うたびに、女性には、ライフステージに沿って生まれ変わる機会が自然に備わっていて、素晴らしいなぁ、と思います。「四十にして惑わず」をもうずっと超えてから、再度のお産を通して自分をバージョンアップできるなんて。幸せですよねぇ。
その、45歳の方も、とても素敵な妊娠生活を送ってらっしゃるようなのですが(いいなぁ!)、いただいたご連絡のなかに、私がこの連載で書いていることを読んで、自分の年齢では助産院での出産は無理かもしれない……と思っていたところ、受け入れてくださる助産院がありました!といった趣旨の記載がありました。まず一番におめでとうございます、とお伝えするとともに、これは私に別種の責任が生じている、と思ったので、ここ、誌上でも補足させてください。
上記の方は、第一子は病院出産だとのお話です。第一子のお産に満足していたので同じ病院に行ったところ、その病院の現状に疑問を感じ、いくつかの経緯をへて、自然食料品屋に置かれていたチラシの助産院にお電話して、お産を受けていただいたそうです。もちろん、病院からのスムーズな転院を、ご本人が上手に成し遂げられてこそ、という側面はあるそうです。
必ずしも年齢で区切られないという具体例って、とても心強いですよね。
早いほうがいいけれど
私は44歳で3人目を産もうとして二箇所の助産院で断られました。ただ二つ目に関しては、以前産んだ助産院で断られた、という現実が、ネックになったかもしれません。
そして、一箇所目の助産院が私を断った理由は、嘱託医の「年齢的に助産院は難しい」という判断が一番ですが、現実問題として、第一子を産む前の私の不摂生がもたらした、負の遺産が災いした可能性があります。
子宮筋腫もあるし、妊娠して初めて生活態度を見直した低レベルな妊婦だった私は、妊婦になってからは真面目だったので(という生真面目さにも問題は生じうると、今ならわかります)、それを見ていた担当助産師さんが、助産院で産めるよう守ってくださいました。その方がいなければ、第一子のときも病院への転院を勧められた可能性があります。その方は、今はもうお辞めになっていて、今いらっしゃる先生は、第一子のときの、「プロの目から見て難しかった」(でも自分的には大満足の安産だった)、子宮筋腫ありのお産を覚えてらした。
筋腫はお産とともになくなって、その後私も進化しましたが、そこまでその先生はご存じありませんから、守ってくれた助産師さんの退職とともに、ご縁が切れても不思議ではありません。私固有の因果もあるんですね。
年長者の常として、産科医療システムの問題もありますから、できるだけ若いころに産んだほうがいいということはなんどもお伝えします。
ただそれを言いすぎると諦めを呼ぶのかもしれません。最初から諦めるよりは、気になる産院に連絡してください。現場の受け入れ状況はサイトからではわからないので、まずは直接電話などして、面談なさってくださいね。特に、第二子以降なら、高齢でも、トライする価値はありますよ!
望月 索(もちづき さく)人一倍不摂生な出版仕事人が37 歳、40 歳、44 歳で出産、育児の経験も積み、健やかな暮らしについて学び合う協会の設立メンバーに。
編集、ライター、一般社団法人日本マクロヘルス協会理事。編著に『子どもを守る自然な手当て』、訳書に『親子で楽しむ!
おむつなし育児』、『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』。
http://macro-health.org